「大平山元I遺跡」の版間の差分
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2021年6月20日 (日) 01:18時点における版
座標: 北緯41度03分55.1秒 東経140度33分07.0秒 / 北緯41.065306度 東経140.551944度
大平山元Ⅰ遺跡(おおだいやまもといちいせき)は、青森県東津軽郡外ヶ浜町にある旧石器時代終末期から縄文時代草創期の遺跡である。2013年(平成25年)3月27日付で国の史跡に指定された。指定名称は「大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)」[1]。
概要
1975年(昭和50年)とその翌年に青森県立郷土館により[2]、1998年(平成10年)に民家の建て替え工事に伴い旧蟹田町教育委員会により発掘調査されている[3]。旧蟹田町教育委員会が行った発掘調査で出土した縄文土器は世界の中で最も古い[4]とされるものがある。
縄文土器に付着した炭化物のAMS法による放射性炭素年代測定法[5]の算定で16,500年前(暦年較正年代法による)のものである可能性があるとされる[6]。また、石鏃も世界でもっとも古いもので、これは世界で最も古い弓矢の使用を示す。
外ヶ浜町山元地区にはⅠ〜Ⅳ遺跡、墓地公園遺跡などいくつもの縄文遺跡が発見されているが、このうち本遺跡は縄文時代草創期のものである。これらから出土した石器や土器は、大山小学校跡の大山ふるさと資料館に保存されて自由に見学ができるようになっている。
大平山元Ⅰ遺跡からは石斧や石核、石鏃などの石器も発掘されている。ほとんどの石器の材料は地元の川から採れる頁岩からできているが、中には青森県西津軽郡鰺ヶ沢町から運ばれてきた黒曜石からできている石器もある。
土器はすべて小破片で形の分かるものはないが、文様はなく平らで角張った底の土器である。土器の内側には炭化物が付着しており、食料の煮炊きに使ったものであることが分かる。これは世界でもっとも古い煮炊きの跡と言えるだろう。
現在は民家と民家の間に挟まれた狭い空き地にある。田の近くにあるため、縄文時代には湿地帯のすぐ近くの小高い場所だったとされる。
北海道・青森県・岩手県・秋田県及び関係市町村が連携して世界遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する16遺跡の1つとなっている[7]。
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土器出土地点
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出土した土器
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出土遺物を展示する大山ふるさと資料館
脚注
- ^ 大平山元遺跡(国指定文化財等データベース-文化庁-)
- ^ 縄文時代草創期の土器・石器(青森県立郷土館デジタルミュージアム)
- ^ 谷口 2000年 pp.19-20
- ^ 歴史民俗博物館 縄文はいつから!?
- ^ 名古屋大学教授の中村俊男の測定。サンゴの年輪中のC14(放射性炭素)濃度の変動をもとに、実際のC14年代測定値を補正した値である。
- ^ 谷口 2000年 p.22
- ^ 青森の縄文遺跡を世界遺産に(外ヶ浜町)
参考文献
- 谷口康浩 2000年3月「極東における土器の起源とその年代」『名古屋大学加速器質量分析計業績報告書11』pp.17-37 名古屋大学年代測定資料研究センター