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「サモエード人」の版間の差分

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*北部サモエードは[[カニン半島]]から[[タイミル半島]]におよぶ広大な地域に住んでいる。ユラツ人のみが[[ツングース系]]の[[エヴェンキ|エヴェンキ族]]と同化したため民族としては消滅した。
*北部サモエードは[[カニン半島]]から[[タイミル半島]]におよぶ広大な地域に住んでいる。ユラツ人のみが[[ツングース系]]の[[エヴェンキ|エヴェンキ族]]と同化したため民族としては消滅した。
*南部サモエードはかつて[[オビ川]]・[[エニセイ川]]流域の[[ミヌシンスク盆地]]からサヤン山脈付近にまでいたが、ある時点でネネツ人の一派とともに[[テュルク系民族|テュルク系]]([[ヤクート]]など)または[[モンゴル系民族|モンゴル系]]と同化し、セリクプ人を除いて民族としては消滅した。
*南部サモエードはかつて[[オビ川]]・[[エニセイ川]]流域の[[ミヌシンスク盆地]]からサヤン山脈付近にまでいたが、ある時点でネネツ人の一派とともに[[テュルク系民族|テュルク系]]([[ヤクート人|ヤクート]]など)または[[モンゴル系民族|モンゴル系]]と同化し、セリクプ人を除いて民族としては消滅した。
*かつて[[モンゴル高原]]北部から東南シベリアの[[バイカル湖]][[湖畔|畔]]地域にある[[セレンガ川|セレンゲ流域]]にかけて割拠した[[メルキト]]人は、起源的には[[サモエード諸語|南サモエード]]の系統をひくものと思われ、後にテュルク化し、さらにモンゴル化したものと思われる<ref>:村上正二『モンゴル秘史1 チンギス・カン物語』([[平凡社]]、[[1970年]]、ISBN 4582801633)</ref>。
*かつて[[モンゴル高原]]北部から東南シベリアの[[バイカル湖]][[湖畔|畔]]地域にある[[セレンガ川|セレンゲ流域]]にかけて割拠した[[メルキト]]人は、起源的には[[サモエード諸語|南サモエード]]の系統をひくものと思われ、後にテュルク化し、さらにモンゴル化したものと思われる<ref>:村上正二『モンゴル秘史1 チンギス・カン物語』([[平凡社]]、[[1970年]]、ISBN 4582801633)</ref>。



2021年6月28日 (月) 21:41時点における版

ネネツ人の家族

サモエード人(サモエードじん)またはサモイェード(Самоди́йцы, самое́ды - Samodijtsi, samoedy)とは、ロシア連邦北部のツンドラ地帯に住みサモエード諸語を話す先住民族の総称。人種的にはモンゴロイドに属する。

概要

その原住地についてはウラル山脈東部、アルタイ山脈付近以西、サヤン山脈などの説がある。言語学的にはウラル語族サモエード語派に属し、ウラルからロシア北部を中心とするフィン・ウゴル語派と関係がある。

主に北極海に近いネネツ自治管区ノヴァヤゼムリャヨーロッパロシア北東部)、ヤマロ・ネネツ自治管区タイミル自治管区シベリア北西部)に住む。

その中でもネネツ人の人口が特に多く4万人ほどいるが、他の各民族は数十人から千人程度の規模とみられる。生活様式としてはトナカイ牧畜のほか、狩猟漁労がある。宗教正教、古来のシャーマニズムなど。

しかし、近年にロシア語で「サモ」と「エード」の言葉の意味の組み合わせは、自己+食べる者 と連想され、つまり「人肉を食べる人」という見方があった。そのために「サモエード」は、差別的、軽蔑的な意味を指し、20世紀に入り、この呼称は使用されなくなり、代わりに人を意味する「ネネツ」が代わって呼称されるようになった(これはサーミ人の「ラップ人」の経緯と共通している)[要出典]

言語系統

言語の違いから次のように分けられる


遺伝子

サモエード人はウラル系Y染色体ハプログループNが約9割の高頻度にみられる[2]。特にN1a2系統が高頻度である(フィン・ウゴル系はN1a1系統)。ただし、セリクプ人ケット人に多いQ系統が67%も見られる[3]ことから、かつてはエニセイ語族に属す言語を話していたと考えられる。

脚注

  1. ^ :村上正二『モンゴル秘史1 チンギス・カン物語』(平凡社1970年ISBN 4582801633
  2. ^ Tambets, Kristiina et al. 2004, The Western and Eastern Roots of the Saami—the Story of Genetic “Outliers” Told by Mitochondrial DNA and Y Chromosomes
  3. ^ Tambets et al 2004

関連項目