「JR東日本215系電車」の版間の差分
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増加する[[東海道線 (JR東日本)|東海道線]]の遠距離通勤に対応し、着席サービスと並行する貨物線を活用した速達サービスを提供するための[[ホームライナー|ライナー列車]]「[[湘南 (列車)|湘南ライナー]]」・「湘南新宿ライナー(→おはようライナー新宿・ホームライナー小田原)」で運用されることを目的として、[[国鉄211系電車|211系]]の[[2階建車両|2階建]][[グリーン車]]と[[国鉄415系電車|415系]]の2階建試作車クハ[tel:415-1901 415-1901]をベースに開発された。 |
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車体デザインはトランスポーテーションデザイン機構(TDO)の手銭正道と戸谷毅史が手掛けた。座席定員の増加を基本コンセプトにした両先頭車を除く全車が2階建車両で、[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]1両の座席定員は最大で120名、1編成で1010名である。 |
車体デザインはトランスポーテーションデザイン機構(TDO)の手銭正道と戸谷毅史が手掛けた。座席定員の増加を基本コンセプトにした両先頭車を除く全車が2階建車両で、[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]1両の座席定員は最大で120名、1編成で1010名である。 |
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=== 湘南新宿ラインへの転用 === |
=== 湘南新宿ラインへの転用 === |
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快速「アクティー」での当系列の運用は |
快速「アクティー」での当系列の運用は、各車両片側2ドアなどの車体の構造上の問題や、15両編成が主体の東海道線内では比較的短い部類の10両編成となる編成上の問題などで各停車駅での乗降に時間がかかり、遅延が目立つようになった。そのため、[[2001年]](平成13年)12月1日の[[2001年以降のJRダイヤ改正|ダイヤ改正]]をもって快速「アクティー」の運用から撤退した。その後同改正から運行を開始した[[湘南新宿ライン]]に運用の場を移し、日中の横須賀線[[横須賀駅]] - 新宿駅間系統の[[普通列車]]・土休日の東海道本線[[小田原駅]] - 新宿駅間の快速列車の一部に充当された。 |
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=== 湘南新宿ラインからの撤退・定期運用終了 === |
=== 湘南新宿ラインからの撤退・定期運用終了 === |
2021年7月13日 (火) 08:04時点における版
JR東日本215系電車 | |
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215系電車 (2008年6月13日 大船駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 |
日本車輌製造 日立製作所笠戸事業所 |
製造年 | 1992年 - 1993年 |
製造数 | 4編成40両 |
運用開始 | 1992年4月20日 |
運用終了 | 2021年3月12日 |
主要諸元 | |
編成 | 10両編成(4M6T) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V |
最高運転速度 | 100 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 1.7 km/h/s |
編成定員 | 830人(普)+180人(グ)=1,010人 |
編成重量 | 368.5 t |
全長 |
20,000 mm (クモハ、モハ、サハ) 20,500 mm (サロ) |
全幅 | 2,900 mm |
全高 | 4,070 mm |
車体 | ステンレス |
主電動機 | 直流直巻電動機 MT61型 |
主電動機出力 | 120 kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 1:5.19 |
編成出力 | 120kW×16=1,920kW |
制御方式 | 抵抗制御・直並列組合せ制御・弱め界磁制御・界磁添加励磁制御 |
制動装置 |
電気指令式ブレーキ 回生ブレーキ 抑速ブレーキ |
保安装置 | ATS-SN、ATS-P、ATC-5(使用停止) |
215系電車(215けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有している直流近郊形電車。1992年(平成4年)から1993年(平成5年)にかけて10両編成4本(40両)が製造された。
概要
増加する東海道線の遠距離通勤に対応し、着席サービスと並行する貨物線を活用した速達サービスを提供するためのライナー列車「湘南ライナー」・「湘南新宿ライナー(→おはようライナー新宿・ホームライナー小田原)」で運用されることを目的として、211系の2階建グリーン車と415系の2階建試作車クハ415-1901をベースに開発された。
車体デザインはトランスポーテーションデザイン機構(TDO)の手銭正道と戸谷毅史が手掛けた。座席定員の増加を基本コンセプトにした両先頭車を除く全車が2階建車両で、普通車1両の座席定員は最大で120名、1編成で1010名である。
車体
車体はステンレス製、前頭部は普通鋼製の軽量車体で、211系グリーン車を元に設計した2階建て構造である[注 1]。10両編成のうち両端の各2両(計4両)を電動車(クモハ215形 - モハ214形。それぞれ定員[注 2]64名、120名)とし、中間の6両はすべて付随車の4M6T構成となった。両端の電動車ユニットの基本設計は同一で、下り熱海方は方向転換する形で組み込み、上り東京方を100番台、下り方を0番台としている。制御電動車は、機器を集中搭載するため通常の平屋構造の車両と同様にフラットな台枠構造とされ、床下に機器を搭載するとともに2階部分の床下台枠上も機器を搭載している。出入口は普通車は幅900mmの片開き扉を、グリーン車は幅800mmの片開き扉をそれぞれ片側2か所に設けている。
パンタグラフはクモハ215形の車端部にPS24形を装備しており、中央本線小仏トンネルなどの小断面で狭小なトンネル通過に対応したものである。中間の付随車は、普通車はトイレ付のサハ215形(定員111名)を3・8号車に、トイレなしのサハ214形(定員120名)を6・7号車とし、グリーン車はトイレありのサロ215形が5号車、トイレなし・車掌室付きのサロ214形が4号車に連結されている(いずれも定員90名)。トイレ付車両はいずれも熱海方にトイレがある。第2編成以降、サハ215形はATC搭載の関係でATC用速度発電機とジャンパ連結器を装備し上り東京方を100番台、下り方を200番台としている[2]。第1編成についてはATC搭載後も改番されなかった。
当初は5両編成の付属編成の製造も計画されており[3]、付属編成上り方の先頭車がTcとなる2M3Tとなる予定であった[4]が実現しなかった。
エクステリアは「ジェントル&ノーブル」を基本コンセプトに、幕板部をベージュ、2階窓周りをダークグレーとし、扉部をあずき色としている。先頭の鋼製部分は白く塗装し、アクセントとして貫通扉はあずき色に、運転台窓周りはグレーを前面から側面に掛けて巻いている。なお、貫通扉や車体側面には、「Double Decker Liner」の略である「DDL」の文字を図案化したロゴが貼られている。
車内
普通車の座席はすべて、シートピッチ1460mmのボックス式クロスシートであり、253系の普通車で採用されたフランス・コンパン社製の座席である。グリーン車は211系と同じリクライニング式のシートが装備されている。
サハ215形の熱海方にある2D席は車椅子対応座席のため、2C席が欠番となっている。
-
グリーン席
-
普通席
-
優先席(普通車の一部の座席)
機構
基本的に211系のシステムを踏襲した界磁添加励磁制御で、主電動機 (MT61)・歯車比 (1:5.19) も同一であるが、最高運転速度120km/hと車体重量増に対応するため、抵抗短絡後の電流落ち込み値を高く設定して211系と同一の起動加速度を確保している。あわせて弱め界磁率を35%から30%へと変更して高速性能を確保し、台車にヨーダンパを装備している。補助電源装置は211系のブラシレスMGから静止形インバータに変更された。
保安装置はATS-SNとATS-Pが装備された。1993年に落成した第2編成以降は、品川駅から東京トンネルを通過し東京(地下)駅へ乗り入れるためATC-5を装備して落成し、第1編成も1994年(平成6年)に装備されたが、2004年(平成16年)に東京トンネル内のATCが廃止しATS-Pとなったため現在は使用されていない。
温暖地の東海道本線での運用を前提として耐寒耐雪構造にはなっておらず、後述する中央本線における臨時列車の運用は春季から秋季までとなる。
編成
編成番号 | ← 東京 熱海 →
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クモハ 215形 |
モハ 214形 |
サハ 215形 |
サハ 214形 |
サハ 214形 |
サロ 215形 |
サロ 214形 |
サハ 215形 |
モハ 214形 |
クモハ 215形 |
竣工 | |
NL-1 | 101 | 101 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1992年3月24日 |
NL-2 | 102 | 102 | 101 | 3 | 4 | 2 | 2 | 201 | 2 | 2 | 1993年10月12日 |
NL-3 | 103 | 103 | 102 | 5 | 6 | 3 | 3 | 202 | 3 | 3 | 1993年10月25日 |
NL-4 | 104 | 104 | 103 | 7 | 8 | 4 | 4 | 203 | 4 | 4 | 1993年11月2日 |
運用
通勤ライナーと快速「アクティー」への投入
1992年(平成4年)に落成した第1編成は、田町電車区に配置され、同年4月20日から平日朝晩の「湘南ライナー」1往復および平日日中の快速「アクティー」で運用を開始した。方向幕に「通勤快速」も用意されていたが、東海道線の通勤快速には使用されなかった。
2次車落成後の1993年(平成5年)12月1日以降は、「湘南ライナー」2往復および「湘南新宿ライナー」1往復に運用が拡大され、日中の快速「アクティー」にも全面的に使用を開始した。同時に休日は行楽用の「ホリデー快速ビューやまなし」として中央本線でも運転されるようになった。1998年(平成10年)3月14日のダイヤ改正から新宿発着の東海道本線・横須賀線方面への土曜・休日運行の快速列車として運行されるホリデー快速「ビュー湘南」・「ビュー鎌倉」にも充当された。2001年(平成13年)1月1日に山手線で臨時列車「21世紀記念列車・215(GO)号」(にじゅういちゴー)が本系列を使用して運転された。
湘南新宿ラインへの転用
快速「アクティー」での当系列の運用は、各車両片側2ドアなどの車体の構造上の問題や、15両編成が主体の東海道線内では比較的短い部類の10両編成となる編成上の問題などで各停車駅での乗降に時間がかかり、遅延が目立つようになった。そのため、2001年(平成13年)12月1日のダイヤ改正をもって快速「アクティー」の運用から撤退した。その後同改正から運行を開始した湘南新宿ラインに運用の場を移し、日中の横須賀線横須賀駅 - 新宿駅間系統の普通列車・土休日の東海道本線小田原駅 - 新宿駅間の快速列車の一部に充当された。
湘南新宿ラインからの撤退・定期運用終了
2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正で湘南新宿ラインの使用車両がE231系に統一されたことから運用から外れ、定期運用は平日の「湘南ライナー」・「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」のみとなった。また、これらの列車が運転されない土休日は品川駅 - 茅ケ崎駅・国府津駅間を回送列車として移動するのみとなり、その運用の少なさから愛好家からはニートになぞらえて「ニートレイン」と揶揄される事もあった[5]。
ただし、それまでと同様に観光シーズンは「ホリデー快速ビューやまなし」などの運用が組まれており、波動用車両としてその独特の車内設備を生かしていた。同快速は臨時に千葉駅や上諏訪駅まで運行された実績もある。
2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正で田町車両センターが東京総合車両センター田町センターに改組のうえ車両無配置化[6]されたことに伴い、全車両が国府津車両センターに転属した[6]。
本系列で運用されていた臨時快速列車「ホリデー快速ビューやまなし」は、2020年(令和2年)11月29日の運行を最後に設定がなくなった。
2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正で「湘南ライナー」・「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」が廃止されたため、本系列は前日の3月12日を以て全ての定期運用を終了した。
脚注
注釈
- ^ 内部構造については、本系列の試作車ともいえるクハ415-1901の運用実績がフィードバックされた。
- ^ 車両の性質上、すべて座席定員で、立席定員は設定されていない。以下同じ。
出典
関連項目
- 近鉄20100系電車
- Max
- 国鉄211系電車
- プッシュプル列車
- JR貨物M250系電車 - 215系同様にプッシュプル方式であるが、貨物列車という視点では動力分散方式となる。
外部リンク
- JR東日本:車両図鑑>在来線 215系 - 東日本旅客鉄道
- JR東日本215系 湘南ライナー・快速アクティー - 日本車輌製造