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2021年8月1日 (日) 08:34時点における版
長谷川 宏(はせがわ ひろし、1940年4月1日 - )は、日本の在野の哲学者。妻は児童文学者の長谷川摂子。
来歴
島根県生まれ。1968年に、東京大学大学院哲学科博士課程修了。学園紛争を経験参加した事で、(けじめをつけるため)一切大学には就職所属せず、自宅で学習塾を開くかたわら、哲学研究者として、原書でヘーゲルを読む会を主宰。
同会での活動をもとに、1992年に『ヘーゲル 哲学史講義』を新訳し、多数の関連出版を開始した。従来の専門家的な訳語をできる限り排した訳文は、読みやすいと評判になった。『ヘーゲル 哲学の集大成』を完結を期に、訳著の出版を終えている。
なお1998年には、ヘーゲルの『精神現象学』の翻訳により、レッシング翻訳賞(レッシング・ドイツ連邦政府翻訳賞)、BABEL国際翻訳大賞・日本翻訳大賞、を受賞した。
著書
- 『ヘーゲルの歴史意識』 紀伊國屋新書, 1974年、紀伊國屋書店, 1982年、講談社学術文庫, 1998年
- 『ことばの探索』 現代書館, 1976年
- 『ことばへの道 言語意識の存在論』 勁草書房, 1978年、講談社学術文庫, 2012年
- 『赤門塾通信きのふ・けふ・あす こどもたちとの知的共同体を求めて』 現代書館, 1980年
- 『黒田喜夫 村と革命のゆくえ』 未來社, 1984年
- 『言語の現象学』 世界書院, 1986年
- 『格闘する理性 ヘーゲル、ニーチェ、キルケゴール』 河出書房新社, 1987年、洋泉社MC新書, 2008年
- 『おとなと子どもの知的空間づくり 赤門塾の20年』 明治図書出版, 1990年
- 『同時代人サルトル』 河出書房新社, 1994年、講談社学術文庫, 2001年
- 『ヘーゲルを読む』 河出書房新社, 1995年
- 『新しいヘーゲル』 講談社現代新書, 1997年
- 『ヘーゲル 「精神現象学」入門』 講談社選書メチエ, 1999年
- 『哲学者の休日』 作品社, 2001年
- 『丸山眞男をどう読むか』 講談社現代新書, 2001年
- 『日常の地平から』 作品社, 2003年
- 『いまこそ読みたい哲学の名著 自分を変える思索のたのしみ』 光文社, 2004年、光文社文庫, 2007年
- 『高校生のための哲学入門』 ちくま新書, 2007年
- 『ことばをめぐる哲学の冒険』 毎日新聞社, 2008年
- 『双書 哲学塾 生活を哲学する』 岩波書店, 2008年
- 『ちいさな哲学』 春風社, 2009年
- 『初期マルクスを読む』 岩波書店, 2011年
- 『日本精神史』(上下) 講談社, 2015年
- 『幸福とは何か―ソクラテスからアラン、ラッセルまで』 中公新書, 2018年
共著ほか
- 『しあわせのヒント』 長谷川摂子と共著、河出書房新社, 1997年
- 編著『ヘーゲル 思想読本-知の攻略 1』 作品社, 2000年
- 『魂のみなもとへ 詩と哲学のデュオ』 谷川俊太郎と共著、近代出版, 2001年。朝日文庫, 2007年
- 『思索の淵にて 詩と哲学のデュオ』 茨木のり子と共著、近代出版, 2006年。河出文庫, 2016年
- 『日本思想史の可能性』大隅和雄・大山誠一・増尾伸一郎・吉田一彦と共著、平凡社, 2019年
翻訳
- ミケル・デュフレンヌ『言語と哲学』 せりか書房, 1968年
- ユルゲン・ハーバーマス『イデオロギーとしての技術と学問』 紀伊国屋書店, 1970年。北原章子との共訳
- クワント『言語の現象学』 せりか書房, 1972年。北川浩治と共訳
- エドムンド・フッサール『経験と判断』ルードヴィヒ・ランドグレーペ編、河出書房新社, 1975年、新版1980年、1999年
- ユルゲン・ハーバーマス『イデオロギーとしての技術と科学』紀伊国屋書店, 1977年/平凡社ライブラリー, 2000年
- エドムンド・フッサール『現象学の理念』作品社, 1997年
- アラン『芸術の体系』 光文社古典新訳文庫, 2008年
- カール・マルクス 『経済学・哲学草稿』 光文社古典新訳文庫, 2010年
- アラン『芸術論20講』光文社古典新訳文庫, 2015年
- ジュリアン・ベル『絵とはなにか』中央公論新社, 2019年