「歌ってみた」の版間の差分
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2021年8月2日 (月) 11:01時点における版
歌ってみた(うたってみた)とは、SNSや動画共有サイト上にて自ら歌ってカバーした動画のジャンルを表す用語。
概要
自分の歌声を録音または撮影し、SNSやインターネット上に配信することである[1]。VOCALOID曲やアニメソングなどが使用されることが多い[1]。「歌ってみた」を配信した動画のことを「歌ってみた動画」という。また、「歌ってみた」を中心に活躍するアマチュア歌手を「歌い手」と呼ぶ。
「歌ってみた」という表現は、2007年5月にこの単語がニコニコ動画内の動画ジャンルを表すカテゴリタグに採用されたことが由来となっている(カテゴリタグとしては2019年に廃止)。
近年ではプロのシンガーソングライターなどが自身または他アーティストの曲をネット上でカバーする「歌ってみた動画」が注目されつつある[2]。
歌ってみたと著作権
音楽作品には、著作権の他に、著作隣接権というものが存在する。著作権は創作をした人に、著作隣接権は演奏をした人などに与えられる権利である。そのため、カラオケの音源などを無断で使用して歌ってみた動画を配信すると、著作隣接権の侵害となる。また、音楽家だけでなく、絵師、動画師、MIX師、エンコード師なども著作権を所有しているため、無断でイラストや動画を使用して歌ってみた動画を配信することも著作権の侵害となる[3]。
ボカロと「歌い手」の関係
日本では、2000年代中盤にニコニコ動画やYouTubeといった動画投稿サイトが誕生したことにより、サイト上に既存の楽曲をカバーした動画を投稿するアマチュアシンガーが登場し、動画投稿者を当初「歌手ではない」「歌手ほど大それたものではない」という意味合いで「歌い手」と呼ぶ文化が定着していった[4]。
2007年8月にVOCALOIDライブラリの初音ミクが登場して以降は、「ボカロP」が制作したVOCALOID曲を二次創作としてカバーし活動するアマチュアシンガーが増加した。VOCALOID文化とともに、それを歌う「歌い手」文化が相互に作用し、ニコニコ動画やYouTubeで人気ジャンルとして成長していった[4][5]。
「歌い手」出身のアーティスト
下記のアーティスト(一例)は、ニコニコ動画やYouTubeの歌ってみた動画をきっかけにメジャーデビューした歌手(歌い手)である。
- 天月-あまつき-
- +α/あるふぁきゅん。
- 島爺
- 伊東歌詞太郎
- Eve
- ウォルピスカーター
- 浦島坂田船
- 96猫
- Gero
- そらる
- yama
- Ado
- ピコ
- まふまふ
- やなぎなぎ
- れをる
- ナナヲアカリ
- 夏代孝明
脚注
- ^ a b “「歌ってみた」はデビューの近道?歌唱力に自信があるなら動画配信してみよう♪”. ミュージックプラネットブログ (2019年6月28日). 2020年6月17日閲覧。
- ^ 広瀬香美「◯◯歌ってみた」シリーズ 大人気となった秘密はNEWSポストセブン
- ^ “【宇宙一わかりやすい!!】歌ってみたと著作権についてまとめてみた | 歌い手部”. utaitebu.com (2019年12月10日). 2020年6月17日閲覧。
- ^ a b “「小さな恋のうた」は誰の唄か-SNS時代の若者の音楽消費文化について考える”. ニッセイ基礎研究所. 2021年5月26日閲覧。
- ^ “この10年間で“歌い手”という存在はどう変わったのか 歌い手「そらる」に聞く“歌ってみた”の可能性”. ねとらぼ. 2021年5月26日閲覧。