「レオン (映画)」の版間の差分
m Bot作業依頼: ソニー・ピクチャーズ関連スタジオの改名に伴うリンク変更依頼 (コロンビア ピクチャーズ) - log |
|||
13行目: | 13行目: | ||
| 編集 = {{仮リンク|シルヴィ・ランドラ|fr|Sylvie Landra}} |
| 編集 = {{仮リンク|シルヴィ・ランドラ|fr|Sylvie Landra}} |
||
| 製作会社 = {{仮リンク|レ・フィルム・デュ・ドーファン|fr|Les Films du dauphin}} |
| 製作会社 = {{仮リンク|レ・フィルム・デュ・ドーファン|fr|Les Films du dauphin}} |
||
| 配給 = {{flagicon|FRA}} [[ゴーモン]]<br />{{flagicon|USA}} [[コロンビア |
| 配給 = {{flagicon|FRA}} [[ゴーモン]]<br />{{flagicon|USA}} [[コロンビア ピクチャーズ]]<br />{{flagicon|JPN}} [[日本ヘラルド映画]] |
||
| 公開 = {{flagicon|FRA}} 1994年9月14日<br />{{flagicon|USA}} 1994年11月18日<br />{{flagicon|JPN}} 1995年3月25日 |
| 公開 = {{flagicon|FRA}} 1994年9月14日<br />{{flagicon|USA}} 1994年11月18日<br />{{flagicon|JPN}} 1995年3月25日 |
||
| 上映時間 = 110分(劇場版)<br />133分(完全版) |
| 上映時間 = 110分(劇場版)<br />133分(完全版) |
2021年8月17日 (火) 23:04時点における版
レオン | |
---|---|
Léon | |
監督 | リュック・ベッソン |
脚本 | リュック・ベッソン |
製作 | パトリス・ルドゥー |
出演者 |
ジャン・レノ ナタリー・ポートマン ゲイリー・オールドマン |
音楽 | エリック・セラ |
撮影 | ティエリー・アルボガスト |
編集 | シルヴィ・ランドラ |
製作会社 | レ・フィルム・デュ・ドーファン |
配給 |
ゴーモン コロンビア ピクチャーズ 日本ヘラルド映画 |
公開 |
1994年9月14日 1994年11月18日 1995年3月25日 |
上映時間 |
110分(劇場版) 133分(完全版) |
製作国 |
フランス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $16,000,000[1] |
興行収入 | $45,284,974[1] |
『レオン』(仏: Léon、英: Léon: The Professional)は、1994年のフランス・アメリカ合衆国のアクション映画。監督はリュック・ベッソン、出演はジャン・レノとナタリー・ポートマンなど。ニューヨークを舞台に、孤独な殺し屋と麻薬密売組織に家族を殺された少女の交流と復讐の戦いを描いている[2]。日本公開時のコピーは「凶暴な純愛」。
ストーリー
ニューヨークで孤独に生きるイタリア系移民のレオンは、プロの殺し屋として、レストランの店主のトニーを介した依頼を完璧に遂行する日々を送っていた。
ある日、「仕事」帰りのレオンはアパートの隣室に住む少女マチルダと知り合う。彼女の顔にアザがあったことからレオンは「どうした?」と聞くが、マチルダは「転んだ」と答えた。実際にはマチルダは実父であるジョセフだけではなく、異母姉のジョアンからも虐待を受けており、継母のマージからはまるで関心を向けられず、幼い弟マイケルにしか心を開けない、閉塞感に満ちた日常を送っていたのだった。「大人になっても人生はつらいの?」と尋ねるマチルダに、レオンは「つらいさ」と答える。
その翌日、ジョセフが麻薬密売組織の「商品」を横領したことを見抜いたスタンスフィールドとその一味がジョセフの部屋に押し掛ける。開き直ったジョセフと一味は銃撃戦となり、マチルダの家族は4歳のマイケルも含め皆殺しにされた。買い物に出掛け、運良く難を逃れていたマチルダは、とっさに隣室のレオンに助けを求め、レオンはしばし逡巡した後に彼女を保護する。
「根が地面についてないということが自分と同じだ」と、鉢植えの観葉植物に強いシンパシーを寄せるレオンに共感を覚えるマチルダは、巧みな駆け引きを駆使し、弟の復讐のため殺しの技術を教えてほしいとレオンに願い出る。「ボニーとクライドや、テルマとルイーズみたいにコンビを組もう」という彼女に戸惑い、暗殺技術を伝授することをためらうレオンだったが、その熱意に押し切られる。レオンはマチルダに戦術の初歩を伝授し、マチルダは家事全般を請け負う傍ら、学がないレオンに読み書きを伝授することになった。奇妙な同居生活を始めた二人は、やがて互いに心の安らぎを見出すようになり、複雑な感情と信頼を抱いていく。
ある時、マチルダはスタンスフィールドが麻薬取締局の捜査官であることを突き止める。密売組織の背後には麻薬取締局が絡んでいたのだ。単身でピザの宅配員を装い麻薬取締局に侵入するも、スタンスフィールドに早々に察知され逆に捕まってしまうマチルダ。奇しくも、レオンもマチルダのために、マチルダの一家の殺害に関与した麻薬取締局の捜査官への復讐を開始していた。マチルダの置き手紙を元にレオンは早速麻薬取締局へ乗り込み、拘束されていたマチルダを救出した。
一方スタンスフィールドは、トニー配下の殺し屋が仲間の捜査官を殺害しているのだと目星をつけ、トニーを詰問しに出向く。実はスタンスフィールドこそが、今までトニーを仲介役にレオンに殺しを依頼してきた元締めであった。
全てはレオンの仕業であると確信したスタンスフィールドは翌朝、市警の特殊部隊を総動員してレオンの住むアパートに突入。マチルダも特殊部隊によって保護される。レオンは激しい銃撃戦を掻い潜りマチルダを脱出させることに成功する。マチルダとはトニーの店で落ち合うことにし、レオン自身は負傷した突入部隊員を装って脱出を試みるもスタンスフィールドに見破られ、あと一歩のところで背後から撃たれてしまう。倒れ伏したレオンは、「マチルダからの贈り物だ」と言って、スタンスフィールドに何かを握らせる。スタンフィールドが手を開いてみると、それは手榴弾の安全ピンだった。レオンの体を改めると、ジャケットの下には多数の手榴弾があった。スタンスフィールドは「クソッ」とつぶやく。そして、大爆発が起こった。
一人残されたマチルダは、トニーに殺し屋の修行をさせて欲しいと頼むが断られる。レオンの遺産は彼の意志により、トニーが管理して少しずつマチルダに渡されることになった。マチルダは学校の寄宿舎に戻り、レオンの形見となった観葉植物を学校の庭に植えるのだった。
登場人物・キャスト
- レオン・モンタナ
- 演 - ジャン・レノ
- 本作の主人公。イタリア系移民で超一流の殺し屋。イタリアンマフィアのボスであるトニーからの依頼を受けては暗殺を行うが、「女子供は殺さない」というポリシーを持つ。『仕事』の時には黒のニット帽とオーバルのサングラスを着用している。何もない日は食事・家事・買い物・筋力トレーニング・観葉植物の世話と、決まった時間に決まったことを行うストイックな日々を過ごしている。唯一の気晴らしは映画館で古い映画を観ること。
- 幼い頃からすでに殺しを行っており、学校にも通わなかったためろくに字も読むことができない。友達と呼べる人間も一人もおらず、ほとんど誰とも交流しない孤独な日々を送っている。唯一彼が心を許している「友達」の観葉植物の世話が日々の楽しみ。好物は牛乳で、周囲にあきれられるほど毎日欠かさず飲んでいる。
- ある日、気まぐれから命を救ったマチルダと一緒に暮らすようになり、さらには復讐のために殺しの技術を教えてくれと頼み込まれる。当初は断るが、銃を窓越しに乱射した彼女の本気さに触れ、しかたなく戦術の初歩を教えることになり、奇妙な同居生活をはじめる。
- マチルダ・ランドー
- 演 - ナタリー・ポートマン
- 本作のヒロイン。レオンの住むアパートの同じ階の隣に住む12歳の少女。幼いながらも言動は非常に大人びており、頭の回転も早いため、精神年齢は実際よりも高い印象を受ける。大人の目を盗んでタバコを吸うという癖がある。
- 父親の再婚相手とうまくいっておらず、更には父親や異母姉とも仲が悪いため、「素行不良」という理由で寄宿舎に入れられている。唯一心を許し合っている幼い弟に会うために時々寄宿舎を抜け出して帰ってきていた。
- 父親から暴力を受けた傷をレオンに見られ、声をかけられたことで顔見知りとなり、彼がいつも買う牛乳を買いに出かける。
- しかし、使いをすませて帰ってくると玄関先に死体となって転がっている父親を発見し、とっさに通りすぎて隣のレオンに助けを求めたことで難を逃れた。
- だが、最愛の弟を殺された復讐心から、レオンに殺しの技術を教えてもらう代わりに、学のない彼に読み書きや計算などの勉強を教えることになり、少女と殺し屋との同居生活が始まる。
- ノーマン・スタンスフィールド(スタン)
- 演 - ゲイリー・オールドマン
- 麻薬取締局の刑事でありながら、麻薬密売組織を裏で牛耳る男。非常に残忍かつ冷酷非情な性格であり、女・子供を含めて無関係な人間を殺すことに一切の躊躇を見せない。レオンに暗殺指令を出していたトニーは、実は彼の指示で動いていた。クラシック音楽の鑑賞が趣味で、イヤホンで音楽を聴いたり、ジョセフの一家を惨殺した際は、ジョセフにクラシック音楽について語る描写がある。
- 運び屋のジョセフ(マチルダの父親)が麻薬をくすねたことを知り、返却を求めたが応じなかったため、鼻歌を歌いながら一家を皆殺しにした。その際、彼の部下がマチルダの幼い弟を殺したことで彼女に恨まれる。
- エキセントリックな行動が目立ち、麻薬捜査官・麻薬組織でありながら自身も麻薬に手を染めている。しかし、頭の回転は早く、なおかつ捜査官としては非常に優秀で能力は高い。レオンがトニーの配下であることを見抜き、次第に彼を追い詰めていく。終盤、大勢の警官及び特殊部隊(ESU)を率いてレオンとマチルダのアパートを包囲・突入し、突入部隊員に扮し逃亡を図ろうとしたレオンの行動を見抜き、彼を撃って致命傷を負わせるものの、レオンが息絶え絶えになりながらピンを抜いた手榴弾の爆発で道連れとなり死亡した。
- トニー
- 演 - ダニー・アイエロ
- レオンの雇い主でイタリアンマフィアのボス。アメリカに流れてきたレオンを拾って一流の殺し屋に育て上げたのは彼である。
- 実はスタンスフィールドの配下であり、スタンと敵対する麻薬組織やマフィアを壊滅させて彼の勢力を拡大させていた。
- ジョセフ・ランドー
- 演 - マイケル・バダルコ
- マチルダの父親。定職にもつかず、ケチな麻薬の運び屋で収入を得る。実の父親にも関わらず、彼女を毛嫌いしており、厄介払い同然に寄宿舎に入れている。スタンスフィールドから預かっている麻薬をくすね、そのことを疑われるも認めず、刻限までに返却もしなかったため、報復として家族を殺害される。自身はショットガンで反撃を試み、スタンスフィールドの部下を1名を射殺し逃亡を企てるも、スタンスフィールドに射殺された。
- マージ・ランドー
- 演 - エレン・グリーン
- マチルダの義母。
- ジョアン・ランドー
- 演 - エリザベス・リージェン
- マチルダの異母姉。
- マイケル・ランドー
- 演 - カール・J・マトゥソヴィチ
- マチルダの弟。4歳。家族の中では唯一のマチルダの理解者であり、互いの情は何よりも深かった。
- マノーロ
- 演 - アダム・ブッシュ
- トニーの店の従業員として働く配下。寡黙だがトニーの命令には忠実。
日本語吹替
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |||
---|---|---|---|---|---|
オリジナル版 | 完全版旧録 | 完全版新録 | テレビ朝日版 | ||
レオン・モンタナ | ジャン・レノ | 大塚明夫 | 菅生隆之 | ||
マチルダ・ランドー | ナタリー・ポートマン | 久川綾 | 宇山玲加 | 篠原恵美 | |
ノーマン・スタンスフィールド | ゲイリー・オールドマン | 田中正彦 | 佐古正人 | 山寺宏一 | 安原義人 |
トニー | ダニー・アイエロ | 坂口芳貞 | 池田勝 | 屋良有作 | 三木敏彦 |
マルキー | ピーター・アペル | 石井康嗣 | 伊藤栄次 | 佐藤健輔 | 山路和弘 |
ウィリー・ブラッド | ウィリー・ワン・ブラッド | 檜山修之 | 相沢正輝 | 佐藤美一 | 家中宏 |
スタンスフィールドの部下(2nd) | ドン・クリーチ | 山野井仁 | 水野龍司 | 田中正彦 | 中庸助 |
ベニー | キース・A・グラスコー | 江川央生 | 星野充昭 | 竹内良太 | 天田益男 |
ジョセフ・ランドー(マチルダの父) | マイケル・バダルコ | 安西正弘 | 宝亀克寿 | 天田益男 | 中博史 |
マージ・ランドー(マチルダの義母) | エレン・グリーン | 高島雅羅 | 佐藤しのぶ | 廣瀬仁美 | 寺内よりえ |
ファットマン(ジョーンズ) | フランク・センジャー | 安西正弘 | 稲葉実 | 田中正彦 | 亀井三郎 |
トント | ルーシャス・ワイアット・チェロキー | 江川央生 | 星野充昭 | 相沢正輝 | 大川透 |
ジョーンズのボディガードチーフ | エリック・シャリエ | 檜山修之 | 竹内良太 | 中田譲治 | |
ホテルの受付 | ジョージ・マーティン | 品川徹 | 稲葉実 | 高桑満 | |
マチルダが捕まえたタクシーのドライバー | アブドゥル・ハッサン・シャリフ | 檜山修之 | 小松史法 | ||
レオンが捕まえたタクシーのドライバー | スチュアート・ルーディン | 星野充昭 | 藤吉浩二 | ||
SWATチーフ | ジェフリー・ベイトマン | 石井康嗣 | 水野龍司 | 相沢正輝 | 中博史 |
重要人物のジョガー | デヴィッド・バトラー | 伊藤栄次 | 向井修 | 水野龍司 | |
マノーロ | アダム・ブッシュ | 原語音声[注 1] | 竹内良太 | 大川透 | |
演出 | 藤野貞義 | 松岡裕紀 | 清水洋史 | 蕨南勝之 | |
翻訳 | 瀬谷玲子 | 瀬谷玲子 (リライト:埜畑みづき) |
日笠千晶 | ||
調整 | 金谷和美 | ||||
効果 | 南部満治 | ||||
制作 | ビデオテック | 東北新社 | ザック・プロモーション | ||
初回放送 | 2016年6月30日 『午後のロードショー』[注 2] |
1996年11月17日 『日曜洋画劇場』[注 3] |
作品解説
リュック・ベッソンのハリウッド初監督作品。会社側はそれほど重視していない作品であったが、『レオン』は予想を上回る大ヒットと批評家からの高評価でリュック・ベッソンの代表作となり、ジャン・レノとナタリー・ポートマンもこの作品でブレイクした。
ベッソンは本作を、初期の作品『ニキータ』で描いたテーマを英語で描いた別バージョンであるとしている。特に主人公レオンのキャラクターは『ニキータ』の登場人物「掃除屋」から継承されており、ベッソン自身レオンは掃除屋の血族であると言及している。
ベッソンは2011年にも父親の復讐のために殺し屋となる女性を描いた『コロンビアーナ』を作っている。『レオン』ではレオンに教養が無くマチルダを学校に通わせたがっていたし、『コロンビアーナ』では叔父が殺し屋には教育が必要だと学校に通わせている。
完全版
監督自らが22分間の未公開シーンを加えたエクステンデッド版。『ディレクターズ・カット版』とも呼ばれている。追加されたシーンにはマチルダの強い主体性やレオンの過去、より実用的なマチルダの暗殺の練習などが描かれており、オリジナルとはレオンとマチルダのキャラクター、二人の関係の印象が少なからず異なっている。正確にはこちらが本来のオリジナル・バージョンであり、監督が本当に公開したかったものであったが、事前の試写会にかけた際、マチルダを実際の現場まで連れて行って暗殺の訓練をするシーンや、大人の男性と幼い少女が愛の言葉を交すシーンが観衆の一部から「刺激的すぎる」「不健全である」との声があったため、やむ無く問題シーンをカットし、劇場では表現を抑えた『不完全版』が公開されることとなった。
マチルダを演じたナタリー・ポートマンは、大人になった後にこの経験について「子どもなのに性的対象として見られたことで、私自身の性的な関心は奪われたと思う。性的な存在になることが怖かったから」と不快感を語っており、少女が性的対象として消費される問題を提起している[3][4]。
備考
屋外のシーンは全てアメリカ合衆国のニューヨークで、アパート屋内のセットを使ったシーンはフランスのパリで撮影された。 後に『TAXi』シリーズで一躍有名となったサミー・ナセリが、本作にはSWAT隊員役として出演。その演技から、ベッソンの目に止まることになった。 ジャン=ユーグ・アングラードが、完全版のみに麻薬の売人役でカメオ出演している。 ラストシーンの曲は スティングの『シェイプ・オブ・マイ・ハート』で、ギターがラストシーンから流れ始めエンドロールでも曲が流れ続ける。スティングの『アット・ザ・ムービー』の中に収録されている。 映画公開当時、マチルダの弟マイケルがベッドの下から出て逃げる際に、犯人たちから壁越しに背中から撃ち抜かれる射殺シーンがあった。現在はカットされている。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “Léon (1994) - Financial Information” (英語). The Numbers. 2021年5月15日閲覧。
- ^ “レオン 完全版”. WOWOW. 2021年5月15日閲覧。
- ^ “ナタリー・ポートマンが告白「ロリータのように性的に見られるのが怖かった」”. クーリエ・ジャポン (2021年1月16日). 2021年1月17日閲覧。
- ^ “ナタリー・ポートマン、優等生イメージは自分を守るためだった「尊敬されれば性的対象として見られない」”. ELLE (2020年12月9日). 2021年1月17日閲覧。