「バロン (映画)」の版間の差分
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| 上映時間 = 127分 |
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2021年8月17日 (火) 23:07時点における版
バロン | |
---|---|
The Adventures of Baron Munchausen | |
監督 | テリー・ギリアム |
脚本 |
テリー・ギリアム チャールズ・マッキーワン |
製作 |
トーマス・シューリー レイ・クーパー |
製作総指揮 | ジェイク・エバーツ |
出演者 |
ジョン・ネヴィル サラ・ポーリー エリック・アイドル |
音楽 | マイケル・ケイメン |
撮影 | ジュゼッペ・ロトゥンノ |
編集 | ピーター・ハリウッド |
製作会社 |
Prominent Features Laura Film Allied Filmmakers |
配給 | コロンビア ピクチャーズ |
公開 |
1988年12月8日 1989年3月17日 1989年6月3日 |
上映時間 | 127分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $46,630,000[1] |
興行収入 | $8,083,123[1] |
『バロン』(原題: The Adventures of Baron Munchausen, 「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」の意)は、1988年のテリー・ギリアム監督による映画。実在の人物であるカール・フリードリヒ・ヒエロニムス・フォン・ミュンヒハウゼン男爵を主人公に、冒険物語として語り継がれてきたドイツ民話『ほら吹き男爵の冒険』を、精巧なミニチュア撮影や合成など、当時最新鋭の技術を用いて映像化したファンタジー作品である。第62回アカデミー賞で4部門にノミネートされた。
ストーリー
18世紀後半の「理性の時代」、ドイツはトルコ軍の攻撃に晒されていた。指揮官のホレィシオ・ジャクソン参謀長は、論理と科学を是とする一方で、自分の命令に逆らう部下を次々と処分していた。廃墟の中に建つ劇場では、ヘンリー・ソルト一座による『ミュンヒハウゼン男爵の冒険』が興行されていたが、突然本物のバロンを名乗る老人が乱入。彼は、今回の戦争の原因は自分にあると主張し、そのいきさつを語りだした。エジプト旅行の帰途、彼はサルタンからトカイワインを振舞われたが、「1時間でこれよりも素晴らしいワインをウィーンから取り寄せる」という賭けに挑む。4人の家来、俊足のバートホールド、遠目の射撃の名手アドルファス、驚異的な肺活量を持つ小人グスタヴァス、怪力の大男アルブレヒトを使い、辛くも勝利した彼は、サルタンとの約束通り、1人で持てるだけの財宝を手に入れるが、怪力のアルブレヒトに宝物庫の宝物を全部持って行かせたため、これに怒ったサルタンから首を狙われることになる。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | 機内上映版 | フジテレビ版 | ||
バロン | ジョン・ネヴィル | 大木民夫 | 千葉耕市 | 富田耕生 |
サリー | サラ・ポーリー | 伊藤美紀 | 坂本真綾 | 坂本千夏 |
デスモンド/バートホールド | エリック・アイドル | 嶋俊介 | 大山高男 | 江原正士 |
ヴァルカン | オリヴァー・リード | 中庸助 | 笹岡繁蔵 | |
ヴィーナス/ローズ | ユマ・サーマン | 小金澤篤子 | ||
ホレィシオ・ジャクソン | ジョナサン・プライス | 仁内建之 | 塚田正昭 | 青野武 |
ルパート/アドルファス | チャールズ・マッキーワン[2] | 小室正幸 | 安西正弘 | |
ビル/アルブレヒト | ウィンストン・デニス | 石塚運昇 | 秋元羊介 | 千田光男 |
ジェレミー/グスタヴァス | ジャック・パーヴィス | 西川幾雄 | 辻村真人 | |
女王アリアドネ/ヴァイオレット | ヴァレンティナ・コルテーゼ | 沢田敏子 | 谷育子 | 沢田敏子 |
ヘンリー・ソルト | ビル・パターソン | 村越伊知郎 | 田原アルノ | |
サルタン | ピーター・ジェフリー | 今西正男 | 嶋俊介 | 穂積隆信 |
デイジー | アリソン・ステッドマン | 橋本るり子 | 金野恵子 | |
小役人 | レイ・クーパー | |||
処刑される兵士 | スティング(カメオ出演) | |||
月の王 | ロビン・ウィリアムズ | 川久保潔 | 緒方賢一 | 富山敬 |
大魚の胃の中でアコーディオンを弾く男 | テリー・ギリアム(ノンクレジット) |
- フジテレビ版 - 初放送1994年2月26日 『ゴールデン洋画劇場』
万物の王?
バロンとサリーが訪れた月世界には自らを「万物の王」と称する月の王様が登場する。当初ギリアム監督は『バンデットQ』で起用したショーン・コネリーに依頼していたが、撮影の遅延が解消されないうちにコネリーが『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の撮影に入ってしまい、起用されたのがロビン・ウィリアムズであった。ノンクレジットと同等のわずかな出演料、『いまを生きる』のアカデミー賞ノミネートのお祝いとしてトマトをぶつけられるなど悲喜入り混じる待遇で、本名ではなく匿名同然の"Ray D. Tutto"(イタリア語で「万物の王」[3])とクレジットされるに至った。
ウィリアムズのアドリブトークは本作でも快調で、バロンが「あの方が月の王様だよ」とサリーに紹介すると「我が真の称号は『万物の王』すなわちレイ・ディ・トゥットであるが、レイと呼んでくれてかまわぬ」。
ギリアムは『フィッシャー・キング』で再びウィリアムズを起用、この作品でウィリアムズはアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
その他の逸話
- 公開当時、最も損失を出した映画という噂が流れギリアムはこれを「失敗作の傑作」と自称しているが興行成績面の失敗については否定している。
- サルタンが披露する自作オペラ"Torturer's Apprentice"はエリック・アイドルの詞にマイケル・ケイメンが曲を付けたもの。『魔法使いの弟子(デュカス作曲,題名の英語訳は"Sorcerer's Apprentice")』をもじったタイトルが付けられている。
- 撮影期間中に数々のトラブルが発生、現場は混乱を極めたとされる。当時9歳で本作に出演したサラ・ポーリーは撮影当時を振り返り「撮影が長時間に及んだり近くで爆発が起こったり冷たい水の中に入って震えたり、生傷が絶えなかった。子供だった私には恐怖だった」と述べている。
参考文献・脚注
- ^ a b “The Adventures of Baron Munchausen (1989)” (英語). Box Office Mojo. 2012年7月17日閲覧。
- ^ 発音に近い表記。「マッケオン」と表記される事もある。
- ^ 本来イタリア語で言う「万物の王」は"(Re di)tutto"ではなく"tutte"とすべきである。本人が求める愛称「レイ」はレイモンドの略だが妃のアリアドネは王を「ロジャー」と呼んでおり、こちらも食い違っている。