「バトルランナー (映画)」の版間の差分
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| 撮影 = トーマス・デル・ルース |
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| 上映時間 = 101分 |
| 上映時間 = 101分 |
2021年8月18日 (水) 00:38時点における版
バトルランナー | |
---|---|
The Running Man | |
監督 | ポール・マイケル・グレイザー |
脚本 | スティーヴン・E・デ・スーザ |
原作 | リチャード・バックマン |
製作 |
ジョージ・リンダー ティム・ジンネマン |
製作総指揮 |
キース・バリッシュ ロブ・コーエン |
出演者 | アーノルド・シュワルツェネッガー |
音楽 |
ヴァッサル・ベンフォード ハロルド・フォルターメイヤー |
主題歌 |
「Running Away With You」 ジョン・パー |
撮影 | トーマス・デル・ルース |
編集 |
マーク・ロイ・ワーナー エドワード・ウォースチカ ジョン・ライト |
配給 |
トライスター ピクチャーズ 日本ヘラルド映画 |
公開 |
1987年11月13日 1987年12月12日 |
上映時間 | 101分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $27,000,000[1] |
興行収入 | $38,122,105[1] |
『バトルランナー』(原題: The Running Man)は、1987年公開のアメリカ映画。リチャード・バックマン(スティーヴン・キングの別名義)による同名小説の実写映画版だが、原作とは内容に差異がある。
あらすじ
2017年、世界経済が崩壊、食料・資源は底をつき、警察権力が独裁政権を持つ世界。マスコミや芸術に厳しい規制が敷かれる中で、テレビだけが民衆に与えられた娯楽であった。特に、人気司会者デーモン・キリアンがプロデュースするバラエティ番組『ランニング・マン』が連日放送されるなど熱狂的な人気を獲得、歴史的な視聴率を記録していた。『ランニング・マン』は「凶悪犯と正義の戦士との戦い」と称する、地下に広がる巨大なコースを舞台に[注 1]、「ランナー」となった凶悪犯が「ストーカー」[注 2]の襲撃を突破し、3時間の制限時間内にゴールできるかを競う総合格闘技であり、番組ではそれをリアリティ番組形式で放送する。「ランナー」は死亡によってゲームオーバーとなる一方で、無事に脱出できれば無罪放免となり莫大な賞金を手に入れることができるとされていた。
正義感に溢れる警官ベン・リチャーズは、ヘリコプターによるパトロール中に暴動に出くわすが、食料を求めて暴動を起こした一般市民への同情から発砲命令を拒否したため、無実の罪を着せられ凶悪犯として強制労働所へ収容されてしまった。施設で知り合った反政府組織のウィリアム・ラフリンやハロルド・ワイスらと結託して脱獄を果たしたベンは、弟の住んでいるアパートに侵入するが、弟は既に連行されており、現在の住人であるテレビ局員アンバー・メンデスと鉢合ってしまう。ベンは国外へ逃亡すべく、アンバーを人質に夫婦を装い空港へ向かうが、アンバーが大声を出して助けを求めたため警備員に捕らえられてしまう。
キリアンら『ランニング・マン』のスタッフ達は、脱獄犯として時の人となっているベンの卓越した身体能力に目をつけ、新たな「ランナー」としてベンに番組出演のオファーをする。当初は断るベンだったが、ベンが出演しない場合の代役としてラフリンとワイスが捕えられている事を聞かされ、2人の解放を条件に出演を承諾する。ところが蓋を開けるとその約束は果たされず、ラフリン達もベンと一緒にゲームに参加させられてしまうのであった。さらには、ベンが濡れ衣を着せられている証拠を掴んでしまったアンバーまでもが「ランナー」に仕立て上げられコースに送り込まれてしまう。
ラフリンとワイスはテレビの中継器を使って真相を報道しようと主張。コース内でアンバーと再会したベンは、ラフリンとワイスを失いながらも、彼らの意思を継ぎレジスタンスとの合流を目指す。そして次々と追跡してくる「ストーカー」を相手に健闘を見せ続ける中で、やがて視聴者たちは徐々にベンたちを応援するようになっていく。コースを進むうちに、かつてゲームをクリアしたはずの「ランナー」たちが密かに殺されていたこと[注 3]を突き止めたベンとアンバーは、ついにレジスタンスと合流を果たす。
キリアンは予想外の展開に業を煮やし、ベンたちが処刑される合成映像をテレビで放送し[注 4]視聴者達からの支持を取り戻そうとする。だが、そこにテレビ局を制圧したレジスタンスとベンが現れ、ベンが射殺命令を拒否する映像やかつての「ランナー」たちの死体の映像を流し、番組の真実を暴露。嘘を暴かれ追い詰められたキリアンは「視聴者が求める『刺激』を与えていただけだ」と弁解するが、ベンは「ならば視聴者にその刺激を与えてやる」とキリアンをスタート地点に送り出す「ランナー」用のシューターに押し込み発射する。キリアンを乗せたシューターは看板に激突し爆発、観客は大歓声をあげベンを英雄のように称える。そしてベンがアンバーと共にスタジオを後にすると、大歓声の中『ランニング・マン』はフィナーレを迎える。
そして最後に「みなさんがこんな目に遭わないためには、マスコミの顰蹙を買うような事をしないことです」という文章が表示され[注 5]、本作は幕を下ろす。
登場人物
- ベン・リチャーズ
- 本作の主人公。戦闘では容赦のない一面が目立つが、正義感が強く、相手が悪人でも無抵抗の者ならば殺さないことをモットーとする。元は警察官だったが「暴徒(実際には圧政に反対した一般人)を射殺せよ」という上官の命令に逆らったため、逆に「上官の命令に逆らい無抵抗の市民を射殺した」という濡れ衣を着せられて投獄されていた。レジスタンスの協力で脱獄し、弟のエドワードがいると思った部屋にいたアンバーに成り行きで出会い、彼女を連れて国外逃亡を図ろうとするところを捕らえられ『ランニング・マン』に強制参加させられる。
- アンバー・メンデス
- テレビ局の女性職員。ベンの弟エドワードが住んでいた部屋を借りたことで、その弟を頼って現れたベンと鉢合わせる。ベンが自分のIDカードを使って逃亡するための手伝いをさせられ、空港で夫婦としてさりげなく逃亡をするための手伝いもさせられたが、隙を見てベンを出し抜いて、周囲の人間に通告をして逮捕させる。当初はベンを凶悪犯だと思い込んでいたが、ベンが空港で逮捕されたニュースの中で嘘の情報[注 6]が流されたことから報道機関に対して疑問を抱き、暴徒殺戮の真相を探ろうとしたところを捕らえられる。ベンの恋人で荒んだ生活を送ってきたという名目で無理矢理ゲームに参加させられてしまうが、ベンと共闘するうちに信頼関係を築く。彼女がレジスタンスに提出した編集前のテープがキリアンと『ランニング・マン』の実態を暴く切っ掛けとなる。
- ウィリアム・ラフリン
- 強制労働所でベンと知り合ったレジスタンスの黒人メンバー。ベンと共にゲームに送り込まれてしまう。最後はバズソーの攻撃からベンを庇い、そのときに切り付けられた傷が元で命を落とす。死ぬ間際にベンにレジスタンスのアジトの場所を伝える。
- ハロルド・ワイス
- レジスタンスのメンバーで、ハッカー。ラフリンと同じく強制労働所でベンと知り合い、そして同じくゲームに送り込まれてしまう。放送乗っ取り用の暗号コードを取得しアンバーに伝えたが、その後現れたダイナモに感電死させられる。
- デーモン・キリアン
- 『ランニング・マン』のプロデューサー兼司会者。表向きは陽気で人当たりが良く温厚な人物に見えるが、本性は自己中心的かつ自分の気に入らない者は抹殺すら厭わない冷血漢。犯罪者として肉体能力にも優れていそうなベンとその仲間に白羽の矢を立てたが、予想以上の奮闘をしたベン達に次第に危機感を抱く。遂にはレジスタンスたちによって番組の真実が明かされてしまい、最後は孤立して[注 7]、ベンによってランナー用のシューターに乗せられ壁に激突して爆死する。
- サブゼロ
- 日系人。最初に送り込まれたストーカーで、過去に30人以上のランナーを処刑してきている。アイスホッケー選手の格好をしており、刃がついたホッケースティックを斧のように武器として使い、登場時のパフォーマンスでは分厚い銅鑼を真っ二つに切り裂いた。ベン達との対決場所もスケートリンクのような場所が用意され、ワイスをホッケーゴールに模した檻に閉じ込めるなど優勢に戦いを進めていたが、反撃に出たベンに有刺鉄線で首を絞められ死亡する。
- バズソー
- 本名はエディ・ビトウスキー。昨年度のチャンピオンで、ダイナモと同時に送り込まれた2番目のストーカー。バイクに搭乗し、鉄パイプすら簡単に切断する特殊スチールで出来たチェーンソーが武器。ラフリンをチェーンソーで切り付けた上にベンを切り殺そうとするが、逆にベンによってチェーンソーを押し返されて斬死する。
- ダイナモ
- バズソーと同時に送り込まれた3番目のストーカー。強力な電気を発射するスタンガンを武器にしており、電飾に覆われた防具を装備している。登場時にはオペラの歌声を披露しながら「ファンなら拍手を」と自身の名前が書かれたネオンを得意の電気で点灯させた。ワイスを感電死させるが、アクシデントで自分の乗ったバギーに閉じ込められた際に命乞いをして「無抵抗の者は殺さない」とベンに見逃される。物語終盤に再登場して対峙したアンバーを犯そうとするものの、アンバーがスプリンクラーを破壊した際に大量の水を被って感電死する。
- ファイアーボール
- 4番目に送り込まれたストーカー。火炎放射器を武器としており、その関係である程度の耐熱性を持つスーツを着ている。ロケットベルトを装着して飛行移動もする。ランナーたちの死体を目撃したアンバーを焼き殺そうとするが、ベンによって火炎放射器のガスパイプを抜かれた上に発炎筒を投げつけられ爆死する。
- キャプテン・フリーダム
- 引退した元チャンピオンで、かつてはランニングマンで10勝をあげた伝説的な元ストーカー。現在はエアロビの指導をしながら戦いとは何たるかを熱く説き、番組の盛り上げ役で出演。ファイアーボールの戦死後にキリアンから最後の刺客として復帰を指示されるが、己の肉体での闘いに誇りを持っており、ランナー殺傷用の兵器を装着されたことに腹を立てて自ら出演を拒否する。その後は不明。
キャスト
※2019年11月7日発売の「パラマウント 思い出の復刻版 ブルーレイ」には、4種類の日本語吹替を収録[2]
ただし、テレビ朝日版は放送時の速報音が入ったまま収録されている。(28分07秒辺り)
製作
当初、監督にはアンドリュー・デイヴィスが起用されていたが、彼は撮影開始の1週間後に解雇され、ポール・マイケル・グレイザーに交代した。主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは監督の交代を「酷い決定」と述べ、グレイザーについては「まるでテレビ番組を作るように映画を撮り、全ての深いテーマが失われた」と述べて映画を損なうものになると批判している[3]。
『ランニング・マン』のダンサーの振り付けはポーラ・アブドゥルが担当している[4]。音楽はハロルド・フォルターメイヤーが作曲し、リヒャルト・ワーグナー、ジャッキー・ジャクソンの楽曲も使用された。主題歌「Running Away with You」はジョン・パーが作曲し、ラストシーンとエンディングに使用された[5]。
評価
本作は1,692スクリーンで公開され、公開週末の興行収入は811万7,465ドルを記録した[6]。最終的な北米興行収入は3,812万2,105ドルを記録した[1]。Rotten Tomatoesでは35件のレビューが寄せられ、支持率63%、平均評価5.5/10となっている[7]。
公開から30周年を迎えた2017年1月、BBCのジャーナリストは本作で言及された経済崩壊や対象への批判を繰り返す「アメリカのテレビ文化」が、現代のアメリカを正確に予測していたと指摘した[8]。脚本のスティーヴン・E・デ・スーザも『Vice』のインタビューで、この予測を補強している[9]。
脚注
注釈
- ^ 劇中のナレーターによると、四つに区切られた(危険な)競技場。
- ^ 日本語版では公開や放映によって呼び方が異なる。そのまま「ストーカー」や「死のハンター」あるいは「ハンター」と呼ばれる。
- ^ いずれのランナーも表向きは罪を許され、南国の島で優雅に暮らしていることになっていたが、実際には死体となって会場の地下に遺棄されていた。
- ^ キャプテン・フリーダムが「ストーカー」を降板したことを受け、スタッフ達はスタントマンと合成技術を使ってベンとアンバーがフリーダムに敗れて命を落とす映像を作成した。
- ^ テレビ放映版ではカットされている。
- ^ 逮捕時にベンが数人の無抵抗の警備員を発砲して重傷を負わせた、と報道されていたが、アンバーが居合わせた現場ではそのようなことはなかった。
- ^ 彼を護衛していたガードマンから見捨てられる描写がある。
- ^ 冒頭では秋元千賀子、終盤では竹口安芸子が吹き替えている
- ^ 冒頭では島美弥子、終盤では前田敏子が吹き替えている
出典
- ^ a b c “Running Man (1987)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年2月24日閲覧。
- ^ “バトルランナー パラマウント 思い出の復刻版 ブルーレイ”. パラマウント映画. 2019年8月20日閲覧。
- ^ Schwarzenegger, Arnold; Petre, Peter (2012). Total Recall: My Unbelievably True Life Story. New York: Simon & Schuster. ISBN 1451662432
- ^ Hanson, Mary Ellen (1995). Go! Fight! Win!: Cheerleading in American Culture. Bowling Green, Ohio: Popular Press. p. 58. ISBN 0879726806
- ^ “Harold Faltermeyer – The Running Man (Original Motion Picture Soundtrack)”. discogs.com. 2016年10月24日閲覧。
- ^ “Weekend Box Office”. Los Angeles Times 2012年6月3日閲覧。
- ^ “The Running Man (1987)”. Flixster Rotten Tomatoes. March 14, 2009閲覧。
- ^ Swain, Frank (5 January 2017). “Why we may be living in the future of The Running Man”. BBC News. 5 January 2017閲覧。
- ^ “‘The Running Man’ Is the Perfect Dystopian Movie For Trump’s Inauguration - Motherboard”. Motherboard.vice.com (2017年1月20日). 2017年5月17日閲覧。