「サイトウ・キネン・オーケストラ」の版間の差分
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2021年8月23日 (月) 08:35時点における版
サイトウ・キネン・オーケストラは、長野県松本市で毎年8、9月に開かれるセイジ・オザワ 松本フェスティバル(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)で編成されるオーケストラ。運営は公益財団法人サイトウ・キネン財団。
概要
桐朋学園創立者の一人である齋藤秀雄の没後10年にあたる1984年、齋藤の弟子である小澤征爾と秋山和慶を中心に、国内外で活躍する齋藤の教え子たちが結集し、同年9月に東京と大阪で開かれた「齋藤秀雄メモリアル・コンサート」で特別編成された『桐朋学園齋藤秀雄メモリアル・オーケストラ』が母体のオーケストラである。
設立当初は、小澤・秋山の意思に共感した齋藤の門下生100名以上が国内外より集まり演奏会を開催。自主運営によるオーケストラのため、演奏家への出演料の支払いはなく無給出演という形で運営された。
1987年に、ヨーロッパ演奏ツアー(ウィーン、ベルリン、フランクフルト、パリ、ロンドン公演)を行い、1989年から1991年までヨーロッパとアメリカへのコンサートツアーを行う。1990年にザルツブルク音楽祭へ出演。
1992年5月に、財団法人サイトウ・キネン財団が設立。同年9月に、長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が開催される。以後、フェスティバルに合わせてオペラ・声楽曲の上演、シンフォニーコンサート、音楽塾を開催する他、東京でもコンサート活動を行っている。
世界的に高い評価を受けるオーケストラであり、2008年グラモフォン誌による"The world’s greatest orchestras"(世界のトップ20オーケストラランキング)で19位(日本から唯一の選出)に選ばれている[1][2]。
レコーディングは、フィリップス・レーベルとソニー・クラシカル・レーベルで行い、ベートーヴェン・ブラームス交響曲全集、チャイコフスキー・マーラー交響曲集、ストラヴィンスキーのオペラ『エディプス王』、J.S.バッハの『マタイ受難曲』と『ミサ曲ロ短調』などの作品を発表している。
年度ごとに編成されるオーケストラのため、各パートのメンバーは不定期出演。設立当初は齋藤の弟子や桐朋学園音楽部卒業生を中心にメンバー編成を行っていたが、近年ではメンバーの高齢化や演奏日程の都合などから、齋藤の孫弟子(小澤の弟子)や外国人演奏者(小澤の知人)の出演が多い。
小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したまつもと市民芸術館(ライブ)歌劇「こどもと魔法」(ラヴェル作曲)を収めるアルバムが、2016年2月にグラミー賞最優秀オペラ録音賞を受賞した[3][4]。
主なメンバー (現役・引退メンバー含む)
- 指揮:小澤征爾(総監督)、秋山和慶、飯守泰次郎、下野竜也
- ヴァイオリン:安永徹、豊嶋泰嗣、矢部達哉、小森谷巧、潮田益子、安芸晶子、小栗まち絵、堀伝、四方恭子、ジェニファー・ギルバート、山口裕之、長原幸太、島田真千子、双紙正哉
- ヴィオラ:店村眞積、今井信子、清水直子、篠崎友美、川本嘉子、鈴木学、柳瀬省太
- チェロ:堤剛、安田謙一郎、岩崎洸、古川展生、木越洋、倉田澄子、オーレ・アカホシ
- コントラバス:ライナー・ツェパリッツ、永島義男、河原泰則、池松宏、安達昭宏、石川滋、黒木岩寿、幣隆太朗
- オーボエ:宮本文昭、渡辺克也、ビョルン・フェストレ
- フルート:工藤重典、ジャック・ズーン、岩佐和弘、時任和夫
- ホルン:水野信行、ラデク・バボラーク
- ハープ:吉野直子、早川りさこ、福井麻衣
- ティンパニ:ライナー・ゼーガース
- 打楽器:深町浩司、竹島悟史、竹原美歌、安江佐和子
脚注
注釈・出典
- ^ “The world’s greatest orchestras”. グラモフォン (雑誌). 2014年11月15日閲覧。
- ^ About.com
- ^ “小澤征爾さんに米グラミー賞=長野でのオペラ公演、渡辺さんは及ばず”. 時事ドットコム (時事通信社). (2016年2月16日). オリジナルの2016年2月19日時点におけるアーカイブ。 2016年2月16日閲覧。
- ^ “小澤征爾さん、グラミー賞の最優秀オペラ・レコーディングを受賞 「誇りに思う」【コメント全文】”. The Huffington Post Japan. 2017年4月30日閲覧。
外部リンク
- セイジ・オザワ 松本フェスティバル(サイト内に、本楽団の紹介がある)