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「日産・ワンビア」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 10:45時点における版

日産・シルビア > 日産・ワンビア
日産・180SX > 日産・ワンビア
日産・シルビア > 日産・240SX > 日産・ワンビア
S13の北米仕様車(240SX)は、法規制の関係により純正時点でいわゆる「ワンビア」となっている。

ワンビアとは、日産自動車製の乗用車シルビアのフロント構成部を、同じく日産自動車製の乗用車である180SXのフロント構成部品に交換した車両。いわゆるニコイチを施した改造車の一形態を意味する語であり、公式に存在する車種および車種名ではない。「エイシル」「ワンシル」など様々な呼び名が存在する。シルエイティとは前後逆の構成である。なおシルエイティは180SXがベースであるのに対し、こちらはシルビアをベースにしている。したがって、ワンビアの正式な車種名はシルビアである。

概説

S13型シルビアと180SXは異なる車種であるが、姉妹車の関係にあり、それぞれの構成パーツにおいて互換性が高く、流用が容易に行える。この特徴をうまく利用したのがワンビアと呼ばれる車両である。シルビアはヘッドライトが固定式であり、かつノッチバッククーペというスタイリング。180SXはリトラクタブル・ヘッドライトで、ボディ形状は同じクーペではあるものの、ハッチバックである。ワンビアはシルビアをベースとして180SXの各種フロント構成パーツ(ヘッドライト、フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネットなど)に組み替えたもので、リトラクタブルヘッドライトを装備するノッチバッククーペである。

背景としては、180SXのフロント構成パーツをシルビアのものに置き換えた、シルエイティの存在がある。ワンビアは言わばその逆を行った自動車である。しかしながらシルエイティについては、当時のS14型シルビアが不人気であり、むしろ旧型のS13型シルビアの人気が高まり、その代替車としてのニーズがあった。また180SXのフロント部分が破損した時に、S13型シルビアのフロント構成パーツを流用して修理したほうが安上がりである、軽量化のため性能が向上するというメリットがあった。ワンビアについては、人気車種となっていたS13型シルビアを、わざわざその当時も新車が発売中であった180SX類似のデザインに改造する必然性はほとんど無く、パーツはかえって高価で、重量増大のため性能も下がるため、シルエイティのような人気は出なかった。しかしその180SXも生産が終了した近年では、あえてワンビアでの参戦に拘っていた黒井敦史など関西出身のプロドリフト選手の活躍により、特にドリフト競技において人気は逆転しつつある。

日本仕様車の場合は改造車だが、国によっては純正の時点でワンビアとなっている場合がある。北米がそれに当てはまり、シルビアおよび180SXの北米仕様車である240SXのS13型については、ワンビアと同形状のリトラクタブルヘッドライトを搭載したノッチバッククーペモデルが存在し、こちらは新車販売がなされている。これは日本におけるワンビアと構成が同じものであった。(日米の規制の差異から他にも異なる部分はある。)よって、シルエイティやワンビアが容易に成立するのはむしろ当然ともいえる。

ベース車両について

ベースとなるシルビアは原則として180SXと同型番のS13型である。

しかしながら、大幅な板金作業を伴い、S14型シルビアをベースとするワンビアの製作例がある。これはS14型シルビアのデザインが不評で、それに比べれば、180SXのほうがまだ人気が高かった事による。

また、D1ドライバーの内海彰乃がS15シルビアベースのワンビアでD1GPに参戦していたこともある。

車名の由来

「180SX(ワンエイティ)」と「シルビア」を組み合わせた造語である。フロント側が180SXであるから、その車種名「180SX(ワンエイティ)」の前側2文字「ワン」を、リア側のシルビアについては、「シルビア」の後ろ側2文字「ビア」をそれぞれ抜き出し合成したものである。ただし、公式名称ではなく俗称にすぎない(対してシルエイティは、元々は俗称だったが現在は商標登録されている)。なお、「シルエイティ」の名称はこの逆の理由から。

関連項目