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1964年よりビートルズは、「[[ぼくが泣く]]」(アルバム『[[ハード・デイズ・ナイト (アルバム)|ハード・デイズ・ナイト]]』に収録)やアルバム『[[ビートルズ・フォー・セール]]』に収録の数曲でカントリーに傾倒しており、本作はそれが顕著に表れた楽曲と言える。なお、音楽評論家の{{仮リンク|リッチー・アンターバーガー|en|Richie Unterberger}}は、曲中で[[バンジョー]]や[[フィドル]]が使用されず、テンポが速いという観点から「[[ブルーグラス]]・ナンバー」と評している<ref name="Unterberger/AM" />。 |
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「夢の人」は、1965年6月14日に[[アビー・ロード・スタジオ|EMIスタジオ]]でレコーディングされ、同日には「[[イエスタデイ]]」や「[[アイム・ダウン]]」のセッションも行われた{{Sfn|Lewisohn|1988|p=59}}。6テイク録音され、最終テイクとなるテイク6が採用された{{Sfn|Lewisohn|1988|p=59}}。本作において[[エレクトリックベース|ベース]]は未使用とされている{{Sfn|Kruth|2015|p=60}}{{Sfn|Halpin|2017|p=95}}が、ビートルズの歴史家である{{仮リンク|ケネス・ウォマック|en|Kenneth Womack}}は、本作におけるマッカートニーの担当楽器の1つとして[[エレクトリックベース|ベース]]も挙げている{{Sfn|Womack|2014|p=484}}。 |
「夢の人」は、1965年6月14日に[[アビー・ロード・スタジオ|EMIスタジオ]]でレコーディングされ、同日には「[[イエスタデイ (ビートルズの曲)|イエスタデイ]]」や「[[アイム・ダウン]]」のセッションも行われた{{Sfn|Lewisohn|1988|p=59}}。6テイク録音され、最終テイクとなるテイク6が採用された{{Sfn|Lewisohn|1988|p=59}}。本作において[[エレクトリックベース|ベース]]は未使用とされている{{Sfn|Kruth|2015|p=60}}{{Sfn|Halpin|2017|p=95}}が、ビートルズの歴史家である{{仮リンク|ケネス・ウォマック|en|Kenneth Womack}}は、本作におけるマッカートニーの担当楽器の1つとして[[エレクトリックベース|ベース]]も挙げている{{Sfn|Womack|2014|p=484}}。 |
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アメリカでは[[キャピトル・レコード]]によって当時の[[フォークロック]]の流行に合わせることと、アルバム全体の[[アコースティック]]色を強調する目的として、キャピトル編集盤『[[ラバー・ソウル#米国キャピトル編集盤『ラバー・ソウル』|Rubber Soul]]』に収録された{{Sfn|Halpin|2017|p=95}}。 |
2021年9月20日 (月) 13:44時点における版
「夢の人」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『ヘルプ!』 | |||||||||
英語名 | I've Just Seen a Face | |||||||||
リリース | 1965年8月6日 | |||||||||
録音 |
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ジャンル | ||||||||||
時間 | 2分7秒 | |||||||||
レーベル | ||||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
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「夢の人」 (ゆめのひと、原題 : I've Just Seen A Face)は、ビートルズの楽曲である。イギリスでは1965年8月6日に発売された5作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ヘルプ!』のB面5曲目、アメリカでは1965年12月6日に発売されたアメリカ編集盤『Rubber Soul』のA面1曲目に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、ポール・マッカートニーによって書かれたカントリー調の楽曲[3][4]。
1996年にジュークボックス用に制作されたシングル盤『恋のアドバイス』のB面にも収録された。
2010年にローリング・ストーン誌が発表した「100 Greatest Beatles Songs」では第58位にランクインした[5][6]。
背景・曲の構成
曲が出来た当初は歌詞がついておらず、本作を気に入っていたマッカートニーの父親の末妹にちなみ、「Auntie Gin's Theme」(ジンおばさんのテーマ)という仮名が付いていた[7][8][5]。本作についてマッカートニーは「僕なりのカントリー・アンド・ウェスタン。ちょっと速めで変わった感じのテンポの曲だけど、すごく満足した。歌詞のテンポもよくて、次の展開へとどんどん引っ張っていくんだ」と語っている[9]。
1964年よりビートルズは、「ぼくが泣く」(アルバム『ハード・デイズ・ナイト』に収録)やアルバム『ビートルズ・フォー・セール』に収録の数曲でカントリーに傾倒しており、本作はそれが顕著に表れた楽曲と言える。なお、音楽評論家のリッチー・アンターバーガーは、曲中でバンジョーやフィドルが使用されず、テンポが速いという観点から「ブルーグラス・ナンバー」と評している[1]。
「夢の人」は、1965年6月14日にEMIスタジオでレコーディングされ、同日には「イエスタデイ」や「アイム・ダウン」のセッションも行われた[10]。6テイク録音され、最終テイクとなるテイク6が採用された[10]。本作においてベースは未使用とされている[11][12]が、ビートルズの歴史家であるケネス・ウォマックは、本作におけるマッカートニーの担当楽器の1つとしてベースも挙げている[5]。
アメリカではキャピトル・レコードによって当時のフォークロックの流行に合わせることと、アルバム全体のアコースティック色を強調する目的として、キャピトル編集盤『Rubber Soul』に収録された[12]。
演奏
※出典[8]
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ハーモニー・ボーカル、アコースティック・ギター(リードギター)[注釈 1]
- ジョン・レノン - アコースティック・ギター(リズムギター)
- ジョージ・ハリスン - アコースティック・ギター(リードギター)
- リンゴ・スター - ブラシで叩いたスネアドラム、マラカス
ライブ演奏
マッカートニーは、ビートルズ解散後ソロでのライブで頻繁に演奏されており、1975年から1976年に行われた『Wings Over the World』で初めて演奏されたのち、1991年の『Unplugged Tour』、2004年の『Summer Tour』、2011年から2012年の『On the Run Tour』で演奏されたほか[5]、2013年から2015年にかけて行われた『Out There』ツアーでも演奏された。
ライブ音源は『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』(1976年)、『公式海賊盤』(1991年)に収録されており、ライブ映像は『ライヴ・イン・レッド・スクウェア』(2005年)に収録された[5]。
2015年2月15日に放送された『Saturday Night Live 40th Anniversary Special』では、オープニング・アクトとしてポール・サイモンとこの曲で共演している[13]。
カバー・バージョン
- チャールズ・リヴァー・ヴァレー・ボーイズ - 1966年に発売されたアルバム『Beatle Country』に収録[14]。
- ディラーズ - 1968年に発売されたアルバム『Wheatstraw Suite』に収録[15]。
- ジョニー・リバース - 1974年に発売されたライブ・アルバム『Last Boogie in Paris』に収録[16]。
- ハンク・クロフォード - 1976年に発売されたライブ・アルバム『Tico Rico』に収録[17]。
- アーロ・ガスリー - 1978年に発売されたアルバム『One Night』に収録[18]。
- カラミティ・ジェーン - 1982年にシングル盤として発売。ビルボード誌が発表したHot Country Songsで最高位44位を記録した[19][20]。
- デイヴィッド・リー・ロス - 1988年に敢行した『Skyscraper』ツアーで披露。
- フォレスター・シスターズ - 1988年に発売されたアルバム『Sincerely』に収録[21]。
- グレー・マター - 1992年に発売されたアルバム『Thog』に収録[22]。
- シングス・オブ・ストーン・アンド・ウッド - 1995年に発売されたアルバム『The Man with the Perfect Hair』に収録[23]。
- ホリー・コール - 1997年に発売されたアルバム『Dark Dear Heart』に収録[17]。シングル盤としても発売され、カナダのRPM Top Singles Chartで最高位7位を獲得した[24]。
- ザ・ペイパーボーイズ - 1997年に発売されたアルバム『Molinos』に収録[25]。
- ジョン・ピザレリ - 1999年に発売されたアルバム『John Pizzarelli Meets The Beatles』に収録[26]。
- ピーター・リパ - 2003年に発売されたアルバム『Beatles in Blue(s)』に収録[27]。
- 栗コーダーカルテット - 2003年に発売されたトリビュート・アルバム『ウクレレ ビートルズ 〜4弦はアイドル〜』に収録。
- タイラー・ヒルトン - 2004年に放送された『American Dreams』で披露。
- ザ・ビュー - 2007年に発売されたシングル『The Don / Skag Trendy』に収録。
- ジム・スタージェス - 2007年に公開された映画『アクロス・ザ・ユニバース』のサウンドトラックとして歌唱[17]。スタージェスは同映画にジュード役で出演していた。
- ビータリカ - 2009年に発売されたアルバム『Masterful Mystery Tour』に、メタリカの「Bleeding Me」とのマッシュアップ曲「I'll Just Bleed Your Face」を収録[5][17]。
- ザ・エイプリル・メイズ - 2012年に発売されたアルバム『Two』に収録。
- クリス・ハークス - 2014年に放送された『The Voice』で披露
- 原田知世 - 2015年に発売されたカバー・アルバム『恋愛小説』に収録[28]。
- THE GOGGLES - 2017年に発売されたアルバム『MAGICAL MYSTERY TUNES Vol.2』に本作のパロディ曲「I'VE JUST SEEN A FAMOUS TALENT(有名の人)」を収録。
- スティーヴ・ハーレイ - 2020年に発売されたアルバム『Uncovered』に収録[29]。
このほか、ブランディ・カーライルが自身のライブで演奏したことがある[17]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b Unterberger, Richie. “The Beatles 'I've Just Seen a Face'”. AllMusic. 2014年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月19日閲覧。 “almost pure country”
- ^ Gould 2008, p. 238.
- ^ Miles 1997, p. 200.
- ^ Sheff 2000, p. 195.
- ^ a b c d e f g Womack 2014, p. 484.
- ^ “58 - 'I've Just Seen a Face'”. 100 Greatest Beatles Songs. Rolling Stone. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Harry 2000, p. 559.
- ^ a b MacDonald 2005, p. 155.
- ^ Harry 2002, p. 444.
- ^ a b Lewisohn 1988, p. 59.
- ^ Kruth 2015, p. 60.
- ^ a b Halpin 2017, p. 95.
- ^ Blistein, Jon (2015年2月15日). “Paul McCartney, Miley Cyrus, Paul Simon Captivate at ‘SNL 40’”. Rolling Stone 2019年5月15日閲覧。
- ^ Roach, Pemberton. Beatle Country - The Charles River Valley Boys | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Eder, Bruce. Wheatstraw Suite - The Dillards | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Tamarkin, Jeff. Last Boogie in Paris - Johnny Rivers, Johnny Rivers & His L.A. Boogie Band | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ a b c d e Kruth 2015, p. 63.
- ^ Mason, Stewart. One Night - Arlo Guthrie | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ “I've Just Seen A Face - Calamity Jane Chart History (Hot Country Songs)”. Billboard. 2021年2月3日閲覧。
- ^ Whitburn 2008, p. 74.
- ^ Ruhlmann, William. Sincerely - The Forester Sisters | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Raggett, Ned. Thog - Gray Matter | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ The Man with the Perfect Hair - Things of Stone and Wood | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ “RPM 100 Hit Tracks - November 17, 1997”. RPM. Library and Archives Canada. 2021年2月3日閲覧。
- ^ Anderson, Rick. Molinos - The Paperboys | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Widran, Jonathan. Meets the Beatles - John Pizzarelli | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ Couture, François. Beatles in Blue(s) - Peter Lipa | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月2日閲覧。
- ^ “原田知世のカバー盤『恋愛小説』、The Beatlesやノラ・ジョーンズを全編英語で歌う”. CINRA.NET (株式会社CINRA). (2015年2月7日) 2019年5月20日閲覧。
- ^ Uncovered - Steve Harley | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年2月3日閲覧。
参考文献
- Gould, Jonathan (2008). Can't Buy Me Love: The Beatles, Britain, and America. Piatkus Books. ISBN 0-7499-2988-X
- Halpin, Brooke (2017). Experiencing the Beatles: A Listener's Companion. Rowman & Littlefield Pub Inc. ISBN 1-4422-7143-4
- Harry, Bill (2000). The Beatles Encyclopedia: Revised and Updated. London: Virgin Publishing. ISBN 0-7535-0481-2
- Harry, Bill (2002). The Paul McCartney Encyclopedia. London: Virgin Publishing. ISBN 0-7535-0716-1
- Halpin, Brooke (2017). Experiencing the Beatles: A Listner's Companion. Rowman & Littlefield Publishers. ISBN 1-4422-7144-2
- Kruth, John (2015). This Bird Has Flown: The Enduring Beauty of Rubber Soul, Fifty Years On (Illustrated ed.). Backbeat Books. ISBN 978-1617135736
- Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1
- MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3
- Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt & Company. ISBN 0-8050-5249-6
- Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4
- Whitburn, Joel (2008). Hot Country Songs 1944 to 2008. Record Research, Inc. p. 74. ISBN 0-89820-177-2
- Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four [2 volumes]: Everything Fab Four. Greenwood Pub Group. p. 483-484
外部リンク
- I've Just Seen a Face - The Beatles