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「トロニオン (ギリシャ)」の版間の差分

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'''トロニオン'''({{lang-grc-short|Θρόνιον}}, {{ラテン翻字|el|Thronion}}, {{lang-la-short|Thronium}})は、[[古代ギリシア]]の地名である。{{仮リンク|ロクリス・オプンティア|en|Opuntian Locris|label=ロクリス・エピクネミディオス}}の主要な都市の1つで、海岸から20[[スタディオン]]、{{仮リンク|スカルペイア|en|Scarphe}}から30スタディオン離れたところに位置し、{{仮リンク|ボアグリオス川|en|Boagrius River}}沿いにある。この川は[[ストラボン]]によって乾燥する冬以外の季節では川幅がときに2プレトロン(60メートル)になると言及されている<ref>ストラボン、9巻4・4。</ref>。[[ホメロス]]の[[叙事詩]]『[[イリアス]]』2巻の軍船表でもボアグリオス川の近くにあると語られている<ref>『イリアス』2巻533行。</ref>。
'''トロニオン'''({{lang-grc-short|Θρόνιον}}, {{ラテン翻字|el|Thronion}}, {{lang-la-short|Thronium}})は、[[古代ギリシア]]の地名である。{{仮リンク|ロクリス・オプンティア|en|Opuntian Locris|label=ロクリス・エピクネミディオス}}の主要な都市の1つで、海岸から20[[スタディオン]]、{{仮リンク|スカルペイア|en|Scarphe}}から30スタディオン離れたところに位置し、{{仮リンク|ボアグリオス川|en|Boagrius River}}沿いにある。この川は[[ストラボン]]によって乾燥する冬以外の季節では川幅がときに2プレトロン(60メートル)になると言及されている<ref>ストラボン、9巻4・4。</ref>。[[ホメロス]]の[[叙事詩]]『[[イリアス]]』2巻の軍船表でもボアグリオス川の近くにあると語られている<ref>『イリアス』2巻533行。</ref>。


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== 脚注 ==
== 脚注 ==

2021年11月15日 (月) 11:15時点における最新版

トロニオン古希: Θρόνιον, Thronion, : Thronium)は、古代ギリシアの地名である。ロクリス・エピクネミディオス英語版の主要な都市の1つで、海岸から20スタディオンスカルペイア英語版から30スタディオン離れたところに位置し、ボアグリオス川英語版沿いにある。この川はストラボンによって乾燥する冬以外の季節では川幅がときに2プレトロン(60メートル)になると言及されている[1]ホメロス叙事詩イリアス』2巻の軍船表でもボアグリオス川の近くにあると語られている[2]

ペロポネソス戦争の初期(前431年)にトロニオンはアテナイ人によって占領され[3][4]、前426年の地震では部分的に破壊された[5]第三次神聖戦争英語版では、住民を奴隷に売ったポキスの将軍オノマルコスによって占領されたため、『偽スキュラクスの周航記英語版』によってポキスの都市と呼ばれた[6][7]。またポリュビオス[8][9]エウリピデス[10]リウィウス[11][12][13][14][15]パウサニアス[16]、リュコプローン[17]クラウディオス・プトレマイオス[18]大プリニウス[19]ビュザンティオンのステファノス英語版によっても言及されている[20]

脚注[編集]

  1. ^ ストラボン、9巻4・4。
  2. ^ 『イリアス』2巻533行。
  3. ^ トゥキディデス戦史』2巻26。
  4. ^ シケリアのディオドロス、12巻44。
  5. ^ ストラボン、1巻3・20。
  6. ^ シケリアのディオドロス、16巻33。
  7. ^ 『偽スキュラクスの周航記』。
  8. ^ ポリュビオス、9巻41。
  9. ^ ポリュビオス、17巻9。
  10. ^ アウリスのイピゲネイア』264行。
  11. ^ リウィウス、32巻5。
  12. ^ リウィウス、32巻6。
  13. ^ リウィウス、33巻3。
  14. ^ リウィウス、35巻37。
  15. ^ リウィウス、36巻20。
  16. ^ パウサニアス、5巻22・4。
  17. ^ リュコプローン『アレクサンドラ』1148行。
  18. ^ プトレマイオス『地理学』3巻15・7。
  19. ^ 大プリニウス、4巻7・12。
  20. ^ ビュザンティオンのステファノス、Ethnica。

参考文献[編集]