「夜の静けさに」の版間の差分

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「'''夜の静けさに'''」(よるのしずけさに)あるいは「'''イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト'''」({{Lang-en|“In the Still of the Night”}})は、[[コール・ポーター]]作の[[ポピュラー・ソング]]。1937年のミュージカル映画『{{仮リンク|ロザリイ (映画)|en|Rosalie (film)|label=ロザリイ}}』における[[ネルソン・エディ]]による歌唱が初演である{{sfn|CDジャーナル|2006}}。
{{改名提案|イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト (1937年の曲)|夜の静けさに|date=2021年11月}}

「'''イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト'''」({{Lang-en|''In the Still of the Night''}})は、[[コール・ポーター]]作のポピュラー・ソング。1937年のミュージカル映画『{{仮リンク|ロザリイ (映画)|en|Rosalie (film)|label=ロザリイ}}』のために書かれ、[[ネルソン・エディ]]が歌唱した。日本語では「'''夜の静けさに'''」とも表記される<ref>{{cite book|和書|title=スタンダード・ヴォーカル名曲徹底ガイド|volume=上|publisher=[[音楽出版|音楽出版社]]|series=CDジャーナルムック|isbn=4-86171-013-8|page=186}}</ref>。
== 解説 ==
[[ヴァース‐コーラス形式|ヴァース]]のない計72小節の楽曲<!--{{sfn|CDジャーナル|2006}}-->。[[全音符]]の箇所が多いことから、間延びした歌い方になることを避けるため、[[ボサノヴァ|ボッサ・ノーヴァ]]や[[ラテン音楽|ラテン]]調、速い[[テンポ]]での演奏が多い<!--{{sfn|CDジャーナル|2006}}-->。題名に「静けさ」の語が含まれるが、<q>情熱的な求愛型のラヴ・ソング</q>である{{sfn|CDジャーナル|2006}}。

== 劇中歌として ==
{{External media|audio1=[https://music.youtube.com/watch?v=dEGvwcbdd2g ネルソン・エディによる歌唱]([[YouTube Music]])}}
1937年のミュージカル映画『{{仮リンク|ロザリイ (映画)|en|Rosalie (film)|label=ロザリイ}}』においては[[ネルソン・エディ]]が歌唱している{{sfn|CDジャーナル|2006}}{{sfn|Burlingame|n.d.}}。エディは歌いにくいから差し替えてほしいとポーターに要求した一方、プロデューサーの[[ルイス・B・メイヤー]]はこの曲に感涙したと伝えられている<!--{{sfn|Burlingame|n.d.}}-->。そのほか、[[ケーリー・グラント|ケイリー・グラント]]主演のポーターの伝記映画『{{Ill|夜も昼も (映画)|en|Night and Day (1946 film)|label=夜も昼も}}』(1946年)でも使われている<!--{{sfn|Burlingame|n.d.}}-->{{sfn|Burlingame|n.d.}}。


==録音史==
==録音史==
ネルソン・エディによる録音は、{{ill|ユア・ヒット・パレード (アメリカ合衆国の番組)|en|Your Hit Parade|ユア・ヒット・パレード}}において10位を記録している<!--{{sfn|Burlingame|n.d.}}-->。そのほか1937年のチャートでは、[[トミー・ドーシー]](ヴォーカルはジャック・レナード<small>〈{{Lang|en|Jack Leonard}}〉</small>)による録音が3位、[[レオ・レイズマン]](ヴォーカルはリー・サリバン<small>〈{{Lang|en|Lee Sullivan}}〉</small>)による録音が9位にランクインしている{{sfn|Burlingame|n.d.}}。


{{ill|デラ・リース|en|Della Reese}}のデビュー曲(1953年)でもあり、50万枚の売上を記録している<!--{{sfn|Burlingame|n.d.}}-->。1960年の{{ill|ディオン・アンド・ザ・ベルモンツ|en|Dion and the Belmonts}}による[[ドゥーワップ]]でのカヴァーは38位にランクインした<!--{{sfn|Burlingame|n.d.}}-->。1991年に発表された[[後天性免疫不全症候群|エイズ]]の研究・救済のための[[チャリティー]]・アルバム『{{Ill|レッド・ホット+ブルー|en|Red Hot + Blue}}』には、[[ネヴィル・ブラザーズ]]による演奏が収録された{{sfn|Burlingame|n.d.}}。
初期に人気を博した録音としては、[[トミー・ドーシー]](ジャック・レナードによるボーカル)と[[レオ・レイズマン]](リー・サリバンによるボーカル)によるものが挙げられる。ドーシーは1937年10月16日にチャート入りし、3位に達した。ライスマンは1937年12月25日にチャート入りし、9番に達した<ref>{{Cite web|url=http://geocities.com/porterguide/rosalie.html|title=Archived copy|accessdate=2010-11-12|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091026114345/http://geocities.com/porterguide/rosalie.html|archivedate=October 26, 2009}}</ref>。


=== 主な録音 ===
それ以来、この曲はスタンダードナンバーとなり、多くのアーティストによって録音されている<ref>{{Cite web|title=secondhandsongs.com|url=https://secondhandsongs.com/work/20069/versions#nav-entity|website=secondhandsongs.com|accessdate=April 26, 2021}}</ref>。
{| class="wikitable"
|+
!リーダー/ヴォーカル
!収録アルバム
! style="white-space: nowrap;" |録音年
!推薦者
|-
|{{Ill|ジェシー・ベルヴィン|en|Jesse Belvin}}{{small|([[ボーカル|Vo.]])}}
|style="font-size: small;"|ミスター・イージー
|1959
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|[[ビリー・エクスタイン]]{{small|(Vo.)}}
|style="font-size: small;"|{{ill|ノー・カヴァー、ノー・ミニマム|en|No Cover, No Minimum}}
|1960{{r|WPCR-29088}}
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|[[ヴィック・ダモーン]]{{small|(Vo.)}}
|style="font-size: small;"|''My Baby Loves to Swing''
|1962
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|{{ill|トニー・ハーパー|en|Toni Harper}}{{small|(Vo.)}}
|style="font-size: small;"|ナイト・ムード
|1962
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|[[アーロン・ネヴィル]]{{small|(Vo.)}}
|style="font-size: small;"|ネイチャー・ボーイ&#x301C;ザ・スタンダード・アルバム
|2003{{r|mw0000717783}}
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|[[カーリー・サイモン]]{{small|(Vo.)}}
|style="font-size: small;"|{{ill|ムーンライト・セレナーデ (カーリー・サイモンのアルバム)|en|Moonlight Serenade (Carly Simon album)|ムーンライト・セレナーデ}}
|2004 – 2005{{r|Sony 2005}}
|style="font-size: small;"|{{Harvtxt|CDジャーナル|2006}}
|-
|}


その他、以下のミュージシャンによる録音がある。
=== 主なアーティスト ===
{{ul
*[[エラ・フィッツジェラルド]]
|女声ソロ・ヴォーカル{{columns-list|colwidth=20em|
*[[ビリー・エクスタイン]]
*{{ill|ベティ・カーター|en|Betty Carter}}{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[エラ・フィッツジェラルド]]{{要出典|date=2021年12月}}
*[[ローズマリー・クルーニー]]{{要出典|date=2021年12月}}
*[[ジョー・スタッフォード]]{{要出典|date=2021年12月}}
*[[ドリス・デイ]]{{要出典|date=2021年12月}}
*[[キャロル・スローン]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*{{ill|ステイシー・ケント|en|Stacey Kent}}{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[ジェーン・モンハイト ]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
}}
|男声ソロ・ヴォーカル{{要出典|date=2021年12月}}{{columns-list|colwidth=20em|
*[[ペリー・コモ]]
*[[ペリー・コモ]]
*[[ローズマリー・クルーニー]]
*[[ビング・クロスビー]]
*[[ビング・クロスビー]]
*[[チャーリー・パーカー]]
*[[ジャンゴ・ラインハルト]]
*[[ジョー・スタッフォード]]
*[[ドリス・デイ]]
*[[サミー・デイヴィスJr.]]
*[[サミー・デイヴィスJr.]]
}}

|ヴォーカル・グループ{{sfn|Burlingame|n.d.}}{{columns-list|colwidth=20em|
* [[レターメン]]
* {{ill|フォー・フレッシュメン|en|The Four Freshmen}}
* {{ill|フォア・ラッズ|en|The Four Lads}}
* [[フォー・トップス]]
* [[シンガーズ・アンリミテッド]]
}}
|インストゥルメンタル{{columns-list|colwidth=20em|
*[[マイルス・デイヴィス]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[チャーリー・パーカー]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[スタン・ゲッツ]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[チャールズ・ミンガス]]{{sfn|Burlingame|n.d.}}
*[[ジャンゴ・ラインハルト]]{{要出典|date=2021年12月}}
*{{ill|エリック・アレキサンダー (サクソフォーン奏者)|en|Eric Alexander (jazz saxophonist)|label=エリック・アレキサンダー}}([[サクソフォーン|Sax]]){{sfn|Burlingame|n.d.}}
*{{ill|ブルース・フォアマン|en|Bruce Forman}}([[ギター|Gt.]]){{sfn|Burlingame|n.d.}}
*{{ill|デヴィッド・キコスキー|en|David Kikoski}}([[ピアノ (代表的なトピック)|Pf.]]){{sfn|Burlingame|n.d.}}
*{{ill|ビル・チャーラップ|en|Bill Charlap}}(Pf.){{sfn|Burlingame|n.d.}}
}}
}}
== 出典 ==
== 出典 ==
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{{Reflist|25em|refs=
<ref name="mw0000717783">{{Cite web|title=Nature Boy: The Standards Album|website=[[オールミュージック|AllMusic]]|publisher=NetAktion|url=https://www.allmusic.com/album/nature-boy-the-standards-album-mw0000717783 |accessdate=2021-12-08}}</ref>
<ref name="Sony 2005">{{Cite web|date=2005-05-03|title=Moonlight Serenade, New Carly Simon Album of Romantic Standards, to Be Released as DualDisc Featuring Making-of-the-Album Documentary & Exclusive Interviews|website=Sony|publisher=[[ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ|Sony Corporation of America]]|url=https://www.sony.com/en_us/SCA/company-news/press-releases/sony-music-entertainment/2005/moonlight-serenade-new-carly-simon-album-of-romantic-standards-to-be-released-as-dualdisc-featuring-makingofthealbum-documentary-exclusive-interviews.html |accessdate=2021-12-08}}</ref>
<ref name="WPCR-29088">{{Cite web|date=c. 2016|title=No Cover, No Minimum / ノー・カヴァー、ノー・ミニマム〈SHM-CD〉|website=Warner Music Japan|publisher=[[ワーナーミュージック・ジャパン]]|url=https://wmg.jp/billy-eckstine/discography/16871/ |accessdate=2021-12-08}}</ref>
}}
== 参考文献 ==
* {{cite book|和書|date=2006-05|title=スタンダード・ヴォーカル名曲徹底ガイド|volume=上|editor=[[CDジャーナル]]|publisher=[[音楽出版社]]|series=CDジャーナルムック — 名曲コレクション|isbn=4-86171-013-8|ref=harv|chapter=夜の静けさに/イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト|page=186}}
* {{Cite web|title=In the Still of the Night (1937)|website=JazzStandards.com|url=https://www.jazzstandards.com/compositions-2/inthestillofthenight.htm |accessdate=2021-12-08}}
** {{wikicite|reference=Burlingame, Sandra. “Origin and Chart Information”.|ref={{sfnref|Burlingame|n.d.}}}}

== 外部リンク ==
* {{allmusic|title=In the still of the night, song (from “Rosalie”)}}
* {{2hs||In the Still of the Night}}
*{{Genius song|id=Cole-porter-in-the-still-of-the-night-lyrics|name=In the Still of the Night}}


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2021年12月7日 (火) 18:03時点における版

夜の静けさに」(よるのしずけさに)あるいは「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」(英語: “In the Still of the Night”)は、コール・ポーター作のポピュラー・ソング。1937年のミュージカル映画『ロザリイ英語版』におけるネルソン・エディによる歌唱が初演である[1]

解説

ヴァースのない計72小節の楽曲。全音符の箇所が多いことから、間延びした歌い方になることを避けるため、ボッサ・ノーヴァラテン調、速いテンポでの演奏が多い。題名に「静けさ」の語が含まれるが、情熱的な求愛型のラヴ・ソングである[1]

劇中歌として

音楽・音声外部リンク
ネルソン・エディによる歌唱YouTube Music

1937年のミュージカル映画『ロザリイ英語版』においてはネルソン・エディが歌唱している[1][2]。エディは歌いにくいから差し替えてほしいとポーターに要求した一方、プロデューサーのルイス・B・メイヤーはこの曲に感涙したと伝えられている。そのほか、ケイリー・グラント主演のポーターの伝記映画『夜も昼も英語版』(1946年)でも使われている[2]

録音史

ネルソン・エディによる録音は、ユア・ヒット・パレード (アメリカ合衆国の番組)英語版において10位を記録している。そのほか1937年のチャートでは、トミー・ドーシー(ヴォーカルはジャック・レナードJack Leonard)による録音が3位、レオ・レイズマン(ヴォーカルはリー・サリバンLee Sullivan)による録音が9位にランクインしている[2]

デラ・リース英語版のデビュー曲(1953年)でもあり、50万枚の売上を記録している。1960年のディオン・アンド・ザ・ベルモンツ英語版によるドゥーワップでのカヴァーは38位にランクインした。1991年に発表されたエイズの研究・救済のためのチャリティー・アルバム『レッド・ホット+ブルー英語版』には、ネヴィル・ブラザーズによる演奏が収録された[2]

主な録音

リーダー/ヴォーカル 収録アルバム 録音年 推薦者
ジェシー・ベルヴィン英語版Vo. ミスター・イージー 1959 CDジャーナル (2006)
ビリー・エクスタイン(Vo.) ノー・カヴァー、ノー・ミニマム英語版 1960[3] CDジャーナル (2006)
ヴィック・ダモーン(Vo.) My Baby Loves to Swing 1962 CDジャーナル (2006)
トニー・ハーパー英語版(Vo.) ナイト・ムード 1962 CDジャーナル (2006)
アーロン・ネヴィル(Vo.) ネイチャー・ボーイ〜ザ・スタンダード・アルバム 2003[4] CDジャーナル (2006)
カーリー・サイモン(Vo.) ムーンライト・セレナーデ (カーリー・サイモンのアルバム)英語版 2004 – 2005[5] CDジャーナル (2006)

その他、以下のミュージシャンによる録音がある。

出典

参考文献

  • CDジャーナル 編「夜の静けさに/イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」『スタンダード・ヴォーカル名曲徹底ガイド』 上、音楽出版社〈CDジャーナルムック — 名曲コレクション〉、2006年5月、186頁。ISBN 4-86171-013-8 
  • In the Still of the Night (1937)”. JazzStandards.com. 2021年12月8日閲覧。
    • Burlingame, Sandra. “Origin and Chart Information”.

外部リンク