「ガーンズバック (フルメタル・パニック!)」の版間の差分
Shikai shaw (会話 | 投稿記録) m ページ M9 ガーンズバック を ガーンズバック へ移動: 架空の兵器は型式番号などをつけないことで合意済み |
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(相違点なし)
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2006年11月20日 (月) 10:29時点における版
M9 ガーンズバックは、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』に登場するアーム・スレイブ。
ガーンズバック | |
型式番号 | M9 |
生産形態 | 量産機(米軍においては実験段階) |
全高 | 8.4m |
重量 | 9.5t |
動力源 | パラジウムリアクター ロス&ハンブルトンAPR2500a |
最大作戦行動時間 | 150時間 |
最高自走速度 | 250km/h |
最高跳躍高 | 45m |
固定武装 | AM11 12.7mmチェーンガン×2 XM18ワイヤーガン×2 |
基本携帯火器 | エリコン・コントラヴェスGDC-B 40mmライフル ボフォースASG96-B 57mm滑腔砲 ヒューズVGM-A2 (M) 「ヴァーサイルII」多目的ミサイル レイセオン/ゼネラルエレクトリックK1 「ジャベリン」超高速ミサイル ロイヤル・オードナンスM1108対戦車ダガー ジオトロン・エレクトロニクスGRAW-2単分子カッター |
搭乗者 | 相良宗介(序盤のみ) クルツ・ウェーバー メリッサ・マオ ベルファンガン・クルーゾー(D型に搭乗) 他 |
AIコールサイン | フライデー(マオ機) 他 |
機体解説
従来の機体を遥かに上回る性能を持つ「第二世代型AS」M6 ブッシュネルを、さらに発展させるために開発された機体、それが「第三世代型AS」M9 ガーンズバックである。
第二世代型と比べてかなり細身なボディと、戦闘機パイロットのヘルメットを連想させる丸い頭部が特徴。
元々は米軍の次期主力ASとして開発された機体であるが、未だ米軍においてはEMD機による運用実験が行われている段階であり、正式に配備されるのはまだ数年先である。そのため、本機は「ミスリル」の特殊な機関しか所有していない。
ただし、作中表記によれば、1998年12月にアメリカ軍においてEMDフェーズが終了し、その後26機が調達される予定である。また、『つどうメイク・マイ・デイ』に、その調達された26機のうちの1機であろう、米陸軍特殊部隊仕様のM9が登場した。こちらはミスリルで運用しているE系列機とは若干仕様が異なっている。
ガーンズバックというペットネームは設定上存在するが、作中の登場人物の殆どは単にM9と呼称している。これは同じ米軍機であるM6に関しても同様。
詳細
最新の軍事技術を多数取り入れられている本機は、数々の革新的要素を持つ機体である。パラジウムリアクターを搭載したことにより、ガスタービンエンジンで駆動する従来機と比較して極めて高い静粛性を獲得した。
その潤沢なエネルギーを以って、マッスル・パッケージと呼ばれる人工筋肉による完全電気駆動を実現したため、機体そのものが軽量化され運動性も極めて高い(なお、マッスル・パッケージはある程度の防弾性を備えており、耐久性もその見かけに反して向上している)。機体の軽量化は展開能力の向上にもつながっており、専用の輸送ヘリに最大2機搭載して輸送可能な他、XL-2 緊急展開ブースター を用いることで、艦上射出が可能となっている。ただし、輸送ヘリを用いる場合は1機のヘリに1機のASを搭載するのが原則。2機搭載する場合は武装を放棄する必要がある。
第二世代機までに搭載されていた油圧系のシステムを全廃したために、上記した機体の軽量化のみならず、ペイロードに大きな余裕が生まれた。その結果、高性能な電子兵装や内蔵型ウェポンラック、不可視モード実装型ECSを搭載可能となった。さらに、第二世代型には無い高性能なAIが搭載されており、搭乗者の負担もかなり減少されている。なお、AIのボイスは初期設定では機械合成の男声(アーバレストのAI、アルの声がこれに当たる)だが、搭乗者の趣味などによって比較的自由に変えることが出来る。例えばクルツの場合、日本のアイドルの声をサンプリングして自機のAIのボイスに設定している(ちなみに、作中で声を当てているのは田村ゆかりである)。
E系列の機体(作中に登場するM9の大半)の設計には、メリッサ・マオ中尉も携わっていた(当時の階級は軍曹。中尉に昇格したのは2006年7月現在連載中のエピソードである「つどうメイク・マイ・デイ」から)。
なお、作中では本機のプラモデルが田宮模型から発売されていた。その出来は実際に運用していた宗介が感心するほど。
デメリット
上記のようなメリットの反面、コストは従来のものとは比べ物にならず、よほど潤沢な組織でなければ運用できない。また、油圧システムを持たない故に規格外の荷重に対しては第二世代機と比べると、弱い面がある。
他にも、駆動系や機体構造の関係で、時として第二世代機の方が有利な場合が見られ、構造物としての堅牢性ならば、サベージ系列の方が勝っている面がある。
また、M6に比べ静粛性・性能は勝るものの、扱いやすさの面ではM6の方が優位である。実際に、『猫と仔猫のR&R』で、当初M9に乗っていたテッサはM6に乗り換えてマオとの模擬戦に臨んでいる。
D系列
作中、ミスリル側の機体として多く登場するM9はE系列と呼ばれるものであり、これ以外に、ジオトロン・エレクトロニクス社のドルトムント工場で製造された、D系列(ファルケ)というバージョンがある。設定では2機製造されており、その内1機がベルファンガン・クルーゾー中尉(後に大尉)の乗機となった。
外見上の最大の差異は頭部形状であり、アーバレストと同様に双眼式のセンサーを搭載している(ただし、漫画版ではバイザー式)。また、肩装甲など各パーツの形状が異なり、カラーリングもクルーゾー機は黒となっている。
元々ラムダ・ドライバの搭載が予定されていたが、開発者であるバニ・モラウタが自殺したために搭載されていない。ただし、機体フレームにアーバレストと同様の物が使用されている可能性は否定できない。
作中での活躍
ミスリルの主力機として登場しており、主人公の宗介も初期はこの機体に搭乗していた。基本的にはARX-7 アーバレストの支援にまわることが多い。また、Rk-92 サベージ等の前世代機が相手ならば、苦も無く撃破する事ができるが、コダール等のラムダ・ドライバ搭載機が相手では苦戦は避けられず、大した抵抗もできずに破壊されることも多い。ただし、最近の話ではある程度の対処が可能になってきている。
- 『戦うボーイ・ミーツ・ガール』
- ウィスパードの少女を救出したミスリル情報部員を回収するために、ハバロフスク近郊に宗介、クルツ、マオの三人が派遣されたシーンが最初の登場。このときは宗介機の背中に、要人輸送用バックパックを装備していた。また、墜落するMi-24ハインドから少女を守るために宗介がそれを受け止めるという離れ業を演じている(M6では不可能)。その後東京で、かなめの護衛任務についた際に、ECS不可視モードで運用された。また、北朝鮮にハイジャックされた際には、国連軍の名目で救出作戦に投入されている。この際、クルツ機がガウルンのコダールによって撃破された。
- 『疾るワン・ナイト・スタンド』
- 冒頭では、テロリスト養成キャンプ制圧作戦に運用された。また、テロ組織「A21」に対応するために、東京にマオ機が派遣されたが、タクマの操縦するベヘモスにより撃破されている。
- 『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』
- ぺリオ諸島を占拠したテロリスト(実際にはアマルガムの部隊)に対して、アーバレストと併せて5機のM9が投入された。この際は海中からの侵攻という手段を採ったため、水中行動用オプションを装備している。この際、マオ機がガウルンのコダールiによって撃破された(ただし、コダールiはクルツの機転によって行動不能に陥る)。
- 『終わる・デイ・バイ・デイ』
- ベルファンガン・クルーゾー中尉の乗るM9D型(通称ファルケ)が、シチリア島でマフィアの追撃を受ける宗介達の救援に現れた。その後メリダ島で行われた演習(と称したラムダ・ドライバの実験)では、アーバレストを完膚無きにまで叩きのめしている。香港でヴェノムが出現し、無差別攻撃を行った際にはファルケを含む6機が投入された。その際にはスペック機が撃破され、クルーゾー機も右腕を失う(TV版では片脚)が全員が生還する。
- 『踊るベリー・メリー・クリスマス』
- 冒頭、南沙諸島の海賊の拠点を制圧する際にクルツとマオが搭乗した。これ以降、クルツ機にはラムダ・ドライバの発動を検知する妖精の目が搭載されている。
- 『つづくオン・マイ・オウン』
- アマルガムのメリダ島に対する攻撃に対してトゥアハー・デ・ダナンに配備された全機が出撃し、ベヘモス3機と交戦した。この際、マオ機とクルーゾー機には前線の味方機(及びあらゆる兵器システム)に対する管制システムであるITCC-5統合戦術通信管制システムが搭載された。ベヘモス3機のうち1機をクルツ達による波状攻撃によって撃破するが、その過程でスペック機が大破(搭乗者は死亡)し、さらに2機が中破する。さらにその後の戦闘でキャステロ機が大破(搭乗者は死亡)し、マオも機体を放棄。最終的にTDD-1に帰還したのはクルツ機とクルーゾー機のみとなった。
- 『燃えるワン・マン・フォース』
- アマルガムに投降したミスリル地中海戦隊パルホーロンのSRT要員、ジョージ・ラブロックが搭乗するM9が宗介のサベージと実弾による賭博戦闘を行い、撃破されている。
短編でも登場しており、『わりとヒマな戦隊長の一日』では、マオがクリスマスパーティーの隠し芸のために整備クルーと協力して、AIによる自律駆動で2機のM9にダンスを踊らせようとしていた(が、転倒してテッサから減俸を喰らっている)。