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2022年10月7日 (金) 03:59時点における版

茨城中学校・高等学校
地図北緯36度23分20秒 東経140度27分27.6秒 / 北緯36.38889度 東経140.457667度 / 36.38889; 140.457667座標: 北緯36度23分20秒 東経140度27分27.6秒 / 北緯36.38889度 東経140.457667度 / 36.38889; 140.457667
過去の名称 (旧制)茨城中学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人茨城
併合学校 水戸学院昭和時代)
理念 報恩感謝
校訓 真理と正義を愛する
強健な身体と不屈の精神を養う
協同友愛の念を厚くする
設立年月日 1841年
水戸藩藩校弘道館
1927年2月5日
(旧制・茨城中学校)
創立記念日 10月3日
創立者 飯村丈三郎
共学・別学 男女共学
中高一貫教育 併設型
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科国際教養科
学期 2学期制
学校コード D108320100013 ウィキデータを編集(高等学校)
C108320100015 ウィキデータを編集(中学校)
高校コード 08503A
所在地 310-0065
茨城県水戸市八幡町16-1
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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茨城中学校・高等学校の位置(茨城県内)
茨城中学校・高等学校

茨城中学校・高等学校(いばらきちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、茨城県水戸市八幡町にある私立中学校高等学校。日本三大藩校の一つである弘道館の流れを組み国内屈指の歴史を持つ、県内最古の私立学校である。中学校からの入学者に中高一貫教育を提供し、高等学校においては、高校からの入学者と3年次から混合する併設混合型中高一貫校

私学藩校水戸藩弘道館」、1841年)を起源とする数少ない[1]学校で、学校としては国内屈指の歴史をもつ。

概要

1841年天保12年)、水戸藩により藩校として設立された弘道館を起源とする私立学校である。明治維新を経て1872年に弘道館が閉鎖されて以来、水戸学を信奉する学者により私塾が次々と開かれたが、いずれも閉鎖や廃絶を繰り返していた。その中で1924年大正13年)、飯村丈三郎は弘道館の流れを汲む唯一の私塾であり経営困難に陥った水戸学院の支援を持ちかけられ、1927年2月5日昭和2年)、飯村が巨額の私財を投じ、私立茨城中学校(旧制)が創設された。建学の精神は、飯村が終生の信条とした「報恩感謝」である。

戦後の学制改革を経て、1948年(昭和23年)、「茨城高等学校」(新制)となり、茨城中学校(新制)を併設した。ここに現在の茨城高等学校・中学校の原型が定まった。

創立以来男子校であった。また、中高一貫教育でなく[2]、茨城中学校から茨城高等学校へ進学するには、比較的容易ではあったとはいえ、原則として形式上入学試験を受ける必要があった。外部の高校を受験するのは原則として自由であったため、茨城中学校を卒業予定の生徒の多くが茨城県立水戸第一高等学校をはじめとする県立高等学校を受験し、茨城大学教育学部附属中学校とならび、水戸一高に多くの合格者を出すことが一つの売りでもあった。

1995年平成7年)、中高一貫教育課程に移行し、その年度の入学生から段階的に男女共学化し[3]、高等学校を進学校としてより充実させる方向に舵を切った。茨城高等学校は、それに合わせ1998年(平成10年)に男女共学、茨城中学校からの入学生に対して中高一貫教育課程を提供するとともに、それとは教育課程を異にする高校課程からの入学生も募集した。

中高一貫制度の導入、男女共学化は学校に新風をもたらした。カリキュラムを一新し、多様な教育活動が実践され、大学合格実績の飛躍につながった。中学体育祭が現在の4色対抗戦となったのも、中高一貫化の翌年の1996年(平成8年)である。

ただし、1995年以降導入した中高一貫教育も、学校教育法第71条に基づいて文部科学省により正式に中高一貫教育を認定された学校ではなかった。2008年(平成20年)4月より、茨城中学校・茨城高等学校の2校によって、併設型中高一貫教育を行うことが文部科学省から認定された。認定により、法令に基づいたカリキュラムの特別編成を行うこと(中等教育学校に適用される規定の適用)が可能となった。(ただし、教育課程を異にする高等学校からの入学生も募集している。)

男女共学の開始当初、中・高とも女子生徒の募集は全体の3割であったが、2010年代には、徐々に女子の募集が増えてきている。

2011年(平成23年)、新校舎(現A棟、C棟)が完成した。木造の明るい校舎で、耐震、防犯の面でも強化が施されている。C棟には物理、生物、化学のそれぞれの実験室を備えている。

2019年(令和元年)、医療系学部への進学希望者が多い本校が長年行ってきた「医歯薬外部連携講座」を発展、拡充する形で、「医学コース」を設置した。茨城県の医師不足解消の一翼を担うべく、地域医療を志す医師、医療人の育成を目指している。さらに2020年(令和2年)には、グローバル人材の育成を目的とし、海外大学との連携や約6ヶ月の海外留学をカリキュラムに含む「国際教養コース」を設置した。同年、医学コースは国立病院機構水戸医療センターと、茨城高等学校・中学校としてカリフォルニア大学デービス校国際教育センターと、それぞれ連携協定を締結した。

2021年現在、茨城中学校は県内に10校程度しか存在しない私立中学校の一つである。茨城高等学校は全日制課程普通科を設置している。

2026年に創立100年を迎える。3万人を越える卒業生は、社会の様々な分野の第一線で活躍を続けている。

教育方針

建学の精神は、創立者の飯村丈三郎の精神に由来して「報恩感謝」となっており、これに基づく形で3項目の校訓がある。

  • 建学の精神:「報恩感謝」 (創立者・飯村丈三郎による)
    社会報恩のため質実剛健で社会奉仕の念の強い人物の育成
  • 校訓
    • 真理正義を愛する
    • 強健な身体と不屈の精神を養う
    • 協同友愛の念を厚くする

校風

茨城高等学校は、茨城県立水戸第一高等学校茨城県立日立第一高等学校とともに生徒の要望によって、1972年服装自由化したことで知られる。1995年(平成7年)の中高一貫制導入に合わせて、茨城中学校は制服を一新し、茨城高等学校は改めて制服を導入した。

学校文化

茨城中・高は、水戸藩藩校である弘道館やそこで形成された水戸学の流れを汲み、学校図書館は、弘道館の蔵書を引き継いでいる。明治維新後に弘道館の蔵書のほとんどが国有とされたが、1945年昭和20年)8月2日未明の水戸空襲により焼失した。このため、茨城中学校・茨城高等学校がわずかに引き継いでいた1万余りの史料が、現存するものでは大半を占めている。現在は、茨城県立歴史館が弘道館より引き継いだ史料を委託管理している。

教育課程

  • 医学コース(中学3年次より加入が可能)
医療系学部への進学を希望する生徒を対象に、医学部進学に必要な学力・知識に加え、医療に携わる上での倫理観や使命感を育み、将来医療人として社会に貢献できる人材を育成する。
  • 国際教養コース(高校1年次より加入が可能)
異文化の多様な価値観に対応する柔軟性と、確固たるアイデンティティーを兼ね備え、報恩感謝の理念を世界で実践できる真の国際人を育成する。
約6ヶ月の海外留学を必須としており、生きた英語を習得させると同時に、異文化圏の生活環境に一人身を置く経験の中、主体性、自立心を育て、総合的な人間力の形成を図る。
また、国内においても、協同探究活動を通し、コミュニケーション能力、コラボレーション能力、問題解決能力、プレゼンテーション能力を育成する。

年間行事

  • 遠足(中学1,3年,高校)
毎年4月に行われている。行き先は、県内各地や都内など様々である。
  • 異文化体験合宿(中学3年希望者)
毎年4月に、福島県のブリティッシュヒルズに研修へ行く。
  • 体育祭(中学)
毎年6月の第一日曜日に開催される。
  • 茨祭(高校)
文化祭である。毎年、6月の最初の週末2日間に開催される。
  • 林間学校(中学1年)
7月後半に、中学1年を対象に福島県内で磐梯山やいわき小名浜を巡る。
  • 前期クラスマッチ(全学年)
中学は学校、高校はひたちなか市総合運動公園で行われる。
  • 研修旅行(中学3年,高校2年)
中学3年は京都、高校2年は沖縄に3泊4日の日程で巡っていたが、高校2年は平成27年度から従来の沖縄に加えカナダ、シンガポール・マレーシアと行き先を2つ増やし日程なども変更になった。各生徒が行き先を選択できるようになり、海外への研修はホームステイが行われる。
  • 芸術鑑賞(全学年)
茨城県民文化センターで毎年行われる。茨高寄席では、三遊亭小遊三が過去に出演している。その他にも、管弦楽などの公演が開催されている。
  • マラソン大会(全学年)
毎年11月に、国営ひたち海浜公園で行われる。中学生は6km、高校生は10km走る。
  • 後期クラスマッチ(全学年)
中学・高校共に、学校で行われる。
  • 合唱大会(中学)
毎年、卒業式前日に行われる。

沿革

経緯

1841年天保12年)に設立された水戸藩の藩校である弘道館の流れを組んでいる。明治維新の後、伝統を保つために関係者が自彊舎を設立し、弘道学舎水戸塾水戸学院として昭和にまで存続した。1927年(昭和2年)に政界・財界で活躍していた飯村丈三郎が、水戸学院を引き継ぐ形で旧制私立茨城中学校を設立した。

第二次世界大戦後の学制改革により、1948年(昭和23年)に旧制茨城中学校は新制の茨城高等学校に改組して、同時に新制の茨城中学校を併設した。

両学校の設置者の学校法人茨城は、男女共学・中高一貫教育体制の導入を決定し、1995年(平成7年)から茨城中学校は男女共学になり、1998年(平成10年)には茨城高等学校も男女共学になった。

年表

  • 1927年昭和2年) - 飯村丈三郎が財団法人茨城中学校を設立、東京大手町交通事故により飯村丈三郎没。
  • 1932年(昭和7年) - 旧・校歌作成、校長の本田文雄が作詞。
  • 1948年(昭和23年) - 「旧制・茨城中学校」を「新制・茨城高等学校」に改組、「新制・茨城中学校」を併設する。
  • 1957年(昭和32年) - 現校歌制定、創立30周年記念式典。
  • 1970年(昭和45年) - 中高一貫Aコース(1学級のみ)を開始。
  • 1972年(昭和47年) - 茨城高等学校の服装を自由化。
  • 1983年(昭和58年) - 茨城中学校・茨城高等学校の新校旗を制定。
  • 1988年(昭和63年) - 中高一貫Aコースを中断。
  • 1995年(平成7年) - 男女共学・中高一貫教育を導入し茨城中学校が共学化、茨城中学校・茨城高等学校ともに制服制定。
  • 1998年(平成10年) - 茨城高等学校が共学化。
  • 2003年(平成13年) - 創立者、飯村丈三郎の生誕150年を迎える。
  • 2007年(平成19年) - 創立80周年記念式典
  • 2008年(平成20年) - 記念事業の一環として、高校校舎増改築・耐震工事を開始、学校教育法第71条に基づく正式な併設型中高一貫教育校となる
  • 2011年(平成23年) - 新校舎完成。東日本大震災で被災し、体育館の内1棟が使用不可に。
  • 2012年(平成24年) - 体育館の震災復旧工事が完了。
  • 2019年令和元年) - 医歯薬外部連携講座を基に医学コース設置。
  • 2020年(令和2年)

歴代理事長(校主)・校長

校主

  • 初代:飯村丈三郎(昭和2年2月 - 昭和2年8月)
  • 2代:中崎憲(昭和2年8月 - 昭和17年3月)
  • 3代:飯村雄(昭和17年4月 - 昭和20年12月)
  • 4代:穴沢清次郎(昭和21年1月 - 昭和26年3月)

理事長

  • 初代:竹内勇之助(昭和26年3月 - 昭和36年7月)
  • 2代:大内俊三郎(昭和36年12月 - 昭和48年4月)
  • 3代:長谷川正三(昭和48年5月 - 昭和50年3月)
  • 4代:大津順一(昭和50年6月 - 昭和61年3月)
  • 5代:柴田清伊知(昭和61年4月 - 平成5年3月)
  • 6代:立枝功男(平成5年4月 - 平成12年3月)
  • 7代:横山充孝(平成12年4月 - 平成13年8月)
  • 8代:荒川汪(平成13年9月 - 平成23年8月)
  • 9代:種田誠(平成23年9月 - )

校長

  • 初代:伊藤正弘(昭和2年3月 - 昭和6年8月)
  • 2代:中崎憲(昭和6年9月 - 昭和6年11月)
  • 3代:本田文雄(昭和6年12月 - 昭和21年3月)
  • 4代:田沢次郎(昭和21年4月 - 昭和21年9月)
  • 5代:根本景行(昭和21年10月 - 昭和23年5月)
  • 6代:加唐卯之助(昭和23年6月 - 昭和27年12月)
  • 7代:折原徹(昭和28年1月 - 昭和31年2月)
  • 8代:岩上二郎(昭和31年3月 - 昭和47年7月)
  • 9代:柴田清伊知(昭和47年8月 - 昭和52年3月)
  • 10代:海野庄一(昭和52年4月 - 昭和55年3月)
  • 11代:石田彦治(昭和55年4月 - 昭和58年3月)
  • 12代:中村尭繁(昭和58年4月 - 昭和61年3月)
  • 13代:海野庄一(昭和61年4月 - 平成4年3月)
  • 14代:堀江通明(平成4年4月 - 平成7年3月)
  • 15代:濱崎厚(平成7年4月 - 平成12年3月)
  • 16代:大内光(平成12年4月 - 平成18年6月)
  • 17代:大窪範光(平成18年4月 - 平成27年3月)
  • 18代:大塚真澄(平成27年4月 - 平成30年3月)
  • 19代:鬼形正人(平成30年4月 - 令和3年3月)
  • 20代:梶克治(令和3年4月 - )

著名な出身者

脚注・出典

  1. ^ 藩校を起源とする私立学校として他に修道中学校・修道高等学校がある。
  2. ^ この時代の茨城中学校の教育課程は公立学校に準じたものであった。
  3. ^ 1995年度に茨城中学校に入学した中高一貫第1期生は、女子49名を含む166名であった。

関連項目

外部リンク