コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「無閉塞運転による事故」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Shinkansen (会話 | 投稿記録)
Station (会話 | 投稿記録)
無閉塞運転に統合
1行目: 1行目:
{{mergeto|無閉塞運転|無閉塞運転による事故}}
#REDIRECT[[無閉塞運転]]
'''無閉塞運転による事故'''(むへいそくうんてんによるじこ)では、[[無閉塞運転]]を行ったために、発生した[[鉄道事故]]([[列車衝突事故]])について記す。

==概要==
[[無閉塞運転]]は、[[複線]]の[[閉塞方式|自動閉塞]]を採用している区間において、[[鉄道信号#閉塞信号機|閉塞信号機]]が赤(停止)信号を示した場合、[[列車]]が長時間停車することを避けるための措置として実施されるものであるが、時折その取り扱いの誤りにより、追突事故を引き起こすことがあった。以下にその一覧を示す。

これらの事故を受け、多くの[[鉄道事業者]]では無閉塞運転を行う際、[[鉄道無線]]により[[運転指令所]]の指示を受けた上で、実施することを義務づけるようになった。

=== 東海道線片浜列車追突事故 ===
* [[1997年]](平成9年)[[8月12日]] 23時18分頃

JR東海の東海道本線[[沼津駅]]~[[片浜駅]]間で、停車中の[[泉駅 (福島県いわき市)|泉]]発[[百済駅|百済]]行き下り貨物列車([[国鉄EF65形電気機関車|EF65形]]1139号機牽引)に下り普通列車が追突し、43名が負傷。

さらに衝突のショックで貨物列車に積載されていたコンテナが落下、沿線の住宅の庭に転がり落ちている。

==== 事故原因と対処 ====
先行の下り貨物列車が[[踏切支障報知装置]]が作動したため停車中であったところ、後続の普通列車は赤信号によりいったん停車したあと規定の1分後に無閉塞運転を開始した。その後先行列車の運転士が踏切支障報知装置を復帰したため貨物に対する信号が進行を示し、後続列車がそれを自列車に対するものと誤認して加速したため停車中の貨物列車に追突した。

運輸省は各鉄道事業者に対応を求め、JR東日本ではこれを機に運転士単独判断での無閉塞運転を禁止して列車指令の指示を受ける「閉塞指示運転」に改めた。その後JR北海道・JR四国でも同様の処置がとられたが、追随しなかった[[九州旅客鉄道|JR九州]]では2002年2月に[[#鹿児島線列車追突事故|同様の事故]]を起こした。

=== 鹿児島線列車追突事故 ===
* [[2002年]](平成14年)[[2月22日]] 21時30分頃

[[福岡県]][[宗像市]]の[[九州旅客鉄道|JR九州]][[鹿児島本線]][[海老津駅|海老津]]~[[教育大前駅]]間で、[[門司港駅|門司港]]発[[荒尾駅 (熊本県)|荒尾]]行き下り普通列車([[JR九州811系電車|811系]]・[[JR九州813系電車|813系]]7両編成)が[[イノシシ]]に衝突し停止中、無閉塞運転で進行してきた後続の門司港発[[荒木駅|荒木]]行き下り快速列車(813系5両編成)が追突し、134名が重軽傷を負った。当該車両は全車廃車となったが、損傷のなかった部品はその後代替として新造された813系300番台に転用された。

==== 事故原因と対処 ====
後続の快速列車の運転士は赤信号を確認して駅間で停車、1分後に規定通りに15km/h以下での無閉塞運転を開始した。その際に先行の普通列車に対して現示された中継信号機の進行現示を自列車に対するものと誤認して加速し、カーブの奥で停車していた先行列車に直前で気付いて非常ブレーキを扱ったが間に合わなかった。

直接の事故原因は運転士のミスであるが、中継信号を誤認しやすい信号機を移設すると共に、運転士の判断だけで前進が可能な運転規則について、JR東海の[[#東海道線片浜列車追突事故|類似事故]]の教訓が生きていない点が指摘された。このため国土交通省鉄道局の指示により、運転士の判断で無閉塞運転を行っている28事業者は同年5月までに通信手段の確保を待って「運転指令の指示を受け、運行を開始する」方式に変更した。

また、破損状況の調査結果(全車両の両端部分がまんべんなく破損しており、結果として全車両が廃車となった)から、衝突時の車両の安全性向上に関する取組みの強化が指示された。

[[Category:鉄道事故|むへいそくうんてんによるしこ]]
[[Category:九州旅客鉄道|事むへいそくうんてんによるしこ]]
[[Category:東海旅客鉄道|事むへいそくうんてんによるしこ]]
[[Category:鉄道運転業務|むへいそくうんてんによるしこ]]

2006年12月2日 (土) 08:54時点における版

転送先: