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犬流産菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
犬流産菌
分類
ドメイン : 細菌 Bacteria
: プロテオバクテリア門
Proteobacteria
: αプロテオバクテリア綱
Alpha Proteobacteria
: リゾビウム目 Rhizobiales
: ブルセラ科 Brucellaceae
: ブルセラ属 Brucella
: 犬流産菌 Brucella canis
学名
Brucella canis
Carmichael & Bruner, 1968

ブルセラ・カニス(Brucella canis)または犬流産菌イヌブルセラ菌は、グラム陰性ブルセラ科プロテオバクテリアである。イヌやその他のイヌ科の動物にブルセラ症(イブヌルセラ症)を引き起こす。桿菌または球菌で、酸化酵素カタラーゼウレアーゼは陽性である[1]。アメリカ合衆国で1966年に初めて記載され、ビーグルの大量流産が記録されている[2]。イヌの国際的な移動が増加しているが、ブルセラ・カニスはまだ非常に稀である[3]

この病気の徴候は、イヌの性別により異なる。オスでは精巣上体炎睾丸炎、メスでは子宮内膜炎胎盤炎等として症状が現れ、流産に繋がる。また、オスでもメスでも、しばしば不妊の症状が現れる。また他の症状として、眼や中軸骨格、付属肢骨格に炎症が生じることがある。一般的ではないが、リンパ節腫大脾腫も起こりうる[4]。動物への感染は終生持続し、一般的には動物の生殖器官に位置している[5]

イヌにおけるブルセラ・カニスの予防は比較的容易であり、獣医が行う簡単な血液検査が存在する。繁殖に用いられる、または繁殖能力があるイヌは検査を受けるべきである[6]。ブルセラ・カニスは人獣共通感染症を引き起こし、稀ではあるが、ヒトにも感染する[4]。可能性は低いものの、最も一般的なのはドッグブリーダー、この細菌を取り扱う研究室のメンバー、免疫不全の人物である[6]

ブルセラ・カニスの治療は困難である。長期間の抗生物質の投与は可能であるが、多くの場合再発する[7]ミノサイクリンストレプトマイシンの組み合わせが効果があると考えられるが、しばしば負担が大きい。テトラサイクリンは、ミノサイクリンの安価な代役であるが、治療の効果も下がる[要出典]。避妊や去勢は有効であるが、進行をモニターするために頻繁な血液検査が推奨される。ブルセラ・カニスに感染した犬舎のイヌは、他のイヌやその世話をする人物を保護するため、多くの場合安楽死が行われる[7]

出典

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  1. ^ “Review of clinical and laboratory features of human brucellosis”. Indian Journal of Medical Microbiology 25 (3): 188-202. (July 2007). doi:10.4103/0255-0857.34758. PMID 17901634. http://www.ijmm.org/article.asp?issn=0255-0857;year=2007;volume=25;issue=3;spage=188;epage=202;aulast=Mantur. 
  2. ^ “Epidemic canine brucellosis due to a new species, brucella canis”. The Lancet 2 (7628): 1000-1002. (November 1969). doi:10.1016/s0140-6736(69)90551-0. PMC 2441019. PMID 4186949. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2441019/. 
  3. ^ Cosford, Kevin L. (01 2018). “Brucella canis: An update on research and clinical management”. The Canadian Veterinary Journal = La Revue Veterinaire Canadienne 59 (1): 74–81. ISSN 0008-5286. PMC 5731389. PMID 29302106. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29302106. 
  4. ^ a b “Investigation of the spread of Brucella canis via the U.S. interstate dog trade”. International Journal of Infectious Diseases 11 (5): 454-458. (September 2007). doi:10.1016/j.ijid.2006.12.009. PMID 17331783. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1201-9712(07)00016-1. 
  5. ^ Brucellosis Fact Sheet”. California Department of Public Health. 2020年5月6日閲覧。
  6. ^ a b Brucellosis FAQs for Dog Owners”. Georgia Department of Agriculture. 2020年5月6日閲覧。
  7. ^ a b Canine Brucellosis and Foster-based Dog Rescue Programs”. Minnesota Department of Health. 2020年5月6日閲覧。

外部リンク

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