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猩紅熱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猩紅熱
別称 scarlatina,[1] scarletina[2]
紅色の小さな発疹が全身にできる猩紅熱
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 A38
ICD-9-CM 034.1
DiseasesDB 29032
Patient UK 猩紅熱

猩紅熱(しょうこうねつ、: scarlet fever)は、小児に多い発疹性感染症。明治年間に法定伝染病に指定され恐れられていた病気の一つだが、抗生物質の開発により、治療が容易になった。このため、1998年の法改正に伴い、法定伝染病(届け出が必要)ではなくなった。現在の感染症法ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)として診断・治療を行うことがほとんどである。

概要

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A群β溶血性連鎖球菌の毒素(発赤毒 (erythrogenic toxin)[3]、Dick毒素)によって発症する全身症状。発赤毒素に免疫のない人で発症する[4]。A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(5類感染症定点把握疾患、溶連菌感染症)の1タイプ[5]。2歳 - 10歳の小児に多く発病し、小児が集まる機関(幼稚園、保育園、小学校)で集団発生する事がある。中耳炎腎炎リウマチ熱などと合併して発症する事がある。

日本では1957年(昭和32年)に流行し、届出のあった患者だけでも1万4500人、うち40人が死亡した事例がある[6]

感染様式

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主に飛沫感染。

症状

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通常はレンサ球菌咽頭感染症に続発し発症する[7]

  1. 潜伏期は2日 - 4日
  2. 前駆期は高熱と、咽頭痛(上気道炎)、頭痛、四肢痛、悪寒、となる事がある。
  3. 発疹期(第1病週)は紅色の小さな発疹が全身にできる。舌が腫れ、「いちご舌」、皮疹
  4. 落屑期(第2 - 3病週)は手のひらや足の裏から膜様鱗屑[3](皮がむけ、落ちる)
  5. 感染後 免疫反応としてリウマチ熱や糸球体腎炎を併発することがある[5]

主な合併症

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  • 化膿性疾患
    • 肺炎、髄膜炎、敗血症など
  • 非化膿性疾患
    • リウマチ熱、急性糸球体腎炎

予防

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患者との濃厚接触をさける[8]。うがい、手洗いなどの励行[8]

治療法

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第一選択薬はペニシリン系抗生物質、ペニシリン、エリスロマイシンクリンダマイシン[7]、投薬期間は10日間[8]

関連法規

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定点報告対象(5類感染症)[8]

参考画像

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脚注

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  1. ^ Scarlet Fever: A Group A Streptococcal Infection”. Center for Disease Control and Prevention (January 19, 2016). 12 March 2016閲覧。
  2. ^ Shorter Oxford English dictionary. United Kingdom: Oxford University Press. (2007). pp. 3804. ISBN 0199206872 
  3. ^ a b Q18猩紅熱(しょうこうねつ)はどのような症状ですか? 日本皮膚科学会
  4. ^ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 厚生労働省
  5. ^ a b 臨床検査データブック2017-2018 疾患と検査 - 感染症,性病,寄生虫疾患 - 猩紅熱、医学書院
  6. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、145頁。ISBN 9784816922749 
  7. ^ a b レンサ球菌感染症 MSDマニュアル プロフェッショナル版
  8. ^ a b c d A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは 国立感染症研究所感染症情報センター

関連項目

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