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猫とねずみとお友だち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

猫とねずみとお友だち(ねことねずみとおともだち、Katze und Maus in Gesellschaft、KHM2)はグリム童話のひとつ。猫とねずみといっしょのくらし猫とねずみのいっしょのくらしなどとも訳される。

弱い立場のものが強い立場のものに逆らって破滅するという、メルヘンとしては珍しく救いの無い話である[1]ヴィルヘルム・グリムは『グリム童話』初版には無かった「どうです、世の中とはこうしたものです」という結句を後の版になって付け足している。

あらすじ

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猫とねずみが一緒に暮らしていた。

ふたりは冬を越すためにヘットを壷に入れて、盗まれる心配の無い教会の祭壇の下に蓄えておくが、しばらくして猫はヘットがなめたくて我慢できなくなる。

そこで、猫は「名付け親を頼まれているので、留守番を頼む」とねずみを騙し、ヘットのところへ行き、上皮の部分を全部なめてしまう。帰宅した猫にねずみが「何という名前を付けたのか」と尋ねると、「皮なめ」と答える。ねずみは、変な名前を付けたもんだと言う。

後日、またしても我慢できなくなった猫は、また名付け親を頼まれたからとねずみを騙し、今度はヘットを半分なめてしまう。「今度は何という名前をつけたのか」とねずみに尋ねられた猫は、今度は「半分ぺろり」と答える。ねずみは、そんな名前は聞いたことがないと訝しがる。

さらにもう一度、猫が名付け親を頼まれたと言うと、ねずみは疑いながらも見送る。猫は、とうとう全てのヘットを平らげてしまった。ねずみが「今度はどんな名前を付けたのか」とねずみが尋ねると、猫は「みんなぺろり」と答える。ねずみは、いよいよおかしな名前だと不審に思う。

やがて冬が来て、外で食べ物が見つからなくなったので、ねずみはヘットの壷のところへ行こうと猫を誘う。しかし、ヘットは跡形もなくなっていた。空っぽの壷を見て全てを理解したねずみは、ヘットを独り占めしたことについて猫を責めようとする。しかし、その瞬間、猫はねずみに襲い掛かり、「みんなぺろり」と飲み込んでしまう。

備考

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この話の類話は北アフリカからアラスカまで広い地域に存在する。登場する動物には狐と鶏などの変化があり、北ドイツの狼と狐の話が起源となって拡散したと考えられている[1]

脚注

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  1. ^ a b 相沢博『メルヘンの面白さ:分類グリム童話の鑑賞』中央大学出版部〈UL双書〉1973年 p.26-29.

外部リンク

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