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猫鳴り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猫鳴り
著者 沼田まほかる
発行日 単行本:2007年8月20日
文庫版:2010年9月16日
発行元 双葉社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 単行本:四六判上製本
文庫版:文庫判
ページ数 単行本:205
文庫版:211
公式サイト 単行本:猫鳴り 単行本 双葉社
文庫版:猫鳴り 文庫版 双葉社
コード 単行本:ISBN 978-4-575-23589-0
文庫版:ISBN 978-4-575-51378-3
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猫鳴り』(ねこなり)は、日本の小説家沼田まほかるによる小説

小説推理』にて2007年1月号から同年6月号まで連載される[1]。単行本は、2007年8月20日に双葉社より刊行された[2]。単行本のカバー写真は、星野博美による。単行本の装丁は、緒方修一による[1]。文庫版は、2010年9月16日に双葉文庫より刊行された[3]。同年末、本の雑誌社の『おすすめ文庫王国 2010-2011』のエンターテインメント部門で第1位に選ばれる[4][5]。文庫版は、刊行後1年で10万部に到達している[4]

あらすじ

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信枝は、夫の藤治と17年間連れ添った後に妊娠するが、6か月後に流産してしまう。信枝は、チェルノブイリ原子力発電所事故が発生した1986年のある日、庭で仔猫を見つけ、家から離れた場所に捨てる。しかし、何回捨てに行っても、仔猫は信枝の家のそばまで戻ってくる。信枝と藤治は結局、その仔猫を飼うことにする。仔猫の肩には傷があったが、飼い始めると、みるみるうちに治っていった。当初、信枝や藤治は、その仔猫のことを「チビ」と呼んでいたが、仔猫を見にきたという少女、アヤメが「モンちゃん」と呼んでいることを知ってからは、「モンちゃん」と呼ぶようになる。

主な登場人物

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信枝
40歳。
藤治
大工。信枝の夫。52歳。
浩市
大工。
アヤメ
少女。

書評

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ライターの瀧井朝世は、「したたかに生きた猫が寿命をまっとうする様を見つめ、厳粛に命と向き合う境地に至る人間の心模様。その静かだが力強い筆致は見事というしかない」[4]と評価している。書評家の豊﨑由美は、「モンの姿を通して登場人物らの心の襞に分け入っていく作者の力強い筆致が印象的」[6]「猫を看取った経験がある人なら、首の骨がはずれるほどうなずきながら号泣すること必至」[7]と評価している。

脚注

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  1. ^ a b 『猫鳴り』 2007.
  2. ^ 猫鳴り 単行本”. 双葉社. 2018年12月8日閲覧。
  3. ^ 猫鳴り 文庫版”. 双葉社. 2018年12月8日閲覧。
  4. ^ a b c 瀧井朝世 (2011年9月4日). “猫鳴り 沼田まほかる”. 朝日新聞. オリジナルの2011年11月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111107214345/http://book.asahi.com/reviews/column/2011090400006.html 2018年12月8日閲覧。 
  5. ^ “容赦ない残酷さヒット 沼田まほかるの小説「ユリゴコロ」”. 朝日新聞. (2012年2月15日). https://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201202150304.html 2018年12月8日閲覧。 
  6. ^ 豊﨑由美 (2017年7月31日). “『猫鳴り』(双葉社)”. ALL REVIEWS. 2018年12月8日閲覧。
  7. ^ 豊﨑由美. “豊崎由美は稀代のケモノバカ一代として動物の生き様がしっかり描かれた小説を枚挙する!”. ブックバン. 2018年12月8日閲覧。

参考文献

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  • 沼田まほかる『猫鳴り』双葉社、2007年。ISBN 978-4-575-23589-0