現代の音楽
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現代の音楽(げんだいのおんがく)は、現代(第二次世界大戦以降)において制作された、あるいは現在リアルタイムで制作されている音楽の全般を指す。
芸術音楽
[編集]- 伝統音楽
- 西洋のクラシック音楽以外で、世界各地の伝統音楽の様式に則りそれらの伝統を守りつつも、現代において新たに発展しつつある音楽は現代の音楽と認識できる。伝統の様式をそのまま形を変えず伝承している伝統音楽、あるいは民謡などは現代の音楽とは認識されない。実際問題として、今日そのような伝統音楽のジャンルにおいては、伝統の継承のみならず大衆音楽の影響なしに発展できた音楽は現代音楽を除いてほとんど見られず、見られたとしてもそれが録音物として国際的に流通されることはめったに無い。ただし例えば日本の現代雅楽や現代邦楽などの例外があり、また他の非西欧圏でもこのような伝統音楽への芸術的発展の試みはごく一部で行われていることから、厳密には皆無とは言えない。
大衆音楽
[編集]一般大衆に浸透している音楽。現代においては商業流通に則った商業音楽を指す場合が多い。
アヴァン・ポップなどのような芸術音楽と大衆音楽の合間に位置する音楽は、多くの場合大衆音楽の立場からは「実験的」、芸術音楽の立場からは「大衆より」と(否定的に)評価され、安定した評価を得ることが難しい。
「現代音楽」と「現代の音楽」の違い
[編集]現代音楽というと、近代音楽を批判して誕生した西欧戦後前衛の実験的な試みが想起されるが、一般的に支持されず主流にならなかったため、近代音楽以前の技法を使った新しい音楽をこれと区別する為に現代の音楽(げんだいのおんがく)という用語を便宜上用いなければならなくなった。
20世紀以降の世界の放送音楽や教育音楽の需要から、「現代音楽」と「現代の音楽」を区別する必要が第二次世界大戦終了以降強くなった。現代音楽は「Contemporary Music」と訳すことができるが、現代の音楽は「Music of our century」としか訳しようがない。
21世紀現在では、ポピュラー音楽でも現代音楽でもない音楽を指す言葉として使われることが多く、商業音楽や実用音楽をストレートに指すかどうかさえも疑わしい。近年のゲームミュージックは機材の進化とともに、徐々にクラシック音楽やポピュラー音楽のかつての姿に近似しており、これらの領域の音楽を好んで作曲する者も「現代の音楽の作曲家」と呼ばれつつある。
ちなみにマチアス・シュパーリンガーは「現代音楽は、他の如何なる形態をとる音楽とも、全てに於いて切り離された存在である」と定義するが、これはドイツ語原文を直訳した為に紛らわしい表現になった。彼の主張は「現代音楽と、現代の音楽は、違う」という、今日の音楽家全員に突きつけられた定義そのものである。