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環太平洋戦争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
環太平洋戦争
Circum-Pacific War
2010年9月23日 - 2010年12月31日
場所オーシア領各地、ユークトバニア領各地、ベルカ領各地、セレス海、ラーズグリーズ海峡
結果 オーシアとユークトバニアの間で停戦。灰色の男たちによる核攻撃頓挫。
衝突した勢力
オーシア連邦 ユークトバニア連邦共和国 灰色の男たち
指揮官
ビンセント・ハーリング
アップルルース
ハウエル
ニコラス・A・アンダーセン
セリョージャ・V・ニカノール ソラーレ・オストベルグ

環太平洋戦争(かんたいへいようせんそう、Circum-Pacific War、Тихоокеанская Война)は、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス→バンダイナムコエンターテインメント)のPlayStation 2フライトシューティングゲームACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR』の舞台となった架空戦争

2010年9月23日から始まったユークトバニア軍の攻撃から12月31日のSOLG撃墜までの期間、超大国同士であるオーシア連邦ユークトバニア連邦共和国の間で行われた戦争である。開戦に至る経緯と戦禍の拡大に関して両国の中枢に入り込んだ「灰色の男たち」と呼ばれるベルカ強硬派のテロリストが関与しており、「ベルカ事変(Belkan Conflict)」とも呼ばれる。

開戦までの経緯

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1995年に起こったベルカ戦争において、ベルカ連邦オーシア連邦ユークトバニア連邦共和国などで構成される連合軍に敗北した。ベルカ領だった南ベルカはオーシアの信託統治領となり、ノースオーシア州となった。ベルカ連邦は連邦の盟主であったベルカ公国領の一部のみが残る形となり、連邦制は解体され、領土も開戦前の半分以下にまで喪失した[1][2]。ベルカの強硬派で構成される「灰色の男たち(The Gray Men)」は南北ベルカの統一と戦勝国への恨みを晴らすため地下に潜伏し、ベルカ戦争で敵対したオーシアやユークトバニアの中枢まで潜伏し工作活動を開始した[3]

オーシアとユークトバニアは1980年代からイデオロギー対立によって冷戦状態にあり、両国はお互いを仮想敵国と認識して軍拡を続けていたが、ベルカ戦争では共に連合軍としてベルカと戦った。また、ベルカ戦争で得た教訓や経済的打撃を契機として冷戦は雪解けへと進み、戦前からは考えられないほどの友好関係を築くようになった[4]。1999年10月8日には軌道上に漂うユリシーズの破片を除去するため、かつてオーシア軍が弾道ミサイル迎撃用兵器として構想を進めていたアークバードの設計案を元に、両国共同で軌道清掃プラットフォームとして開発することを決定した[5]。2004年にオーシアでビンセント・ハーリング政権が成立すると、両国の間でより一層の宥和政策が進展した[6]。国際共同宇宙開発も進展を見せ、オーシア航空宇宙局とユークトバニア連邦宇宙庁によって、オーシア領のバセット国際宇宙基地に全長12kmのマスドライバーが共同建設された[7]。アークバードも共同建造され、マスドライバーから打ち上げられたアークバードは軌道上に残るユリシーズや衛星の破片といったスペースデブリの除去に大きな成果を上げた。2008年にはアークバード会議が開催され、オーシアとユークトバニア含む7ヶ国によって包括的核実験禁止条約(CTBT)に基づいた核不拡散努力を継続し、第二次戦略兵器削減条約(START-2)への移行を進めるとするアークバード宣言が為された[8]。ハーリング政権は宇宙関連予算を捻出するため軍縮政策を展開したが、これに不満を持つ軍人層も存在していた。

南ベルカのスーデントールに位置する南ベルカ国営兵器産業廠は、ベルカ戦争後にオーシア領へ組み込まれるとノースオーシア・グランダーI.Gに改組しオーシア軍に兵器を納入するようになった。社長を務めるソラーレ・オストベルグはオーシアに恭順を誓っていたものの、その実は灰色の男たちのメンバーで、企業ぐるみで工作活動を担っていた。[3]

1998年夏頃からベルカはエースパイロットを各国に派遣し、彼らは各国空軍でアグレッサー部隊として活躍した[5]。オーシア空軍は自国パイロットを強化する目的でベルカ人パイロットのアシュレイ・ベルニッツたちを非公式のアグレッサー飛行隊として雇い入れ、オーシア内で彼らは第8492飛行隊と名乗って活動した。ユークトバニア空軍でもミヒャエル・ハイメロートなどのベルカ人パイロットを引き入れ公式のアグレッサー飛行隊とした。彼らは灰色の男たちによる工作の実働部隊として本戦争を通じて暗躍することとなる。

時期は不明ながらユークトバニアでは平和主義で知られるセリョージャ・ヴィクトロヴィッチ・ニカノール首相が極秘裏に拉致された。この実質的なクーデターが起こったのが開戦前か開戦後か不明ではあるが、少なくとも2010年12月頃にはニカノール首相の不在による軍国主義化に反発したレジスタンスが活動している。ユークトバニアは国内の情勢変化によって軍が実権を握り、ユークトバニアとオーシア本土の間に位置するオーシア領のサンド島空軍基地周辺で軍事行動を開始した。

戦争の経過

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宣戦布告なき攻撃

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2010年9月23日、MiG-29戦闘機を含む10機の国籍不明機がセレス海上空を東に向けて飛行し、オーシア領のサンド島北西を通過するルートを通ろうとした。これをレーダーで捉えたオーシア軍は、ランダース岬上空で訓練飛行中だったサンド島空軍基地所属の第108戦術戦闘飛行隊(ウォードッグ隊)をアプローチさせた。ウォードッグ隊隊長のジャック・バートレット大尉は教官機のみで対応するとして訓練生を低空へ退避させ3機の教官機で迎撃に当たり、命令を無視して教官機に追従した1機の訓練生機と合わせて4機が国籍不明機にアプローチを試みた。残りの訓練生は通信指令室のミスにより誤った退避高度へ飛行してしまい、国籍不明機の真正面まで移動してしまった。国籍不明機は事前警告なく攻撃を開始し、退避した訓練生機の全機が撃墜された。教官機も1機が戦闘で撃墜され、基地への着陸の際に教官機の1機もクラッシュし、一連の戦闘でオーシア軍側は教官2名と訓練生6名が死亡した。一日で膨大なパイロットを失ったサンド島空軍基地では、ウォードッグ隊の再編成が実施され地上待機だった新人パイロットもスクランブル配置につかせることになった。この戦闘における国籍不明機側の損害等は不明である。

翌9月24日、オーシア領のランダース岬上空に国籍不明のSR-71偵察機が侵入した。オーシア側からの警告にも関わらず領空侵犯を続行したため、沿岸防衛隊が地対空ミサイルを発射し命中させた。損傷したSR-71は高度を落としつつ、ランダース岬南西の洋上に向かって飛行を続けた。オーシア軍はこれを強制着陸させることを目的としたラグーン作戦を開始し、サンド島空軍基地からウォードッグ隊が出撃した。SR-71とアプローチしたウォードッグ隊は無線交信し強制着陸を指示したが、西からMiG-21戦闘機で構成される複数の国籍不明機が飛来したため、ウォードッグ隊はSR-71をいったん差し置いてこれらにアプローチした。国籍不明機は再び事前警告なくウォードッグ隊に攻撃を開始し、隊長のバートレット大尉はAWACSの発砲禁止命令を反故にし部下たちに反撃を指示した。この戦闘でウォードッグ隊に被害はなく、国籍不明の戦闘機は全機撃墜され戦闘の最中にSR-71も飛行を継続できず墜落した。

2日間に渡る国籍不明機の侵入経路はいずれもユークトバニアが位置する西方からだったため、オーシア側ではユークトバニアの関与が疑われた。オーシア政府はサンド島やランダース岬周辺の戦闘を一般報道させず、サンド島空軍基地では箝口令が出された。

9月27日11時30分頃、ユークトバニアの情報船がサンド島付近を航行し、無人偵察機を複数放った。オーシア軍は船舶に帰還しようとする無人偵察機の撃墜を目的としたジャイル作戦を開始し、出撃したウォードッグ隊によって全機のドローンが撃墜された。続いて西から戦闘機部隊が飛来し、ウォードッグ隊との交戦ですべて撃墜された。情報船は対空ミサイルを発射し、バートレット大尉機が撃墜され機体からベイルアウトした。オーシア軍は救助部隊を向かわせたが、既にバートレット大尉は離脱する情報船に囚われており救助に失敗した。彼は本戦争におけるオーシア軍初の捕虜となった。

同日12時00分頃、ユークトバニアはオーシアに宣戦布告した。オーシア政府は戦争状態に入ったことを一般報道した。なお、国防総省は兵士の生命を脅かす作戦に関しては報道しないという指針を出し、一部の報道内容は規制された[9]

ユークトバニア軍の攻勢

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9月27日12時00分頃の宣戦布告と同時にユークトバニア軍はセント・ヒューレット軍港に攻撃を仕掛け、停泊中のオーシア海軍第3艦隊と港湾施設に攻撃を加えた。港に停泊中の空母ケストレルからは艦載機が発艦し、サンド島空軍基地からもウォードッグ隊が急行した。ユークトバニア軍機は各所に攻撃を加え、湾全体は混乱状態に陥った。奇襲を受けたオーシア軍は大混乱に陥ったものの、戦闘機部隊の活躍でユークトバニア軍の航空攻撃を退けることに成功し、空母ケストレルを含む艦艇は湾外へ脱出した。湾外ではユークトバニア軍艦隊が封鎖線を構築していたが、オーシア軍艦隊は中央から突撃し封鎖線の強行突破を試みた。オーシア軍艦隊は封鎖線の突破に成功し、ケストレルは他空母のバルチャーとバザードとの合流を目指しベニオン海に向けて航行した。

同日19時30分頃、サンド島上空でユークトバニア軍とオーシア軍の間で空戦が発生した。ユークトバニア軍は爆撃機部隊によってサンド島空軍基地を空爆し、屋外駐機されていた機体の多くが炎上した。爆撃機部隊の第一波が過ぎ去った隙を突いて、直ちにウォードッグ隊がスクランブルに上がった。離陸したウォードッグ隊の迎撃によって爆撃機部隊は撃墜され、基地機能の完全な喪失は阻止された。

9月30日、ユークトバニア軍の攻撃を逃れた第3艦隊はオーシアの内海に当たるベニオン海で部隊を再編成すべく、イーグリン海峡で空母ケストレル、バザード、バルチャーが一堂に会した。オーシア軍は3隻の空母の合流および護衛を、ホエールバード作戦と命名していた。多数の戦闘機部隊が護衛についていたが、イーグリン海峡は既にオーシアの中庭と言っても良い地理であり、敵の航空攻撃可能圏外と考えられていた。イーグリン海峡に達した時点でオーシア軍は警戒を緩めつつあり、帰投を許可される護衛機も出始めていた。この状況下でユークトバニア軍は航空部隊によって奇襲を敢行し、ハリアー攻撃機F-35C戦闘機によって対艦攻撃を開始した。直ちに護衛任務中のオーシア軍機が迎撃に当たり、空母からも戦闘機部隊が発艦した。オーシア軍の間で一時的に混乱が走ったが、戦闘機部隊の迎撃によりユークトバニア軍機は全機が撃墜された。これを受けて、ユークトバニア軍の潜水空母シンファクシ弾道ミサイルを発射し、オーシア軍の艦隊上空で炸裂させた。使用された弾道ミサイルは散弾ミサイルと呼ばれるもので、空中で炸裂し高度約5000フィート(約1500m)以下にいる標的に対して絶大な破壊力を持つ兵器である。2回に渡って炸裂した複数の散弾ミサイルはバザードとバルチャーを含む艦船を撃沈し、高度約5000フィート以下にいた航空機を巻き込み撃墜に至らしめた[注 1]。空母の中でケストレルだけは被弾を免れたものの、2隻の空母含む艦船を失った第3艦隊の被害は甚大であった。

オーシア軍は水中聴音情報から弾道ミサイルは潜水空母シンファクシから発射されたものと断定した。オーシア軍はシンファクシを最大の脅威と判断し、アークバードの実戦投入を決定した。アークバードは宇宙清掃プラットフォームになっており、冷戦期の設計時点では機体下部に装備するはずだった弾道ミサイル迎撃用レーザー砲はオーシアとユークトバニアの協議により取り外されており、そのままではシンファクシへの対抗手段にならなかった。そのためオーシア軍はバセット国際宇宙基地のマスドライバー単段式宇宙輸送機(SSTO)を打ち上げてレーザーモジュールを送り、アークバードへの連結を試みようとした。一方でユークトバニア軍はかつてオーシア軍が開発していたものの、ベルカ戦争後に放棄されていた戦略衛星軌道砲(SOLG)の完成を脅威と見なしており、マスドライバー基地を占領するためバセット国際宇宙基地への攻撃を決定した。

10月3日、ユークトバニア軍はバセット国際宇宙基地を制圧するため、空挺戦車を搭載した複数のC-130輸送機と戦闘機部隊を展開させた。オーシア軍はこれを迎撃することを目的としたシルバーブリッジ作戦を開始し、マクネアリ空軍基地からウォードッグ隊が出撃した。降下に成功した空挺戦車は基地の各所にあるトーチカの突破を試みた。基地の防衛能力は脆弱で、わずかな地上軍と基地職員が反撃した。ウォードッグ隊の航空支援もあって空挺戦車はすべて破壊された。ユークトバニア軍は制圧を諦めて基地の破壊へと作戦を変更し、複数のB-2爆撃機が巡航ミサイルでマスドライバーの破壊を試みた。マスドライバーが攻撃に晒される中、基地の飛行実施責任者を務めるアダム・ギッテルマンはSSTOの打ち上げ決行を宣言した。打ち上げ準備が為される中、巡航ミサイルは戦闘機部隊によって迎撃され、ユークトバニア軍はマスドライバーの破壊に失敗した。SSTOは打ち上げられ、アークバードとの連結に成功した。アークバードはレーザー砲の装着によって弾道ミサイル迎撃能力が付与され、両軍の戦力差は拮抗することとなった。

10月4日、ユークトバニア軍は強襲揚陸艦を含む艦隊と航空部隊をサンド島に送り、島の制圧を試みた。オーシア軍は基地制圧の阻止を目的としたヴァンガード作戦を開始した。基地司令官のオーソン・ペロー大佐はサンド島所属部隊に全力出動を命じ、ウォードッグ隊に加えて練習生を含む戦闘機部隊を出撃させ、対艦攻撃に当たらせた。島の水際では敵の上陸集団を迎え撃つべく準備が進められた。

ユークトバニア軍艦隊に対して、オーシア軍の戦闘機部隊は対艦攻撃を試み、ユークトバニア軍の艦艇を多数撃沈した。一方で突破した揚陸部隊はサンド島への上陸を試み、サンド島守備隊との間で戦闘が展開された。また、ユークトバニア軍艦隊はサンド島に向けて艦砲射撃し、上陸部隊を支援した。

戦闘の最中、オーシア軍の戦闘機部隊に向けてシンファクシが弾道ミサイルを発射した。オーシア軍のAWACSが捉えた弾道ミサイルの第一射はアークバードにデータリンクされレーザーによって空中で破壊された。第一射の発射音でオーシア軍の対潜哨戒機もシンファクシの位置を概ね特定した。また、散弾ミサイルの恐れがなくなった戦闘機部隊は引き続き対艦攻撃に従事した。続いてシンファクシは第二射を発射したが、これもレーザーで破壊された。シンファクシはこれを受けてミサイルの飽和攻撃で対抗した。アークバードの迎撃により一部ミサイルは迎撃されたが、飽和攻撃を阻止しきれず一部の弾頭が炸裂し、オーシア軍の戦闘機部隊を襲った。AWACSの事前警告によりウォードッグ隊は高度5000フィート以上に上昇し回避に成功したが、練習生たちは追随できず大半が撃墜された。また、サンド島の沿岸部で激戦が繰り広げられていたため、対艦攻撃の手を緩めるわけにはいかず、ウォードッグ隊は散弾ミサイルが着弾する合間を縫って対艦攻撃を続けた。

一方でアークバードの乗員は抜本的な戦局打開を講じていた。アークバードは対潜哨戒機のソノブイデータを元に、海中にいるシンファクシに向けてレーザーを発射した。シンファクシは水中にいたにも関わらず、レーザー攻撃によってメインタンクを損傷し、潜航不能となり浮上を強いられた。直ちにシンファクシは艦載機を発艦させ、対空火器を展開しオーシア軍機に応戦した。また、散弾ミサイルを自艦周辺に発射しオーシア軍機を追い払おうとしたが、ウォードッグ隊はこれらの攻撃をかいくぐりシンファクシに攻撃を加えた。アークバードは再度シンファクシに向けてレーザーを発射し、艦載機発進口を破壊した。さらにウォードッグ隊の追撃を受けてシンファクシは轟沈した。シンファクシを失ったことでユークトバニア軍の揚陸部隊は撤退を開始した。

オーシア軍の反攻

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開戦直後から続いたユークトバニア軍の攻勢は衰えつつあった。平和主義で知られるハーリング大統領はユークトバニア首脳との対話を求めていた。ハーリング大統領はユークトバニア首脳との交渉のため、オーシア空軍機のC-5輸送機に搭乗し中立国のノースポイントに向かっていた。10月22日、大統領を乗せた輸送機はエイカーソンヒル上空を飛行していたものの、極秘任務として活動していたため味方の防空システムに敵味方の識別情報が伝わらずミサイル攻撃を受けた。ミサイルの直撃は避けられたものの、至近弾による機体の損傷により、輸送機の機長は残りの防空システムの位置が分からなくなってしまった。周辺で哨戒飛行をしていたウォードッグ隊は輸送機から救援要請を受け、防空システムの穴をかいくぐるように輸送機を先導した。

ハーリング大統領が輸送機で移動中であることはユークトバニア軍に漏洩していた。ハーリング大統領を抹殺するため、ユークトバニア軍機はエイカーソンヒルに向けて飛行し輸送機への攻撃を試みたが、迎撃に当たったウォードッグ隊によって退けらた。輸送機は先の被弾による影響で1基のエンジンが停止し、飛行が困難になりつつあった。さらに輸送機にはスパイが潜んでおり、コックピットに入り込み機長と副操縦士を銃撃した。スパイは直ちに射殺されたが、機長は死亡し、副操縦士は負傷した。操縦は大統領秘書官のトミーが代行したが、彼に航空機の操縦経験はなかった。加えてエンジンの2基目が停止し、輸送機は危機的状況に陥った。ウォードッグ隊のケイ・ナガセは通信で機体の操縦方法をトミーとハーリング大統領に伝え、なんとか飛行を維持させた。機体は不時着させることになったが、穀倉地帯の風車が障害物となったため、ウォードッグ隊がこれを破壊した。トミーは操縦の素人でありながら不時着を無事成功させた。

大統領機の不時着と時を合わせるようにオーシア軍の第8492飛行隊が飛来し、燃料の残りが少なくなっていたウォードッグ隊と入れ替わるように護衛を受け持った。その後、何者かによってハーリング大統領は拉致され、ベルカ領のシュティーア城に幽閉された。このハーリング大統領の拉致はエイカーソンヒル事件と呼ばれている[6]。以後、オーシアの政権運営は実質的にアップルルース副大統領が握った。大統領の意思表明とされるものはアップルルース副大統領を通じて行われ、軍縮に反対して退職していた軍人たちもオーレッドに集い復権し始めていった。

10月25日、地上から打ち上げられた補給物資に混入していた爆発物により、アークバードの動力部が損傷した。弾道ミサイルの迎撃は不可能となり、ユークトバニアとの戦力的均衡は崩れた。以後、アークバードはオーシア軍によって運用されることはなかった。

アークバードは実質的に機能を停止したが、以後も地上からSSTOの打ち上げが続けられており、時期は不明ながらも12月中旬までに灰色の男たちによって制圧され、搭乗していたオーシア人飛行士は捕虜となった。機体も修復された上で改造が施され、2つの無人機射出口が設けられた上でフォーゲル無人戦闘機が搬入された。また、打ち上げられたSSTOはSOLGを修復するための物資も含まれており、灰色の男たちの手によってSOLGの修復が進められていった。

11月1日、好戦派のアップルルース副大統領が政権を事実上掌握したことで、オーシア軍はユークトバニア本土侵攻作戦を決行し、バストーク半島への上陸を目的としたフットプリント作戦を開始した。バストーク半島のヴォルナビーチに向けて陸軍の4個中隊が揚陸艇で上陸を開始し、航空支援をウォードッグ隊が受け持った。オーシア軍は上陸に成功し、ウォードッグ隊の航空支援に支えられた各中隊は防御陣地を突破していった。ビーチの奥に控えていた要塞は陥落し、半島一帯はオーシア軍の支配領域に置かれた。また、ダーマ湖から東の沿岸部においてもオーシア軍は支配領域を確立した。オーシア軍は支配領域を広げ、バストーク半島から西に位置するヴァージュヌイを制圧し、北にも軍を進めていった[10]。大きな損害を受けたユークトバニア南部方面軍は撤退を開始した。ユークトバニア本土に上陸した後続のオーシア軍は浜辺に司令部を設けた。ユークトバニアにおける全権を大統領より委任されたと公言するハウエル将軍は、「我々は進撃し、ユークトバニアの首都を陥落させるまで戦いの矛を収めないだろう」と述べ、攻略目標をユークトバニア首都シーニグラードとした。

翌11月2日、ユークトバニア軍はE-767による電子防御の中で輸送機を使って撤退を進めており、オーシア軍はこれの追撃を目的としたハンマーブロー作戦を開始した。作戦に従事したウォードッグ隊はユークトバニア軍機の電子防御を見破り、輸送機とE-767を全機撃墜した。一方で、この戦闘の最中にオーシア軍機の間で一時的に強力な電子妨害が為され、ウォードッグ隊はAWACSや至近距離の僚機同士との通信が極度に困難となった。その隙に第8492飛行隊がドレスデネの工科大学機銃掃射を加え、避難していたユークトバニアの民間人に死傷者を発生させた。第8492飛行隊の行動はオーシア軍やユークトバニア軍に露見することなく進められ、オーシアにおいて民間人への攻撃の疑惑はドレスデネ付近で作戦行動中だったウォードッグ隊にかけられた。作戦終了後、ウォードッグ隊のパイロット全員がオーレッドの総司令部まで出頭を命じられた。また、同日にハウエル将軍は自らユークトバニア市民に対し危害を加えない旨を放送で述べていたものの、第8492飛行隊の行動によって発言の正当性は失われた。ユークトバニア軍は民間施設への無差別攻撃をオーシア軍によるものと捉え、オーシアの首都近辺の都市に対する報復攻撃を決定した。

11月4日、ウォードッグ隊員はオーレッドでの査問会に赴いた。彼らは自身の潔白を表明し、ジャミングが為される前に第8492飛行隊という部隊番号が無線で聞こえたと主張したが、審議官は第8492飛行隊なる部隊はオーシア軍には存在しないと述べ、ウォードッグ隊員の発言を退けた。

同日、査問会の最中にユークトバニア軍の特殊コマンド部隊がオーレッドに近いアピート市とバーナ市でテロ活動を開始した。首都管区空軍はユークトバニア本土侵攻作戦により稼働機が不足しており、特殊コマンド部隊への対処にはウォードッグ隊も参加することとなった。

ルートの変動

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エースコンバット5』の作中においてチョッパーに対するブレイズ(プレイヤー)の応答でルートが分岐する。ウォードッグ隊の参加作戦は上層部員のコイントスによって決められるが、ミッション10での応答によってコインの表裏が変わり、AルートとBルートに分岐する。いずれのルートでも11月7日の作戦(ミッション12Aおよび12B)をもってルートは統合される。どちらが正史ルートであるかは決まっておらず、開発時にアートディレクターであった河野一聡によれば、脚本を担当する片渕須直の提案でパラレルワールドになったとしている[11]

Aルート

11月4日20時頃、アピート市に向けて飛行するユークトバニア軍機が確認された。アピート国際空港では直ちに職員によって利用客の退避活動が開始され、空港に向けて飛行中の民間機への対応も始まったが、突然の事態に現地は混乱状態に陥った。ユークトバニア軍機を迎撃するため、オーシア軍はエメラルド作戦を開始しウォードッグ隊が出撃した。同時にバーナ市においてもテロ活動が行われ、別のオーシア軍機が対応に当たった。

既にこの時点でアピート国際空港にはユークトバニア軍の輸送機が駐機しており、空港管制官はこれをオーシア軍のものと誤認していた。輸送機からユークトバニア軍の特殊コマンド部隊が現れ、戦車や対空車両を搬出して空港に向けて攻撃を開始し、特殊コマンド部隊と空港警察の間で戦闘が発生した。上空では多数の民間機が着陸許可が得られず、一部の機は燃料の不足からダイバートを強いられた。ウォードッグ隊によって戦車や対空車両は破壊され、ユークトバニア軍機も撃墜された。特殊コマンド部隊は壊滅し、空港の占拠は免れた。また、バーナ市での化学兵器によるテロも中和剤の撒布により沈静化した。バーナ市で活動していた特殊コマンド部隊は空港制圧を試みた本隊との合流を試みたが、本隊の壊滅を知って逃走を開始した。オーシア軍はウォードッグ隊の奮闘を受けて査問を棚上げし、ユークトバニア本土攻撃の任務に再度充てがい、サンド島空軍基地へ帰還させた。

ダーマ湖の北に位置するドゥガーの密林地帯にはユークトバニア軍の武器弾薬を備蓄する秘密基地が存在していた。オーシア軍の見立てでは地上軍一個師団を一週間ものあいだ行動を可能にするほどの備蓄があると推測されていた。11月7日、この秘密基地に航空攻撃で打撃を与えることを目的としたスネークピット作戦が開始され、ウォードッグ隊が任務に当たった。秘密基地は山の中に位置していたが、トンネル内部に攻撃を受けたことで火薬類が次々に誘爆し基地は壊滅した。

Bルート

11月4日11時頃、バーナ市でユークトバニア軍特殊コマンド部隊によって混合神経ガスが撒かれ、街の各所で黄色いガスが蔓延した。同時にアピート国際空港でもユークトバニア軍が占拠を試みた。オーシア軍の首都管区空軍はバーナ市に撒かれた毒ガスの中和を目的としたウィズダム作戦を開始し、ウォードッグ隊が空中から中和剤を撒布して沈静化させた。ユークトバニア軍の特殊コマンド部隊はトラックで逃走し、バーナ市警がこれを追跡した。アピート国際空港を攻撃したユークトバニア軍はAH-64攻撃ヘリで特殊コマンド部隊の回収に向かわせたが、ウォードッグ隊によって撃墜された。特殊コマンド部隊はマービン橋でバーナ市警に包囲され降伏した。混合神経ガスによる死傷者は300人以上に上った。また、アピート国際空港を占拠したユークトバニア軍は継続的支援が絶たれたことで24時間後に壊滅した。オーシア軍はウォードッグ隊の奮闘を受けて査問を棚上げし、ユークトバニア本土攻撃の任務に再度充てがい、サンド島空軍基地へ帰還させた。

オーシア軍はソーンツァにユークトバニア軍の兵器生産施設が存在しており、新型兵器がロールアウトし輸送機による搬出が間近に迫っていることを掴んだ。基地は4重のレーダー網で守られており、各レーダー網はそれぞれ4ヶ所のレーダー施設で構成され、どれかひとつのレーダーが機能を停止すれば基地に通報が行くシステムとなっていたが、4ヶ所同時に破壊されれば基地までの通報が遅れるという欠陥を有していた。この情報を掴んだオーシア軍は、電子戦機によるジャミングで戦闘機部隊をレーダー施設まで接近させ、4ヶ所のレーダー施設同時破壊を4回に渡り成功させて電撃的に基地へ航空攻撃するという作戦を立てた。11月7日、オーシア軍は兵器生産施設の破壊を目的としたフォークダンス作戦を開始し、ウォードッグ隊が作戦に従事した。作戦は成功し、兵器生産施設間際にまで潜り込んだオーシア軍機に気付いたユークトバニア軍は輸送機の離陸を急がせたが、ウォードッグ隊によって撃墜され兵器生産施設も破壊された。

ラーズグリーズ

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11月7日までにオーシア軍はバストーク半島の全域を支配領域に置き、北西に進んだ軍はドレスデネやティーグル軍港を制圧した。また、ヴァージュヌイおよびダーマ湖の東を制圧していたオーシア軍は支配領域の拡大により両戦線の接続に成功した[12]。14日までにオーシア軍はソーンツァやリィバ湖周辺を支配領域に置き、西方でもドゥガーを支配領域に置いた[13]

ユークトバニア軍はアネア大陸北方のラーズグリーズ海峡に展開している潜水艦隊所属の潜水空母リムファクシによって、オーシア軍の海岸橋頭堡を弾道ミサイルで攻撃した。オーシア軍はすでに準備展開を終えており大きな影響はなかったが、オーシア軍にとって弾道ミサイル攻撃が脅威であることは間違いなかった。

リムファクシに弾薬を供給するため航行していた輸送潜水艦がオーシア軍の聴音探知によって発見され、その航路情報からリムファクシとの会合予定時刻が計測された。奇しくもその予定時刻はオーシア地上軍の大規模攻勢の開始と同時刻であった。オーシア軍はリムファクシの補給中を航空部隊で奇襲し撃沈することを目的としたロングハープーン作戦を立案し、ラーズグリーズ海峡に向けてウォードッグ隊を展開させた。

11月14日、ウォードッグ隊は空中給油を経つつ低空でラーズグリーズ海峡に飛行し、補給のため浮上していたリムファクシに攻撃を加えた。リムファクシは直ちに潜航したものの、弾道ミサイルの水中発射機能が損傷した。それと同時にオーシア地上軍が大規模攻勢を開始したため、ユークトバニア軍の潜水艦隊司令部はリムファクシに弾道ミサイル発射命令を出した。リムファクシは弾道ミサイルの水中発射ができなくなっていたため、浮上してからの発射を強いられた。弾道ミサイル攻撃は一定の成果を上げ、オーシア軍の突撃を一時頓挫させたものの、ウォードッグ隊はリムファクシに攻撃を加え、バラストタンクを損傷させたことで潜航機能を削いだ。リムファクシは海上でオーシア軍機と決着をつけることを決断し、艦載無人機を発艦させつつ散弾ミサイルをオーシア軍機に向けて使用したものの、ウォードッグ隊は散弾ミサイルの範囲を回避しつつ攻撃を加え、リムファクシを撃沈した。

リムファクシはラーズグリーズ海峡に展開していたことから、オーシア軍とユークトバニア軍の双方から、童話「姫君の青い鳩」に登場する悪魔であり英雄として有名な「ラーズグリーズ」と呼ばれる艦であった。この戦闘でリムファクシを撃沈させたウォードッグ隊は、その戦果や過去にシンファクシを沈めた実績からオーシア軍からは「ラーズグリーズ海峡の英雄」、ユークトバニア軍からは「ラーズグリーズの悪魔」と呼ばれた。以降のオーシア軍は各地で勝利を重ねたが、その一因としてはウォードッグ隊の活躍によってオーシア軍将兵の士気が上がっており、ユークトバニア軍将兵の士気が低下したからであった。

積極的攻勢に出たオーシア軍は戦線を前進させた。また、オクチャブルスク南東の半島において支配領域を広げた[14]。この攻勢の中でグルビナに捕虜収容所があることが発覚し、11月17日に捕虜救助を目的としたバックホール作戦が開始され、海兵隊と空軍の共同作戦により捕虜が救出された。この戦闘でウォードッグ隊に被撃墜機が発生し、海兵隊のヘリも豪雪により一機墜落したが、これらの搭乗員は翌11月18日に実行されたストレイシープ作戦によって救助された。11月25日までにオーシア軍は更に支配領域を拡大し、北方ではグルビナからオクチャブルスク南東の半島の戦線を接続し、北西ではジラーチ砂漠の間際まで進撃し、西方ではイクヴァタル市を支配領域に置き、南方のベルーサとの国境地域もほぼ支配領域に置いた[15]

ルートの変動

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ここで再度ルートが分岐する。ウォードッグ隊の参加作戦は前回と変わって自由に決めて良いとされるが、結局はコイントスによって決められる。ミッション15でのチョッパーに対するブレイズ(プレイヤー)の返答でAルートとBルートに分岐する。

Aルート

11月25日、オーシア軍はジラーチ砂漠に進撃した。ジラーチ砂漠北部においてオーシア軍はデザートアロー作戦を発動し、ユークトバニア軍野戦司令部の破壊と野戦飛行場の制圧を開始した。野戦司令部を破壊するため空軍の爆撃機部隊が向かい、野戦飛行場の制圧は陸軍の第1戦車大隊が担当し、両部隊の支援をウォードッグ隊などの航空部隊が担当した。ユークトバニア軍も地上軍に加え多数の航空部隊を繰り出したものの、オーシア軍機の攻撃によってオーシア地上軍の進撃を食い止められなかった。また、空中給油機とAWACSもウォードッグ隊によって撃墜された。オーシア軍はジラーチ砂漠一帯を制圧し、シーニグラードまでのルートを遮るクルイーク要塞に向けて進撃した。

Bルート

11月25日、オーシア軍はジラーチ砂漠に進撃した。ジラーチ砂漠南部においてオーシア軍はデザートブリッツ作戦を発動し、砂漠西部に位置する野戦飛行場と南部に位置する石油関連施設の制圧を開始した。野戦飛行場の制圧は陸軍の第2戦車大隊、石油関連施設の制圧は第3戦車大隊が担当し、両隊への航空支援をウォードッグ隊などの航空部隊が担当した。ユークトバニア軍は輸送機を使って空挺戦車をオーシア軍後方に展開させたり、石油関連施設に至る地点に要塞を敷設していたものの、オーシア地上軍は航空支援に支えられて進撃に成功した。ユークトバニア軍は川に戦艦ウポールやフリゲート、および川沿いに自走榴弾砲や自走ロケット砲を展開させ、オーシア地上軍に砲撃を加えたが、ウォードッグ隊によってすべてが撃沈・破壊された。オーシア軍はジラーチ砂漠一帯を制圧し、シーニグラードまでのルートを遮るクルイーク要塞に向けて進撃した。

ルートの統合後

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11月29日、アップルルース副大統領はノヴェンバー市のノヴェンバー国際スタジアムにて平和式典を実施した。式典に際して、ウォードッグ隊が警備を兼ねて武装した状態で展示飛行することとなった。この展示飛行はスーパーサーカス作戦と命名されていた。アップルルース副大統領は演説でユークトバニアに対する怒りを表明したが、副大統領の意に反してスタジアムに集った市民たちは次々に「The Journey Home」を歌い戦争継続への叛意を示した。

その最中にユークトバニア軍機がノヴェンバー市上空に侵入した。ユークトバニア軍機の目的は戦闘機部隊がオーシア軍機を排除した上で、F-117ステルス攻撃機によってスタジアムを爆撃することにあった。ユークトバニア軍はスタジアム防衛に携わっているのはウォードッグ隊の4機だけであることを掴んでいた。直ちにウォードッグ隊が迎撃に当たり、地上では副大統領と市民の避難が始まった。ノヴェンバー市に近いマクネアリ空軍基地ではスクランブルした機体が離陸に失敗し滑走路が塞がった。別の場所から増援の航空部隊が向かったが、AWACSが何者かによる電子妨害によって各航空部隊と通信が取れない状態に追い込まれ、その間に第8492飛行隊隊長のアシュレイ・ベルニッツはノヴェンバー市への空襲演習であると各部隊に吹聴し到着を遅らせた。ユークトバニア軍の攻撃と味方増援の遅れによりウォードッグ隊に戦死者が発生した。最終的にオーシア軍機の増援が到着したことでユークトバニア軍は撤退を開始した。アップルルース副大統領は専用車でスタジアムから脱出に成功し、民間人への被害も最小限に留まった。

ユークトバニア領において、オーシア軍はザカートを超えクルイーク要塞に到達した。また、オクチャブルスクにも迫る勢いを見せ、オクチャブルスク南東の半島もほぼ支配領域に置きムルスカ空軍基地を制圧した[16]。12月1日、オーシア軍はクルイーク要塞に向けて攻撃を開始した。オーシア地上軍は2度に渡り要塞に攻撃を加えたが、要塞の強力な防空網により航空支援に当たった部隊は打破され、地上軍は要塞への侵入すらできなかった[17]。地上軍の攻撃は頓挫し、5日間に渡って膠着状態にあった。12月6日、オーシア軍は3度目の攻勢にウォードッグ隊を参加させ、要塞突破を目的としたドゥードゥルバグ作戦を開始した。ウォードッグ隊は人員補充がされず3機で作戦に当たったが、その実力を存分に発揮し、要塞内外のトーチカや戦車などを次々に破壊し、オーシア地上軍はクルイーク要塞の突破に成功した。

ウォードッグ隊の逃亡

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灰色の男たちはこの戦争がオーシア軍優勢のまま進むことを懸念していた。クルイーク要塞の陥落によってシーニグラードへ至るルート上には市街地しかなく、このままでは戦争はオーシアの勝利に終わり、戦争の長期化が望めないからである。灰色の男たちはオーシア軍優勢の原因をウォードッグ隊にあると考えており、クルイーク要塞から帰投中のウォードッグ隊を直接攻撃し抹殺を試みた。第8492飛行隊がウラジミール山脈上空を飛行中のウォードッグ隊を引率し、電子妨害でAWACSとの連絡を絶った上で多数の戦闘機部隊によってウォードッグ隊に強襲を仕掛けた。灰色の男たちによる直接攻撃は失敗し、ウォードッグ隊は包囲を突破してサンド島空軍基地に帰還した。ウォードッグ隊パイロットは灰色の男たちの機体から流れた通信を聞いて、本戦争にベルカ人の関与があることを確信した。

一方でサンド島空軍基地でも動きがあった。サンド島空軍基地の副司令官を務めるアレン・C・ハミルトン少佐は過去に第8492飛行隊への派遣将校を務めていた人物であった。彼は好戦派の軍人である基地司令官のペロー大佐に讒言し、ウォードッグ隊のパイロットをユークトバニアのスパイであると信じさせた。

ペロー大佐はもともとウォードッグ隊に不信感を抱いていた。宣戦布告前までウォードッグ隊隊長だったバートレット大尉はベルカ戦争時にユークトバニア陸軍情報部のナスターシャ・V・オベルタス少佐と恋仲にあり、それがペロー大佐が不信感を抱く原因になっていた。また、バートレットはユークトバニア軍の捕虜になった後、自力で脱走してユークトバニア国内の反政府レジスタンスと合流しており、グルビナの捕虜収容所に彼の姿はなかった。バートレットの脱走後に収監されたオーシア軍の捕虜たちは当然ながらバートレットの姿を見ていないと報告し、ペロー大佐の不信感は強まることとなった。加えてバートレット大尉のベルカ戦争時に撃墜された際における不審行為が発覚した。B7Rでの空戦でバートレット大尉はベルカ軍機によって撃墜されたが、その際に核兵器を国内で使うことに反発して戦闘機を強奪し、混戦の最中にあるB7Rに逃亡し現地で撃墜されたベルカ軍パイロットのウォルフガング・ブフナー大佐と出会い、彼を連れて味方の前線まで帰還した。バートレット大尉はオーシア陸軍に対しブフナーを自身の編隊員であると説明した。当時のオーシア軍はベルカ軍の電磁兵器によって情報が錯綜していたこともあり、バートレットの説明を信じてブフナーを味方として扱った。以後、ブフナーはピーター・N・ビーグルという偽名で活動し、サンド島空軍基地で航空機の整備兵になっていた。こうした情報によりペロー大佐はバートレット大尉をスパイと断定し、ビーグル特務少尉および、彼と親しくバートレットの教え子でもあるウォードッグ隊のパイロットをスパイと認定した。

12月7日1時30分頃、サンド島空軍基地に帰還したウォードッグ隊パイロットはビーグルと共に第8492飛行隊およびベルカ人が戦争に関与していることを伝えるため、ペロー大佐とハミルトン少佐に向けて報告しようとしたものの話し合いは破綻した。ペロー大佐は警報を鳴らし、警備隊員に逮捕および実弾の使用許可を命じた。3時20分頃、ウォードッグ隊パイロットのブレイズ、ケイ・ナガセ、ハンス・グリム、整備兵のピーター・N・ビーグル、報道班員のアルベール・ジュネット、犬のカークは、警備が薄かったC格納庫から練習機ホークT.1Aに乗って基地から脱出した。

ハミルトン少佐はオーシア軍の各航空部隊に練習機の撃墜を命じた。ウォードッグ隊は北に逃れソロ島上空に達した。7時00分頃、第8492飛行隊はソロ島上空を飛行中のウォードッグ隊を捕捉したが、ソロ島が発する地磁気の乱れによってレーダーでウォードッグ隊を捕捉できなくなった。ウォードッグ隊は島のトンネル内を飛行したことで、一時的に第8492飛行隊を振り切った。その後、トンネルから脱出した一行を空母ケストレルから発艦したマーカス・スノー大尉が搭乗するF-14A戦闘機が捕捉し、全機を撃墜した。また、AWACSや第8492飛行隊も撃墜される様子をレーダー上で捉えた。8時20分頃、海兵隊のヘリ部隊であるシーゴブリン隊によって練習機の残骸が確認され、搭乗員の全員死亡を伝えた。公式にはウォードッグ隊のパイロットはこれをもって全員死亡したとされるが、実際にはスノー大尉のF-14Aから事前にベイルアウトするよう発光信号を受けており、全員が撃墜される前にベイルアウトし、シーゴブリン隊によって救助されケストレルまで移送されていた。

ケストレルの艦長を務めるニコラス・A・アンダーセン大佐は、通信情報艦アンドロメダが捕捉したベルカ語の暗号文から、今戦争におけるベルカ人の関与を知っていた。ケストレルはすでに数々の戦闘で艦載機とパイロットをほぼ失っており、カーウィン島で停泊を続けていた。だがウォードッグ隊一行を救助したことと、グランダー社がユークトバニアに密輸しようとサンド島空軍基地にあった戦闘機を搭載した船舶を拿捕したことによって戦闘機が運用できるようになった[18]。以降、ケストレルを中心とした艦隊は、ユークトバニア本土侵攻軍とは別に独自の行動を見せるようになる。

ユークトバニア本土での戦い

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オーシア軍は将兵から英雄視されていたウォードッグ隊が戦場から姿を消したことで士気が低下し、シーニグラードの目前に迫りながらも首都攻略は頓挫した。12月9日時点でユークトバニア軍はシーニグラードに迫るオーシア軍の後方を遮断するようにクルイーク要塞後方を北と西から挟み込む動きを見せ[19]、16日時点でオーシア軍はクルイーク要塞後方を塞がれユークトバニア軍に包囲されたものの[20]、29日時点で包囲を破り後方を確保した[21]。オーシア軍はシーニグラードの攻略を成功させることなく31日に終戦を迎えた。

ザカートから北東部では12月9日までにオーシア軍は支配領域を広げることに成功し、終戦まで概ねこれを維持した[19][22]

12月6日時点では維持されていたユークトバニア領中部から南西部にかけての戦線は9日時点で大きな動きを見せていた。イクヴァタル市から西にかけてオーシア軍は一気に支配領域を広め、南西の一部では国境まで達し南西部のユークトバニア軍を孤立させた[16][19]。中部のユークトバニア軍は一部失地を奪還したがその後膠着状態が続き、イクヴァタル市まで到達できず31日に終戦を迎えた。孤立した南西部のグニズド周辺のユークトバニア軍は南西の国々との国境間際まで追い詰められたが、そのまま31日に終戦を迎えた[22]

北東部のユークトバニア軍は12月16日までにオクチャブルスク南東の半島の北部を奪還しつつ、さらに南方のソーンツァ方面へ進撃した。22日までにソーンツァ一帯を奪還したが[23]、そのまま31日に終戦を迎えた[22]

ベルカ事変

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通信情報艦アンドロメダはハーリング大統領がベルカ領のシュティーア城に囚われているという情報を傍受した。12月9日、ケストレル艦隊はこれを受けて、ウォードッグ隊およびスノー大尉によって編成された4機で構成される戦闘機部隊と、海兵隊のシーゴブリン隊によって、ハーリング大統領救出を目的としたキーノート作戦を決行した。

シュティーア城に敷設されていた対空陣地は戦闘機部隊によって排除された。シュティーア城内に突入したシーゴブリン隊は無事にハーリング大統領を救出した。灰色の男たちは戦車や戦闘機を繰り出して妨害したが、ケストレル艦隊の戦闘機部隊によって排除され、シーゴブリン隊は離脱に成功した。ケストレルまで移動したハーリング大統領は、ウォードッグ隊とスノー大尉による混成部隊を「ラーズグリーズ隊」と命名し、大統領直属の戦闘機部隊とした。彼らが駆る戦闘機は黒色で塗装され、以後の戦闘でかつてのウォードッグ隊に似た鋭い機動を見せたことからオーシア軍やユークトバニア軍、灰色の男たちから「ラーズグリーズの亡霊」と呼ばれるようになる。

ユークトバニアでは軍事政権と化した政府に不満を抱き、反政府レジスタンスが結成されていた。レジスタンスには多様な人物が揃っており、知識人学生に加え一部の軍人も加わっていた。レジスタンスはユークトバニア空軍の航空管制通信に、緯度経度・日時、およびハーリング大統領の過去の選挙得票数を仕込んでおり、アンドロメダがこれを傍受した。ハーリング大統領はこれを自身に宛てた通信であると理解した。緯度や経度はベルカ領内のシルム山を指しており、日時は12月11日を指していた。また、アンドロメダはベルカの暗号を解読しシルム山の麓に位置するイエリング鉱山が稼働していることを掴んだ。この鉱山はベルカ戦争で使われたV1戦術核兵器が封印された場所であった。

12月11日、ケストレル艦隊はイエリング鉱山の偵察を目的としたシルバーアイ作戦を開始した。偵察には武装をすべてカメラに換装したラーズグリーズ隊の1機が担当し、退避の際に援護できるよう他3機も出撃した。偵察を担当した機はシルム山周辺のレーダー網を回避しつつ飛行し、ベルカ側に気付かれることなくイエリング鉱山に到達した。鉱山施設付近の飛行場ではV1およびC-5輸送機の姿と、オーシアの国籍マークを施した第8492飛行隊と、ユークトバニアの国籍マークを施したオヴニル飛行隊の機体が並んでいる姿が確認され、写真として撮影された。第8492飛行隊とオヴニル飛行隊は迎撃を試みたが、ラーズグリーズ隊の援護機が到着したため追撃を諦めた。

灰色の男たちがV1を掘り起こしていたことを受けて、翌12日にラーズグリーズ隊は鉱山入り口の破壊を目的としたディープシックス作戦を開始し、鉱山の岩盤を攻撃し崩落させた。核兵器のこれ以上の搬出を防ぐことに成功したが、既に少なくとも2発の核兵器が掘り返されており、1発はユークトバニア領内に輸送され、もう1発はマスドライバーを経由してアークバードに輸送された。

レジスタンスはケストレル艦隊に向けて暗号通信し、ユークトバニア領北部のパイヴリェーニヤ渓谷を指す座標と、無線の周波数を送った。12月16日、ラーズグリーズ隊はリバーベッド作戦を開始しその座標に向けて飛行した。ユークトバニアに移送された核兵器はレジスタンスによって強奪され、パイヴリェーニヤ渓谷の洞窟で解体作業が行われていた。ユークトバニア軍は捜索部隊を差し向け、渓谷の各所でレジスタンスを探していた。現地に到着したラーズグリーズ隊は指示された無線の周波数で通信し、レジスタンスと連携が図られた。ラーズグリーズ隊はユークトバニア軍の捜索部隊を撃破し、増援としてやってきたオヴニル飛行隊も全機撃墜した。レジスタンスは核兵器の解体に成功し、ばらばらにした上で潜水艦から海中に投棄した。

アンドロメダは再びベルカの暗号指令を掴み解読した。アークバードが14時にオクチャブルスクへの核攻撃を企図していることを掴み、軌道観測によって事実であることが確認された。アークバードがオクチャブルスクに向かうには一度だけ高度を落とし、大気摩擦によって進路を変更させる必要があり、ケストレル艦隊はその時刻と座標を割り出した。12月19日、ケストレル艦隊はゲームバード作戦を開始し、ラーズグリーズ隊はアークバードが高度を落とすと推測される座標に向かって飛行した。場所はセレス海上空、ホリスターから西、エイカーソンヒルから北の地点であった。

アークバードは灰色の男たちによって占拠されており、オーシア人飛行士のジョン・ハーバードが捕虜になっていた。彼は制御装置に細工をしており、アークバードが大気摩擦を利用する際に進入角度を深くするように設定していた。ハーバードはカプセルで脱出すると共に、アークバードは深い角度で大気圏進入を余儀なくされ、灰色の男たちの想定より高度を落とす結果となった。その状態でラーズグリーズ隊の攻撃を受けたアークバードは無人戦闘機フォーゲルを発進させ、弾道ミサイル迎撃用レーザー砲や隕石除去用装備を用いて抵抗した。ラーズグリーズ隊による攻撃でアークバードのロケットブースターは破壊され、オクチャブルスクへの飛行が困難となった。アークバードは複合サイクルエンジンを使用して、距離が近いオーシア領を目指して南へ転進した。ラーズグリーズ隊は複合サイクルエンジンも破壊したが、アークバードはなお抵抗し補助エンジンを使用して飛行を試みたが、これも破壊され、アークバードはセレス海に墜落した。奇跡的にも落下地点を航行中の船舶はなく、放射線の拡散も見られなかった。脱出したハーバードはカプセルと共に洋上を漂い続け、12月30日には洋上を漂うカプセルとそれに乗る彼の姿が撮影されている[24]

ハーリング大統領は何度となくオーシア国民に向けて放送していたが、それらはアップルルース副大統領と軍部によって敵による謀略として封殺された。これを受けてハーリング大統領は海兵隊と共に首都オーレッドまで向かった。

ユークトバニアではレジスタンスによってニカノール首相が救出された。レジスタンスはケストレル艦隊と連携を取り、パビエーダ半島のクルーオ飛行場からニカノール首相を脱出させる計画を進めた。12月22日、レジスタンスはバートレット率いるニカノール首相移送部隊と、クルーオ飛行場で輸送機を奪取する別働隊が活動を開始した。ラーズグリーズ隊はクロスロード作戦を開始し現地に向かい、ユークトバニア軍の検問所を破壊しニカノール首相移送部隊を支援した。ニカノール首相移送部隊は無事にクルーオ飛行場に達し、C-1トレーダー輸送機を奪取した。これを妨害するため第8492飛行隊が飛行場上空に侵入したが、ラーズグリーズ隊との交戦により全機が撃墜された。ニカノール首相と共にケストレルと合流したユークトバニア陸軍のオベルタス少佐は、灰色の男たちに関する情報が入っているディスクを入手しておりケストレル艦隊ではディスクの解析が進められた。

12月29日、セレス海でケストレル艦隊とユークトバニア軍の空母アドミラル・ツァネフなどで構成される艦隊が対峙し、セレス海海戦が勃発した。ユークトバニア軍の艦艇は18隻に上り、対して戦闘に参加したケストレル艦隊は5隻であった。ニカノール首相はユークトバニア軍艦隊に向けて自身がケストレル艦上にいることを通信で述べたが、ユークトバニア軍の艦隊司令官はニカノール首相を祖国に対する敵と見なし全艦に攻撃を発令した。フリゲートのピトムニク乗員は戦闘の中止を訴え、艦隊正面に移動し進路を塞ぐ動きを取ったが、艦隊司令官は全艦にピトムニクへの砲撃命令を発し、各艦から砲撃を受けたピトムニクは轟沈した。僚艦の撃沈を命じた艦隊司令官に対してユークトバニア軍艦隊の中でも動揺が走り、ミサイル駆逐艦グムラクはニカノール首相の保護を主張し率先して艦隊から離脱した。続いてミサイル駆逐艦チゥーダ、ドゥープが離脱しケストレル艦隊との合流を目指した[注 2]。ケストレル艦隊はこれらの艦艇を守るためグローリーホーン作戦を開始し、ラーズグリーズ隊が発艦した。また、ニカノール首相はオーレッドに向かい、ハーリング大統領との合流を目指した。

ユークトバニア軍艦隊はラーズグリーズ隊の攻撃によって、離反した艦を除き全艦が撃沈された。戦闘の最中にオーシア軍の空母バーベットなどで構成される6隻の艦船も接近していたが、オーシア軍艦隊はニカノール首相が発した通信を傍受しており、ケストレル艦隊をユークトバニアと手を組んだ裏切り者と見なし攻撃を加えた。ケストレル艦隊はこれに抵抗し、ラーズグリーズ隊によって全艦が撃沈された。三つ巴の戦闘に勝利したケストレル艦隊はオーシアとユークトバニア両軍の混成艦隊を編成した。

終戦

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オベルタス少佐が持ってきたディスクの解析が進められた結果、V2戦略核兵器に関する情報が判明した。V2は1995年に国境無き世界が使用した試作型の完成版で、一発のミサイルから複数の核弾頭に分離し多数の都市への核攻撃を可能とする個別誘導複数目標弾頭(MIRV)であり、グランダー社によって極秘裏に完成していた。V2はいつの間にか稼働を再開していたSOLGに搭載されているものと予想された。SOLG自体は無人で、地上から管制を受ける。アークバードに通信を発していたのがグランダー社の本社が位置するスーデントールであり、実験施設と称して掘削された南北ベルカを繋ぐトンネルの中に管制システムがあることが判明した。

12月30日、ケストレル艦隊はスーデントール強襲の準備中にあった。この作戦はウィンターストーム作戦と命名されていた[25]。準備の最中に、何らかの勢力の潜水艦によってケストレルが対艦ミサイル攻撃を受けた。対艦ミサイルは2発着弾し、艦が傾斜する中でアンダーセン大佐は退艦命令を発すると共に、ラーズグリーズ隊の発艦を強行させた。ラーズグリーズ隊は発艦に成功し、スーデントールに向けて飛行した。ケストレルは撃沈させられたものの、攻撃を加えた潜水艦も反撃を受けて轟沈した。

同日22時00分、ハーリング大統領とニカノール首相はオーレッドのブライトヒルでテレビ演説を始めた。両国首脳は、本戦争を策謀する者がいるとし兵士たちに武器を捨てるよう述べ、大量破壊兵器がどちらかの国に使用されようとしていることを説明した。両首脳はスーデントールに向かっている飛行隊を援護することを求め、これを受けてオーシア軍とユークトバニア軍のそれぞれの融和派と好戦派がスーデントールに集い始めた。グランダー社は両国の好戦派に対してV1の提供を見返りに協力を仰ぎ、融和派の連合軍に抵抗した。一方で両国首脳の演説が本物かどうか分からず、困惑する将兵もいた[24]

同日22時20分頃、両国首脳の演説を聞いた両国軍の融和派がラーズグリーズ隊と合流し始めた。融和派の連合軍の間ではユークトバニア軍のAWACSがケストレルから退艦したビーグルと連絡を取り合い、直ちに作戦を練られた。作戦の要項としては、コントロール施設とトンネル入口の制圧が目的となり、空挺部隊によるコントロール施設周辺の確保と、地上軍によるコントロール施設制圧が目指された。空挺部隊と地上軍を支援するための航空支援を両国空軍部隊が担う。地上軍によってトンネルの入口が開放された後は戦闘機が突入し、内部の管制システム中枢部を破壊するという算段であった。ただし中枢部は2ヶ所あり、トンネル片側からの突入では1ヶ所しか破壊できない場所にあったため、オーシア領側とベルカ領側の両方から突入する必要があった。

両国の好戦派は双方共に敵と認識しており、本来ならばとても連携できる状態にはなかった。しかしオーシア軍のハミルトン少佐は自ら戦闘機を駆り、機上でラーズグリーズ隊に対する怨嗟を通信上で述べると、両国の好戦派はこれに同調しラーズグリーズ隊を共通の敵と見なして結託した。

スーデントールの戦いはオーシアの報道機関やユークトバニアのサユース通信などによって一般報道された。

灰色の男たちはSOLGを使用して地上に砲撃を加え、融和派の連合軍に出血を強いたものの、融和派は地上施設の制圧に成功しトンネルの入口を開放した。オーシア領側からはラーズグリーズ隊が突入し、それを追撃するためハミルトン機が突入した。ベルカ領側からはバートレット機が突入し、それを灰色の男たちの戦闘機が追撃した。SOLGコントロールシステムの2ヶ所の中枢部はラーズグリーズ隊とバートレット機によって破壊された。

SOLGは地上からの管制が途絶えると自動で地上に落下するようプログラムされていた。12月31日4時頃、オーシアの天文学者たちが地上に落下し始めるSOLGを観測し、落下予測地点をオーシア軍に伝えた[24]。4時45分、オーシア海軍のレーダーでもSOLGの落下を捕捉した。SOLGの落下予測地点はオーレッドであり、オーレッド到達前にSOLGを破壊することを目的としたアルカディア作戦が開始された。5時20分頃、オーレッドに通ずる高速道路がラーズグリーズ隊の離陸地点とするため陸軍によって封鎖された[24]。和平放送での歌が途切れた頃、世界中の通信回線が次々と途絶えたとされる[24]。6時00分頃、ラーズグリーズ隊が高速道路から離陸してオーレッド北西から落下中のSOLGの破壊に向かった。ラーズグリーズ隊の管制は先のスーデントールの戦いから引き続き、ユークトバニア軍のAWACSが担当した。第8492飛行隊とオヴニル飛行隊がラーズグリーズ隊を妨害したものの、ラーズグリーズ隊との戦闘で全機が破壊された。ラーズグリーズ隊はSOLGの中枢部を破壊し、SOLGはオーレッド湾上空で爆発した。これをもって環太平洋戦争(ベルカ事変)は終結した。

戦後処理

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ハーリング大統領とニカノール首相は、それぞれ国家元首としての地位を再び確立した。ニカノール首相は2011年4月に再任され、政権を維持した。ハーリング大統領とニカノール首相は戦前の宥和政策を再開し、両国間の完全な関係改善を目指した。その一手として第三次戦略兵器削減条約(START-3)が締結され、核兵器などの戦略兵器の削減が目指された。[26]

今戦争に関する情報の多くは公表が差し控えられた。一般市民にはラーズグリーズ隊が何物であるかについてほとんど説明されなかった。ユークトバニア軍のシンファクシやリムファクシも事故による沈没であるとされた[26]アークバードの墜落に関してもオーシア政府は言明を避けた[24]。SOLGの落下も12月に発生した磁気嵐の影響による事故と説明された[3]。ただし一部の情報は流出し、ケストレル沈没地点から東に位置するオーシア西海岸のホリスター沖に漂着した一枚の機密文書には、ハーリング大統領が直属の戦闘機部隊にオクチャブルスクへ向かうアークバードの撃墜を命じていたことが書かれていた。また、この文書には「Kei.N」とサインされており、ラーズグリーズ隊とウォードッグ隊を同一視する根拠のひとつとなった[27]

一般には灰色の男たちという組織名は伏せられ、本戦争はベルカ公国強硬派の残党による工作活動で発生したものとされた。人々の間ではベルカ人は混乱の源であると声高に主張する論調が強まったが、オーシアとユークトバニアの両政府は非難されるべきは特定党派であるとし、特定の人種民族に対する差別には厳しい措置をとった。それでもベルカ人に対する差別感情の完全な払拭には至らず、後の灯台戦争においてエルジア軍によるベルカ系民間人の虐殺が発生する一因となった。[3]

ハーリング大統領は2013年の連邦最高議会において、環太平洋戦争(ベルカ事変)についての全報告書を2020年に公開する事を表明した。情報公開表明の宣言の中でハーリング大統領は「この事変を総括するには残念ながら私たちは時を待たねばならない」と述べている[28]。大統領の宣言に関して、大統領府や情報局も情報公開を国民に確約した[29]。2013年3月に環太平洋戦争に関する機密指定文書自動解除の行政命令が下され、同年4月1日に発効した。機密指定には最高機密、極秘、秘の3段階があり、最高機密は作成から2年後に極秘、極秘は2年後には秘に格下げされ、秘は3年で機密指定を解除される。情報は各指定ごとに段階的に解除され、最高機密に指定されていた文書は2020年4月に情報自由法に基づいて開示請求が可能となり、2000ページにおよぶ文書ファイルが情報安全保障監督局のデータベース上で閲覧可能となった。安全保障上の理由などにより適用除外もあり、開示された報告書には検閲され黒塗りにされた箇所も相当数あった[3]

2020年4月、最高機密に指定されていた文書が開示された。シンファクシとリムファクシはオーシア軍機による対艦攻撃を受けて撃沈されたことや、アークバードはテロリストの工作を受けユークトバニア本土への飛行中にオーシア軍機によって撃墜されたこと、SOLGはテロリストの工作によりオーシア本土への落下コースにあったがオーシア軍機により首都上空で破壊されたこと、灰色の男たちの詳細な組織構造、大統領直属の特殊部隊の存在があったことが公開された。これにより従前より公表されていた戦略兵器群の喪失理由はカバーストーリーであることが公知のものとなった。また、灰色の男たちと呼ばれるテロネットワークの存在も明確になった。ラーズグリーズ隊に関する記述は検閲を受けており、名称や規模、構成員、編成前の所属、その後の処遇など一切が公開されなかった。[3]

どの段階の機密に指定され、いつ公開された情報かは不明ではあるが、ユークトバニア軍のオベルタス少佐が入手した機密文書が公開され、V2核弾頭の存在や、それをグランダー社が開発を続行していたことに加え、ベルカの手に落ちたSOLGに搭載されたことが明かされた[30][31]

灰色の男たちは戦後も活動を続け、2019年に勃発した灯台戦争においても彼らの暗躍が存在した。グランダー社は事業を継続し、引き続きオーシア軍に武器の納入を続けた。社長のソラーレ・オストベルグは勾留されたものの、2011年に勾留中死亡した[3]。外国に対する兵器の販売や技術提供は続けられており、エルジアとはX-02戦闘機の改修を共同で担い、無人戦闘機の技術に加えて、最高機密に相当するオーシアの敵味方識別装置(IFF)に関する情報も提供した。グランダー社に対する本格的な制裁措置は灯台戦争を経た2020年初頭から始まる国連の介入を待たなければならなかった[3]

本戦争で重要な役割を果たしたニコラス・A・アンダーセン大佐は英雄的扱いをされた。彼は提督と呼ばれる地位にまで昇進した後に退役し、数年後に死去した。後に建造された海軍の英雄の名を冠する事とされた新型空母群の一番艦は「アドミラル・アンダーセン」と命名された。[32]

ラーズグリーズ

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ラーズグリーズ(Razgriz)」とは、世界各地で広く読まれている童話「姫君の青い鳩(A Blue Dove for the Princess)」に登場する黒衣の悪魔の事である。この本の著者はエリアノ・グラウン、挿絵はアルノー・ベステルである[33]。ラーズグリーズはアネア大陸北部に伝わる伝説ともされ、この地の海峡が「ラーズグリーズ海峡」と呼ばれるようになった[34]。また、ラーズグリーズは「計画を壊す者」を意味する[35]。童話の中で、ラーズグリーズは次のように語られている。

歴史が大きく変わるとき、ラーズグリーズは現れる。
はじめは、漆黒の悪魔として。
悪魔は、その力もって地上に死を振り注ぎ、やがて死ぬ。
しばしの眠りの後、再び現れる。英雄として現れる。

環太平洋戦争において、ラーズグリーズ海峡に展開していたユークトバニア軍の潜水空母リムファクシはオーシア軍から「ラーズグリーズ」と呼ばれており、リムファクシの乗員も自らを「ラーズグリーズ」と称していた。リムファクシが搭載する散弾ミサイルの破壊力は絶大で、オーシア軍将兵にとってはまさに「悪魔」そのものであった。だがシンファクシとリムファクシを撃沈せしめたウォードッグ隊の戦闘力に恐れをなしたユークトバニア軍将兵は、ウォードック隊を「ラーズグリーズの悪魔」と呼んで恐れ、オーシア軍将兵の間にもその異名は広まり「ラーズグリーズ海峡の英雄」や「ラーズグリーズの英雄」と呼ばれるようになった[36]

ウォードッグ隊の3番機を務めたアルヴィン・H・ダヴェンポート大尉がノヴェンバー市の戦いで戦死した後はパイロットが補充されず3機編成で作戦に参加した。3機編成でもウォードッグ隊はクルイーク要塞攻略に多大な貢献を残し、オーシア軍がシーニグラード近辺にまで到達する原動力となった。だがあまりにも多大な戦果を重ねていった彼らは、両国の疲弊を求め戦局の膠着状態を目論む「灰色の男たち」からしてみれば、オーシアを勝利に導きかねない危険な存在であった。灰色の男たちは工作活動で彼らをスパイに仕立て上げ抹殺を企図したものの、ウォードッグ隊は練習機を奪取しサンド島基地から脱出した。ウォードッグ隊はセレス海で空母ケストレルから発艦したF-14A戦闘機によって撃墜されたが、事前にF-14Aから発光信号でベイルアウトを指示されており、脱出したパイロットたちはケストレルと行動を共にしていた海兵航空隊によって救助された。その際にパイロットたちは死亡したとする偽の報告がなされ、公式にはウォードッグ隊の消息はここで絶たれた。

ウォードッグ隊のパイロットたちは灰色の男たちの活動を知っていたニコラス・A・アンダーセン艦長が指揮するケストレルの部隊となり、自らをラーズグリーズ隊と名乗り、灰色の男たちの謀略を打ち砕くため、黒い塗装と悪魔(魔女)のエンブレムを施した4機編成の戦闘機部隊で活動した。彼らの卓越した戦闘能力はウォードッグ隊と符合する点が多く、対峙した灰色の男たちやユークトバニア軍、オーシア軍の間で彼らは「ラーズグリーズの亡霊」と呼ばれるようになった。一度姿を消した部隊が再び現れて戦争終結へと導く様子は上述の「姫君の青い鳩」の一節と奇妙に一致し、それ故に人々の心に残り伝説的扱われ方をされた[36]

戦争終結後もウォードッグ隊とラーズグリーズ隊が同一部隊であったとする説は根強く残っている。だが、サンド島飛行隊について入手可能な情報が極めて少ない事と、ラーズグリーズ隊の消息が不明なため、詳細は不明なままとなっている[36]。このため、一連の戦争は讃えるべき者がいないため「謳われない戦い(The Unsung War)」と呼ばれるようになった[36][37]。一方で、ウォードッグ隊とラーズグリーズ隊との交戦経験を持つパイロットの証言や、大統領筋からラーズグリーズ隊のひとりは女性であることが明かされたことに加え[38]、ウォードッグ隊パイロットのケイ・ナガセが「姫君の青い鳩」を携帯していたことや、ホリスター沖で発見された作戦指令書も合わせて、専門家の間でも両部隊を同一視する者もいる[39]

2014年7月にはOBNジャーナルにて「英雄 悪魔 そして亡霊― ベルカ事変における謎の英雄達」というラーズグリーズについて取り上げた記事が掲載された[28]。2020年には最高機密文書の公開によって黒塗りにされた箇所の文字数や前後の文脈から少数のグループが特定の目的に動いていることが推測されており、これまで公開された極秘や秘に分類されていた資料と併せて民間の間で研究が進められている[3]

ラーズグリーズ海峡

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ラーズグリーズ海峡(Razgriz Straits)は、アネア大陸の北に存在する流氷に覆われた海峡である。この海峡より西側がエメリア領、東側がエストバキア領となり、付近にはラーズグリーズ海峡と外海の北極海を隔てるソーン島などの島々が存在する。

この海峡では本戦争でオーシア軍のウォードッグ隊とユークトバニア軍のリムファクシからなる潜水艦隊との間で戦闘を繰り広げられたが、エメリア・エストバキア戦争においてもラーズグリーズ海峡のシャンデリアでエメリア軍とエストバキア軍の戦闘が起きている[注 3]

脚注

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注釈

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  1. ^ 空母バルチャーは『エースコンバット7』にも登場しているが、本戦闘でダメージを受けたバルチャーを浮揚修理したものか、新造された同名艦かは不明である。
  2. ^ 『エースコンバット5』作中においてブイストルイとブードゥシシイも離脱したことが通信上で述べられるが、この行動はゲーム内では反映されずプレイヤーは先の3隻を除いた15隻を撃沈する必要がある。
  3. ^ ただし、エースコンバット6においては、ブリーフィング時に表示される地図を含め、単に「ソーン島」とのみで表現されており「ラーズグリーズ海峡」の表記や台詞は一切無い。また、「ラーズグリーズ」の存在を示唆する描写自体も用いられていない。

出典

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  1. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、13頁。
  2. ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、249頁。
  3. ^ a b c d e f g h i GAZE 2020年7月10日号特集:「戦争の英雄達:環太平洋戦争機密文書解除」”. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年1月3日閲覧。
  4. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、38-39頁。
  5. ^ a b 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、142頁。
  6. ^ a b 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、142-143頁。
  7. ^ ACES WEB:ACE COMBAT™ 5 THE UNSUNG WAR. YouTube. バンダイナムコエンターテインメント. 25 December 2020. 該当時間: 9:11. 2021年1月3日閲覧
  8. ^ ACES WEB:ACE COMBAT™ 5 THE UNSUNG WAR. YouTube. バンダイナムコエンターテインメント. 25 December 2020. 該当時間: 6:34. 2021年1月3日閲覧
  9. ^ ACES WEB:ACE COMBAT™ 5 THE UNSUNG WAR (Youtube). バンダイナムコエンターテインメント. 25 December 2020. 該当時間: 10:01. 2020年12月28日閲覧
  10. ^ 『エースコンバット5』、ミッション10、ブリーフィング
  11. ^ 『エースコンバット』シリーズ25周年記念インタビュー!波乱に満ちたシリーズをいまこそ振り返ろう【前編:初代~『ZERO』】”. Game*Spark. 2021年1月9日閲覧。
  12. ^ 『エースコンバット5』、ミッション12Aおよび12B、ブリーフィング
  13. ^ 『エースコンバット5』、ミッション13、ブリーフィング。
  14. ^ 『エースコンバット5』、ミッション14、ブリーフィング
  15. ^ 『エースコンバット5』、ミッション16Aおよび16B、ブリーフィング。
  16. ^ a b 『エースコンバット5』、ミッション18、ブリーフィング。
  17. ^ 『ACES at WAR A HISTORY』、47頁。
  18. ^ 『ACES at WAR A HISTORY』、26頁。
  19. ^ a b c 『エースコンバット5』、ミッション20、ブリーフィング。
  20. ^ 『エースコンバット5』、ミッション23、ブリーフィング。
  21. ^ 『エースコンバット5』、ミッション26、ブリーフィング
  22. ^ a b c 『エースコンバット5』、ミッション27+、ブリーフィング。
  23. ^ 『エースコンバット5』、ミッション25、ブリーフィング。
  24. ^ a b c d e f エースコンバット5公式サイト Untitled Photo Serection at the Wayback Machine (archived 2020年11月1日)
  25. ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー 公式ガイドブック』、109頁。
  26. ^ a b “FRONTLINE” 2012年4月号 特集:廃棄される巨大潜水艦”. エースコンバット7公式サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年5月17日閲覧。
  27. ^ 『ACES at WAR A HISTORY』、3頁
  28. ^ a b 『エースコンバット5』、エンディング
  29. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、41頁
  30. ^ 『ACES at WAR A HISTORY』、50頁
  31. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、51頁
  32. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、52-57頁。
  33. ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー 公式ガイドブック』、199頁。
  34. ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、251頁。
  35. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、47頁。
  36. ^ a b c d 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、253頁。
  37. ^ F-14A トムキャット `エースコンバット ラーズグリーズ隊` (プラモデル)”. ハセガワ. 2020年7月2日閲覧。
  38. ^ エースコンバット5、ミッション27の台詞より
  39. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、38-47頁

参考資料

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関連項目

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