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甑大明神橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
甑大明神橋
地図
基本情報
日本の旗 日本
所在地 鹿児島県薩摩川内市
交差物件 ヘタノ串海峡
用途 道路橋
路線名 鹿児島県道351号鹿島上甑線
管理者 鹿児島県
開通 1993年平成5年)
座標 北緯31度49分46.1秒 東経129度50分42.9秒 / 北緯31.829472度 東経129.845250度 / 31.829472; 129.845250 (甑明神大橋)座標: 北緯31度49分46.1秒 東経129度50分42.9秒 / 北緯31.829472度 東経129.845250度 / 31.829472; 129.845250 (甑明神大橋)
構造諸元
形式 2径間連続PC斜張橋、PC単純T桁橋[1]
材料 プレストレスト・コンクリート
全長 420 m[2]
8 m
高さ 60.5 m(主塔高さ)
桁下高 17.9 m
最大支間長 85 m
地図
甑大明神橋の位置(鹿児島県内)
甑大明神橋
甑大明神橋の位置(日本内)
甑大明神橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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鹿児島県道351号標識

甑大明神橋(こしきだいみょうじんばし)[3]は、鹿児島県薩摩川内市甑島列島上甑島と中島を結ぶである。鹿児島県道351号鹿島上甑線の一部を構成する。全長は420 m[1]

歴史

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本橋開通以前は、甑島列島の有人離島である上甑島・中甑島・下甑島の3島相互の往来には航路しか手段がなく、陸路の連絡は島民の悲願であった[4]。1990年に、中島と中甑島を結ぶ全長240 mの鹿の子大橋が開通[5]。次いで、1993年3月に甑大明神橋が開通し、上甑島と中甑島が陸路で結ばれた。橋名は、当時の里村上甑村鹿島村下甑村の4村[注釈 1]の住民の公募で選ばれ、1991年11月に命名された[6]。2020年には中甑島と下甑島の間に甑大橋が開通し、甑島列島の有人3島間の架橋が完成した。本橋の完成を記念して、例年11月にはマラソン大会が開催される[7]。橋の途中には展望スペースがあり[3]、上甑島側には橋を見渡せる展望台が開設されている[7]。西側に眺望が開けていることから、夕日の景勝スポットとしても知られる[8]

構造

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上甑島側の岬はヘタノ串と呼ばれ、中島との間は幅22 mのヘタノ串海峡が隔てている。ヘタノ串は奇岩地帯で、甑島の名の由来ともなった(中国の蒸篭)に似た形の巨岩が甑大明神として祀られている。この景観を保全するため、鹿児島県内では初となるPC斜張橋が採用され[6]、ルートも上甑町中甑の集落から見て裏手に当たる北西側が選定された[1]。主塔は中島側に設けられ、海峡部は桁下15 mの航路を確保するため、最高部から両側に6%の勾配がつけられた。斜張橋部の延長は170 mで、景観性・経済性から主塔形状は準A型、斜材はファン型が採用された。主塔高さは航空障害を考慮し、約60 mに抑えられた。橋梁の両端は上甑島側6径間、中島側3径間の桁橋で構成される[1]

1991年の台風第19号では非公式ながら最大瞬間風速88 m/sの強風を記録するほどの条件であり[6]、ケーブルの制振対策として粘性せん断型ダンパーが採用された[9]。橋桁は、ディビダーク工法で架設された[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 甑島列島の4村は、2004年に市町村合併により薩摩川内市の市域となった。

出典

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  1. ^ a b c d 甑大明神橋の設計施工と斜材振動問題」(PDF)『九州技報』第13巻、九州地方計画協会、1993年6月、2023年3月6日閲覧 
  2. ^ 甑大明神橋(PC斜張橋)の振動特性」(PDF)『土木学会第49回年次学術講演会』、土木学会、1994年9月、1166-1167頁、2023年3月6日閲覧 
  3. ^ a b 甑大明神橋”. 薩摩川内観光物産ガイド (2023年2月3日). 2023年3月6日閲覧。
  4. ^ 甑島の甑大橋」(PDF)『Takken news』第178巻、鹿児島県宅地建物取引業協会、2020年、2023年3月6日閲覧 
  5. ^ 鹿の子大橋”. 薩摩川内観光物産ガイド (2023年2月1日). 2023年3月6日閲覧。
  6. ^ a b c d 九州名橋のニューフェイス」(PDF)『九州橋梁・構造工学研究会会報』第10巻、九州橋梁・構造工学研究会、1993年6月18日、7頁、2023年3月6日閲覧 
  7. ^ a b 甑大明神橋”. 鹿児島県庁 (2020年1月24日). 2023年3月6日閲覧。
  8. ^ 甑大明神橋”. 鹿児島県観光連盟. 2023年3月6日閲覧。
  9. ^ 米田 昌弘「PC斜張橋ケーブルの風による振動とその対策」(PDF)『コンクリート工学』第32巻第5号、日本コンクリート工学会、1994年5月1日、23-30頁、2023年3月6日閲覧 

関連項目

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