田中益信
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田中 益信(たなか ますのぶ、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。
来歴
[編集]師系不明。作は奥村政信を起りとする奥村派の画風だが、政信の門人だったかどうかは明らかではない。三晴堂、善居斎、善辰斎と号す。作画期は寛保から延享の頃にかけてで、浮絵、漆絵のほか、延享3年(1746年)の大小暦を手がけたことが知られている。肉筆画の作もあり「田中益信」と署名したものが数点残る。なお作画期が明和の頃とされる益信という絵師がいるが、これは画風が鈴木春信風であり、同名の別人だろうといわれている。
作品
[編集]- 「七種わかやぎ曽我」 横大判紅絵 ボストン美術館所蔵 ※寛保4年(1744年)1月、江戸市村座
- 「おんな楠よそおい鑑」 横大判漆絵 東京国立博物館所蔵 ※延享2年(1745年)11月、市村座
- 「あふみ八けい石山の図」 横大判紅絵 ボストン美術館所蔵
- 「げんじ十二だんの図」 横大判紅絵 ボストン美術館所蔵
- 「柿本人麿」 石摺絵 ホノルル美術館所蔵
- 「太夫と禿」 紙本着色 ※「大和画工三晴堂田中益信筆」の落款あり
- 「浮絵室内遊興図」 紙本着色 出光美術館所蔵 ※「田中益信筆」の落款、印文不明の朱文方印あり
- 「青楼図」 紙本着色 ※画中画に「田中益信」の落款と朱文方印あり
参考文献
[編集]- 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。94頁、83コマ目。
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 楢崎宗重監修 『肉筆浮世絵第三巻 長春』 集英社、1982年 ※116 - 117頁
- 出光美術館編 『出光美術館蔵品図録 肉筆浮世絵』 平凡社、1988年 ※253頁