コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

田名 (伊平屋村)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 沖縄県 > 伊平屋村 > 田名 (伊平屋村)

田名(だな)は、沖縄県伊平屋村地名である。旧田名村。

概要

[編集]

郵便番号は905-0701である。

伊平屋村の最北に位置する集落、 田名公民館・田名共同売店を中心とした居住地区、前泊地区との間の農地・水田及び田名池 (だなぐむい)の地区、山林にかこまれた北端の地区に分かれている。

明治以前、琉球王朝時代は、前泊地区と合わせて田名村(田那村)と呼称されていた。

基本情報[1]

面積 5,790,282.852㎡

周辺長 13,764.127m

人口 237人

世帯数 108世帯

歴史

[編集]

・1264年(文永1) 田名村として「田名」という地名が文章に初めて登場

・14~15世紀 田名城築城(2018年沖縄県指定史跡に認定)[2]

・1478年 田名地頭として田名親雲上真儀(麻氏田名家。元祖・麻普蔚、大城按司真武)が配置される[3](琉球の地頭一覧

・17世紀 念頭平松が植えられる。

・1781年 江戸の書籍に伊平屋島田名村のクマヤ洞窟が登場。「衝口発(著:藤原貞幹・藤貞幹)」にて神武天皇伊平屋(クマヤ洞窟=天岩戸)起源説を発表[4]

・1909年(明治42年) 沖縄県の特別町村制の施行により、行政区前泊地区が字田名から分離される。[3]

・1940年4月1日 伊平屋小学校田名分校(1.2年複式学級)を設置[3]

・1945年6月3日 アメリカ軍伊平屋島に上陸[5]

・1945年6月5日 アメリカ軍の伊平屋島占領により、田名地区に伊平屋村民が集められ収容される。[6]

・1951年(昭和26年) ウザナムイ(現:田名ロータリー)に田名共同売店(茅葺)が区民によって立ち上げられる[3]

・1952年(昭和27年) 田名共同売店が茅葺から鉄筋コンクリート建てに改築。

・1973年4月1日 統廃合により伊平屋小学校田名分校廃校。[7]

・1980年(昭和55年) 田名共同売店が店舗拡張により、ウザナムイ(現:田名ロータリ)より現住所地(字田名3477)へ移転[3]

・2021年7月15日 新伊平屋製糖工場落成。前泊にあった旧製糖工場の老朽化により田名へ新築移転を行った。[8]

景勝地

[編集]

「田名神社」「田名城跡」「伊平屋天巌戸神社」「念頭平松」「クマヤ洞窟」「久葉山(クバヤマ)」「田名池(ダナグムイ)」といった景勝地があり、各地に紐づく「天の岩戸伝説」「無蔵水(んぞみず)伝説」などの伝承が残っている。

  • 久葉山(クバヤマ)[9] 山全体が、クバ(ビロウ)に覆われ神聖な山とされておいる。伊平屋島開闢の地。「田名のクバ山」として沖縄県の天然記念物に登録されている。(沖縄県教育委員会1993「沖縄の文化財Ⅰ天然記念物編)
  • 念頭平松[10] 推定樹齢200年以上、アメリカ合衆国占領下の琉球政府指定天然記念物(1958年)、国の天然記念物(2016年指定)にも指定された地域に愛される松。幹周4.5m、樹高約8m、枝張り東西約28m、南北約24mという巨大な枝振りの優美な樹形のリュウキュウマツ。県内では久米島の「久米の五枝(ごえ)のマツ」とともにリュウキュウマツの二大名木として著名である。マツ類では珍しく半円形の傘のような自然樹形を形成している。

伝統文化・行事

[編集]
1月
・グニントゥ(御年頭・年始祭)
2月
・トントク(農業祭)
3月
・浜うり(下り)
4月
・イーミッチとターウミ(稲作の豊年祭)
5月
  • 旧暦5月15日 ウマチー(稲穂祭) 
6月
  • 旧暦6月15日 大マチー(稲の実の祭)
7月
8月
・豊年祭
9月
  • 旧暦9月5日 ヤマナジ 5山(アサ岳・メェ岳・クシ岳・御川城ウッカーグシク)5ヶ所の拝所に祈り、山の整備と縄張りを行う
  • 旧歴9月9日 世願(ユウニゲ) 世の中の平和祈願、健康長寿、井戸拝み
10月
  • ナーナジ(伝統行事なし)
  • ムーライトマラソン(第一エイドステーション)
11月
  • 旧暦11月21日 トゥンジー(冬至) トゥンジージューシーを仏前にお供えする
12月
  •  ヤマグムイ(恋事祭) マジヤーと奥のお宮に行き、竹馬に乗る

参考文献

[編集]
  1. 伊平屋村役場 『伊平屋村誌』(1956年2月発行)[11]
  2. 『伊平屋村田名字史』文進印刷(株)(2003年10月発行)
  3. 大湾,阿利,澤岻,嘉手納『伊平屋島田名と我喜屋の祭祀儀礼と神役継承の現状について』沖縄県立博物館・美術館 別刷「伊是名島・伊平屋島総合調査報告書」[12]
  4. 原田 信之『沖縄県伊平屋島の海神祭伝説 』新見公立大学紀要 第39巻 pp. 1−14, (2018)

脚注

[編集]
  1. ^ 沖縄県伊平屋村字田名 (473590010)”. 国勢調査町丁・字等別境界データセット. 2024年9月25日閲覧。
  2. ^ 明彦, 与那嶺 (2018年5月8日). “伊平屋の田名城跡が史跡に 沖縄県指定、石積み14~15世紀築城”. 琉球新報デジタル. 2024年10月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e 『伊平屋村田名字史』文進印刷株式会社、平成15-10、24,394,410頁。 
  4. ^ 千恵子, 古関. ““天の岩戸”伝説は沖縄・伊平屋島にも 日本屈指の秘境「クマヤ洞窟」の旅 | 古関千恵子の世界極楽ビーチ百景”. CREA. 2024年11月2日閲覧。
  5. ^ 総務省|一般戦災死没者の追悼|伊平屋村における戦災の状況(沖縄県)”. 総務省. 2024年10月3日閲覧。
  6. ^ 総務省|一般戦災死没者の追悼|伊平屋村における戦災の状況(沖縄県)”. 総務省. 2024年10月3日閲覧。
  7. ^ 目録詳細”. www2.archives.pref.okinawa.jp. 2024年11月1日閲覧。
  8. ^ 伊平屋製糖工場が落成 他産業への波及も期待”. 沖縄タイムス+プラス (2021年8月6日). 2024年11月7日閲覧。
  9. ^ おきなわ 緑と花のひろば 「緑」と「花」と「緑化活動」情報発信”. おきなわ 緑と花のひろば. 2024年11月1日閲覧。
  10. ^ 伊平屋島の念頭平松 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2024年11月4日閲覧。
  11. ^ 伊平屋村誌 | 尖閣諸島資料ポータルサイト(Senkaku Islands Archives Portal)”. www.cas.go.jp. 2024年10月3日閲覧。
  12. ^ 大湾ゆかり (2019-03-15). “伊平屋島田名と我喜屋の祭祀儀礼と神役継承の現状について”. 伊是名島・伊平屋島総合調査報告書、沖縄県立博物館・美術館 別刷 (沖縄県立博物館・美術館). 

外部リンク

[編集]

伊平屋村公式HP

おさんぽ伊平屋HP-田名地区マップ-

・沖縄県公式ホームページ-伊平屋村田名「田名地区」-https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/505/220120.pdf

・伊平屋村公式ホームページ‐広報‐

https://www.vill.iheya.okinawa.jp/uploaded/attachment/518.pdf

伊平屋村田名の町並み