田辺稔 (医師)
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田邉 稔(たなべ みのる)は、日本の外科医であり、肝胆膵外科を専門とする医師。東京医科歯科大学元教授で、2024年現在は柏市立柏病院の院長を務める[1]。
経歴
[編集]田邉は1985年、慶應義塾大学医学部を卒業。卒業後、同大学で肝胆膵・移植外科に所属し、専任講師や准教授を歴任した。その後、米国ピッツバーグ大学で肝移植技術を学び、帰国後に慶應義塾大学で肝移植手術の体制を整備した。2013年、東京医科歯科大学の肝胆膵外科学分野の教授に就任し、2017年には同大学病院の副病院長を兼任した。2024年4月より柏市立柏病院の院長に就任。
専門分野
[編集]肝臓、胆道、膵臓に関わる疾患、特にがん治療を専門とする。米国で学んだ肝移植技術を基に、国内における肝移植治療の普及に関与した。
最新技術の普及
[編集]ABO血液型不適合の生体肝移植において、新たな免疫抑制戦略を研究した。従来、血液型不適合の肝移植は強い拒絶反応のリスクが高く、成功が難しいとされていた。田辺は、リツキシマブの投与や門脈内への薬剤注入療法を用い、拒絶反応を抑制する技術を考案した[1]。
山高篤行とともにロボット支援下胆道拡張症手術の普及に努め、2022年4月にこの手術が保険適用となった。[1]
学術活動
[編集]2023年6月、第35回日本肝胆膵外科学会学術集会の会長を務めた。
出典
[編集]- 柏市立柏病院 外科診療科紹介
- 東京医科歯科大学病院 医科(医系診療部門)スタッフインタビュー Vol.3 田邉稔先生
- 順天堂大学 小児外科によるロボット支援胆道拡張症手術についての解説
- ロボット支援手術と保険収載に関する記事(ロボスタ)
- ^ 田辺, 稔; 島津, 元秀; 星野, 健; 渕本, 康史; 河地, 茂行; 尾原, 秀明; 柴田, 理恵; 坂本, 亨宇 et al. (2006-03). “成人ABO血液型不適合生体肝移植における新戦略 : リッキシマブ投与と門注療法”. 日本外科学会雑誌 107 (2): 325. ISSN 0301-4894 .