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異郷訪問譚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

異郷訪問譚(いきょうほうもんたん)とは、現世の地上世界、神話であれば葦原中国から、それ以外の異郷を訪れる話である[1]。よく知られている例としては、伊邪那岐命黄泉国訪問[2]浦島子[3]大穴牟遅神の根国訪問譚[4]火遠理命の綿津見宮訪問譚、神功征韓譚、舌切り雀[5]がある。異界訪問譚とも呼ばれる。

構造的特徴

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物語の前半のテーマが後半では逆の順序で出現し、後半では前半の否定ないし対立という形をとる構造(裏返し構造と呼ばれる)が多くみられる[6][7]。ただし、この構造は、異郷訪問譚に限定されるものではない[8]

出典

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  1. ^ 勝俣隆『異郷訪問譚・来訪譚の研究―上代日本文学編』 和泉書院、2009年、ISBN 978-4-7576-0535-0
  2. ^ 勝俣隆「伊邪那岐命の黄泉国訪問譚の解釈 : 黄泉国の存在位置と黄泉比良坂の位置関係を中心に」『長崎大学教育学部紀要. 人文科学』第72巻、長崎大学、2006年3月、1-15頁。 
  3. ^ 石原昭平「浦島説話の異郷:富・長寿・悦楽の国」『日本文学』第23巻第9号、日本文学協会、1974年9月、57-64頁、ISSN 0386-9903NAID 110009977997 
  4. ^ 勝俣隆「異郷訪問譚の意味:大穴牟遅神の根国訪問譚を中心に」『国語と教育』第28巻、長崎大学、2004年2月、82-93頁、NAID 110000987670 
  5. ^ 稲田浩二『日本昔話通観 第28巻』 同朋舎出版、1988年、ISBN 4-8104-0712-8
  6. ^ 大林太良「異郷訪問譚の構造」『口承文芸研究』第2号、日本口承文芸学会、1979年1月、1-9頁。 
  7. ^ 依田千百子「韓国の異郷訪問譚の構造」『口承文芸研究』第5号、日本口承文芸学会、1982年、47-57頁。 
  8. ^ 大喜多紀明「アイヌ口承テキストに見られる裏返し構造:異郷訪問譚によらない事例」『北海道言語文化研究』第14号、北海道言語研究会、2016年3月、45-72頁、ISSN 1882-6296NAID 120005750728 

関連項目

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