発火錐
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発火錐(はっかきり、英: fire-drill)は、回転摩擦によって火を起こす道具[1][2]。発火法の一種である。
種類
[編集]発火錐は火きり板の上で火きり杵を回転させるもので、火きり杵を動かす方法で4種に分けられる[1]。
揉錐
[編集]揉錐(もみぎり)は、最も単純かつ最古の方法で、火きり杵を直接手のひらで回転させる方法である[1]。
紐錐
[編集]紐錐(ひもぎり、cord drill)は、火きり杵に紐をかけて回転させる方法である[1]。
弓錐
[編集]弓錐(ゆみぎり、bow drill)は、火きり杵を弓で回転させる方法である[1]。日本列島より北方の地域では弓錐が広く用いられた[1]。
舞錐
[編集]舞錐(まいぎり、pump drill)は、はずみ車または両端に紐をつけた横棒で回転させる方法である[1]。
日本では揉錐と舞錐が主に用いられた[1]。登呂遺跡からは発火具が出土しているが揉錐か舞錐かは議論が行われている[1]。
インドネシアでは舞錐が盛んに用いられた(ボルネオ島、マドゥラ島、スンバ島、ロティ島など)[1]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 山田仁史「発火法と火の起源神話」『東北宗教学』第2巻、東北大学大学院文学研究科宗教学研究室、2006年12月、183-200頁、CRID 1390293334799970304、doi:10.50974/00001991、hdl:10097/48917、ISSN 1881-0187、2023年11月28日閲覧。
- ^ 豊田由貴夫「比較文化論 : 大項目別報告 : 発火法 2900」『国立民族学博物館研究報告別冊』第011巻、国立民族学博物館、1990年3月、117-119頁、CRID 1390290699907133440、doi:10.15021/00003692、hdl:10502/3530、ISSN 0288-190X、2023年11月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- 『あかり』(1976年) - 科学技術庁(現・文部科学省ほか)の企画の下でヨネ・プロダクションが制作した短編映画《日本科学技術振興財団も企画協力にて関与》。当該映画作品の前半にて、古代日本に於いて行われていた”錐もみ式発火法”について実演を交えつつ紹介している。