登塔者
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登塔者(とうとうしゃ、ギリシア語: στυλίτης, ロシア語: столпник, ラテン語: stylita, 英語: stylites)とは、正教会で塔に登る苦行を行う修道士のこと。聖人に付される称号でもある。登塔者の中には登塔者聖シメオンをはじめ、非カルケドン派やカトリック教会でも崇敬される聖人がいる。
「登塔者」は正教会における訳語。正教会以外の場面(カトリック教会ほか)では柱頭行者との訳語がある[1][2]。
概要
[編集]キリスト教における隠遁修道は4世紀頃から盛んになったが、5世紀に入り、塔とも呼べる柱に登りその上で生活し苦行を行うという特異な修道の形態が始まった。この苦行の実行者を登塔者と呼ぶ。天の神に近付く事を目指した結果生み出された修道の形態であったが、最初の登塔者と伝えられている登塔者聖シメオンのあと若干の後継者があったものの、時を経てこの修道形態はすたれた[3]。
高徳の登塔者の下には多くの巡礼者達が集まり、病を癒してもらったり、教えを聞いたりしたと伝えられている[3][4]。
脚注
[編集]- ^ カラト・セマーンの聖シメオン聖堂 (神谷武夫)
- ^ 教皇ベネディクト十六世の117回目の一般謁見演説
- ^ a b 高橋保行『ギリシャ正教』102頁 - 103頁、講談社学術文庫、ISBN 4-06-158500-2
- ^ 『諸聖略伝 九月』91頁 - 98頁、日本ハリストス正教会 2003年12月25日
参考文献
[編集]- 高橋保行『ギリシャ正教』講談社学術文庫、ISBN 4-06-158500-2
- 『諸聖略伝 九月』日本ハリストス正教会、2003年12月25日発行