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百番指し

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

百番指し(ひゃくばんさし)は、プロの将棋において、ある二人の棋士同士あるいは女流棋士同士の公式棋戦での対局数が100局に達することである。

百番指しの概要

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トップクラスの棋士同士であっても1年間に10局以上同じ相手と対局することがまれであるため、百番指しが達成された組み合わせは、同時代の長年に渡ってお互いトッププロとして、特にタイトル戦の番勝負などで戦った棋士同士の組み合わせに限られている。なお、タイトル戦での対戦がない組み合わせの最多対戦は内藤國雄-有吉道夫の93局である(両者ともすでに引退、内藤の49勝44敗)。

最も多くの相手と百番指しを達成したのは大山康晴で、5人の相手(升田幸三中原誠二上達也加藤一二三米長邦雄)と達成している。また、百番指しの組み合わせで年齢差が最も大きいのは、大山康晴中原誠の24歳差である。

女流棋士は年間対局数が少ないため百番指しの達成はさらに困難であり、中井広恵清水市代が唯一達成したのみである。

百番指しを達成した場合、両対局者直筆の記念扇子が作られ、販売されることがある。また、百局の棋譜を収録した書籍が出版されることもあり、大山-中原、谷川-羽生、羽生-森内などの例がある。

達成された百番指し一覧

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棋士の百番指し(2024年6月20日現在。着色は両者現役)
対局者
(勝ち越し-負け越し)
100局達成時
の勝敗
100局目の
対局時期
100局達成
までの期間
総対局数 通算成績 タイトル戦期数 備考
中原誠 米長邦雄 60(1持)38 1980年07月 14年09か月 187 106(1持)80 20 [1]
羽生善治 佐藤康光 69-31 2006年01月 18年06か月 170 115-55 21
羽生善治 谷川浩司 60-40 2000年06月 13年07か月 168 106-62 22 [2]
大山康晴 升田幸三 51(1持)48 1959年06月 約18年 167 96(1持)70 20
大山康晴 二上達也 69-31 1967年05月 12年02か月 162 116(1持)45 20 [3]
中原誠 大山康晴 64-36 1976年12月 09年00か月 162 107-55 20 [4][5]
羽生善治 森内俊之 56-44 2010年10月 22年09か月 141 80-61 16
大山康晴 加藤一二三 63-37 1980年01月 23年05か月 125 79-46 8
中原誠 加藤一二三 63(1持)36 1994年01月 25年07か月 109 67(1持)41 9
大山康晴 米長邦雄 56-44 1989年12月 20年08か月 104 58-46 6
米長邦雄 加藤一二三 61-39 1996年02月 29年10か月 104 63-41 2
女流棋士の百番指し(2024年7月13日現在。着色は両者現役)
清水市代 中井広恵 60-40 2004年11月 17年08か月 125 79-46 20

※「持」は、タイトル戦の番勝負での持将棋

※女流棋士は男性棋戦での対局を除いた数。男性棋戦では1勝1敗。

脚注

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  1. ^ 百番指しの記録に含まれない公式戦には、第8回古豪新鋭戦(1964年8月28日)の米長四段と中原三段(奨励会員)戦で米長が勝利した対局がある。米長の公式戦対局数と勝数には含まれるが、中原の公式戦記録には含まれない。
  2. ^ 初手合いから166局目まで、羽生・谷川の双方もしくは一方がタイトル保持者となっている。
  3. ^ 大山の対二上戦116勝は一人の棋士から獲得した史上最多勝数であり、二上の対大山戦116敗は一人の棋士から喫した史上最多敗数となる。
  4. ^ 初手合いから9年で100局達成は史上最速である。
  5. ^ 全対局において、中原・大山の双方もしくは一方がタイトル保持者となっている。

外部リンク

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