相対輝度
相対輝度は輝度の測光的定義に従うが、基準白を1ないし100として値が正規化されている[1]。測光的定義と同様に、CIE標準観測者の比視感度 y(λ) で重みづけされた放射束密度である特定の方向の光束密度関連している。
相対値の使用は、絶対的な再現が実用的ではないシステムで有効である。例えば、印刷媒体用のプリプレスでは、印刷物で反射する光の絶対輝度は照明に依存するため、絶対的な再現は保証されていない。
カラリメトリー空間での相対輝度
[編集]XYZ、xyYなどの色空間ではYという文字は相対輝度を表している。このような空間での色再現であることが明示的な場合、相対輝度を見つけるために計算は不要である。
ITU-R BT.709の原色を使用するRGB色空間(ないし、同じ原色を使用するsRGB)では、相対輝度は線形なRGB成分から計算でき、最初にガンマ圧縮されたRGB値を線形なRGBに変換し、次に[2]
の計算を行う。この式は緑色の光がヒトが知覚する強度に最も寄与し、青色の光が最も寄与しないという比視感度を反映している。
異なる原色色度(xおよびy色度座標によって定義される)の組み合わせの場合、相対輝度を取得するには異なる一次係数が必要ある。一般に、係数はすべて正であり、緑の係数が最大で青が最小となり、3つの係数がRGBからXYZへの色変換行列の中央の行を形成する。
コンピューター画像に通常使用される非線形R'G'B'色空間の場合、一次演算の前にR'G'B'成分を線形のRGBに変換する必要がある[3]。
L*a*b*の場合、L*成分は、明るさの知覚スケールとしての相対輝度Yの非線形関数の明度である。
相対輝度を、非線形なガンマ圧縮されたR'G'B'成分の加重和であるルーマと混同しないように注意が必要である。Y'UVやY'CbCr(ここで Y' はLumaを表す)などのLumaを使用する色空間の場合でも、相対輝度の計算を行うことができる。R'G'B'成分はガンマ補正の逆補正を行うことによってRGBの線形成分に変換でき、これらの線形成分を使用して輝度が計算できる。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Poynton, Charles (2003). Digital Video and HDTV: Algorithms and Interfaces. Morgan Kaufmann. ISBN 1-55860-792-7
- ^ Michael Stokes, Matthew Anderson, Srinivasan Chandrasekar, and Ricardo Motta, "A Standard Default Color Space for the Internet - sRGB", online see matrix at end of Part 2.
- ^ Maureen C. Stone (2003). A Field Guide to Digital Color. A K Peters, Ltd. ISBN 1-56881-161-6