相撲場風景
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相撲場風景(すもうばふうけい)は上方落語の演目の一つ。「角力場風景」ともいう。
あらすじ
[編集]大入り満員である相撲の小屋で、握り飯を持って贔屓を声援している観客がいた。後に空腹な客が座っていたのだが、勘違いで前の客が握り飯をくれたものと思い、食べてしまう。別の席では尿意を感じている客がいた。便所に立つと席を取られるので、動こうにも動けない。そこで、近くで寝ている男の一升瓶の中に排尿してしまう。起きた男は目や鼻に染みると騒ぎ立てる…。
概略
[編集]もともとは「子ほり角力」の前半部であったのが、独立して演じられるようになった。相撲に熱中する人々をスケッチした小品である。サゲはなく、酒飲みの件で「大騒ぎ。相撲場風景でございます。」と言って終わるのが一般的である。
もともと「相撲の穴」として四代目桂文枝と初代桂春輔が演じていたものを五代目桂文枝が受け継ぎ、六代目笑福亭松鶴に伝わって得意ネタとした。一升瓶に小便をするくだりは春輔、一升瓶が抜けなくなるくだりは五代目文枝のものである。笑いの多い内容なので、よく道頓堀角座などの大きな会場で演じていた。松鶴自身が酒好きで、酒飲みの描写は得意であったが、小便を飲もうとして悪戦苦闘するしぐさが飛びぬけて評判である。下ネタではあるが、松鶴はカラリと演じており、ドタバタ騒ぎのおかしさが表現されている。また東京の八代目雷門助六は「こり相撲」の題で演じた。