真禎
真禎（しんてい、仁安4年（1169年）- ？）は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての真言宗の僧侶。後白河天皇の第11皇子とされ、母は法印少僧都・仁操（輔仁親王の子）の娘である三条局[1]。通称は太秦宮。
経歴
[編集]同母兄に道法法親王と承仁法親王（異説あり[2]）がいる[3]が、彼が親王宣下を受けられなかった理由は不明。
治承2年（1178年）、中宮平徳子の猶子の資格で東寺に入り、東寺長者であった大僧正禎喜の門に入るが、後に仁和寺の守覚法親王（異母兄）の門に移る[4]。
真禎の出家について記した『山槐記』治承2年6月19日条[5]には、「今日院若宮（母皇太后宮母屋三条殿、故仁操僧都女云々、仁和寺若宮弟）、為二ル大僧正禎嘉ノ弟子一ト」とある[2][6]。
寿永元年（1182年）、権大僧都に任ぜられて仁和寺にいたが、後に広隆寺別当に補任される[4]。
ところが、安貞2年（1228年）になって、尊長による謀反計画への関与が疑われて摂津国へ配流され、以降消息不明となった[4]。
脚注
[編集]- ^ 海野泰男『今鏡全釈』下巻、福武書店、1983年、P335-336・378.
- ^ a b 海野泰男『今鏡全釈』下巻、福武書店、1983年、P378.
- ^ 田中徳定「後白河天皇」志村有弘 編『天皇皇族歴史伝説大事典』
- ^ a b c 吉川真帆「真禎」『平安時代史事典』
- ^ 引用元である海野泰男『今鏡全釈』には道法法親王の出家と記されているが、松薗斉によれば同日条は東寺長者禎喜（禎嘉は筆者中山忠親の誤記）の弟子になった真禎の出家記事で、道法法親王の出家記事は同じ『山槐記』の治承3年4月16日条に存在している。
- ^ 松薗斉『王朝時代の実像15 中世の王家と宮家』（臨川書店、2023年） ISBN 978-4-653-04715-5 2023年、P28-29・214.
参考文献
[編集]- 田中徳定「後白河天皇」志村有弘 編『天皇皇族歴史伝説大事典』（勉誠出版、2008年） ISBN 978-4-585-06063-5 P498.
- 吉川真帆「真禎」『平安時代史事典』（角川書店、1994年） ISBN 978-4-04-031700-7 P1297.