石原安野
石原 安野 (いしはら あや) | |
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生誕 | 日本・静岡県富士宮市 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | ニュートリノ天文学 |
研究機関 | 千葉大学 |
出身校 |
東京理科大学 テキサス大学オースティン校大学院博士課程 |
主な業績 | 「超高エネルギー宇宙ニュートリノ」の発見 |
影響を 受けた人物 | マリ・キュリー[1] |
主な受賞歴 | #主な受賞参照 |
プロジェクト:人物伝 |
石原 安野(いしはら あや、1974年[2] - )は、日本の実験物理学者。千葉大学グローバル・プロミネント研究基幹(ハドロン宇宙科学)教授[3]。千葉大学附属ハドロン宇宙国際研究センター所属。静岡県富士宮市出身[4]。
人物
[編集]静岡県富士宮市生まれ、神奈川県横浜市育ち[5]。自由の森学園中学校・高等学校を経て[5]、東京理科大学を卒業後、テキサス大学オースティン校大学院に留学し、博士号を取得[6] 。2013年、宇宙線・粒子天体物理学分野では日本人初の国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)の若手賞(Young Scientist Prize)を受賞。2017年、自然科学分野で顕著な研究業績をおさめた女性科学者に贈られる第37回猿橋賞を受賞[7][8][9]。2019年、原子物理学とその応用分野での優れた業績の科学者に贈られる仁科記念賞を受賞。仁科記念賞は1955年から2019年まで191人が受賞した[10]が、女性としては2人目の受賞者となった[10]。
略歴
[編集]- 1998年 東京理科大学理学部第二部物理学科卒業[11]
- 2004年 テキサス大学オースティン校大学院博士号・Ph.D(物理学)の学位を取得[12]
- 2005年 ウィスコンシン大学物理学ポスドク
- 2005年 国際共同ニュートリノ観測装置アイスキューブ(IceCube)実験に参加
- 2010年 超高エネルギーニュートリノ物理ワーキンググループリーダー[13]
- 2012年 拡散宇宙ニュートリノ物理ワーキンググループリーダー[13]
- 2016年 千葉大学准教授[14]
- 2019年 千葉大学教授[15]
研究分野
[編集]南極点の1立方キロメートルの深氷河を利用したニュートリノ観測装置アイスキューブ検出器の実験で宇宙ニュートリノ存在量測定における一連の進展を主導[13]。2012年に世界で初めて高エネルギー宇宙ニュートリノ事象を同定することに成功[16]。これは1987年にカミオカンデ実験が捉えたニュートリノ信号以来捉えることができていなかった太陽系外からの宇宙ニュートリノであり、この発見によりニュートリノ天文学の可能性がそれまでの一億倍以上の高いエネルギー領域にも広がることとなる[13][17]。また、より高いエネルギーを持つ宇宙ニュートリノ探索を精力的に推進し、2016年には超高エネルギー宇宙線起源として長年有力視されてきた仮説を覆す結果を得る[13][18]。アイスキューブ実験の次期計画であるアイスキューブジェンツー(IceCube-Gen2)実験に向けた新型検出器開発の日本における責任者として従来の検出器の約3倍の検出性能を持つ光検出器製作の指揮にあたっている[19]。
2018年には、銀河系外から届いた素粒子の一種「高エネルギーニュートリノ」の発生源の天体を世界で初めて特定したと、南極大陸の氷床を使ってニュートリノを観測する国際共同研究「アイスキューブ」のチームが7月13日付の米科学誌サイエンスに発表した。アイスキューブには千葉大など12カ国の49研究機関が参加しており、高エネルギー宇宙線の発生機構解明につながると期待されている[20]。
米科学誌サイエンスが発表した2018年の10大成果の1つに、アイスキューブ実験によるニュートリノ放射源天体初同定の成果が選出されている[21]。
主な受賞
[編集]- 2013年 国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)若手賞[22]
- 2014年 第4回千葉大学先進科学賞[23]
- 2014年 第5回戸塚洋二賞[24]
- 2017年 第37回猿橋賞
- 2017年 WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017 Innovator 受賞[25]
- 2018年 第1回東京理科大学物理学園賞
- 2019年 読売テクノ・フォーラム第25回ゴールド・メダル賞[26]
- 2019年 仁科記念賞[27]
脚注
[編集]- ^ 「ニュートリノ天文学において顕著な業績」と評価 Viewpoint
- ^ 石原安野さん(物理学者)の「仕事とは?」 就職ジャーナル 2018年1月30日付
- ^ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43733450V10C19A4EAC000/ 千葉大学教授 石原安野さん 南極から宇宙を探る(1)] 日本経済新聞 2019/4/15
- ^ 石原さん(富士宮出身)猿橋賞 南極でニュートリノ観測 静岡新聞
- ^ a b “超高エネニュートリノで宇宙のロマン探る:石原安野 - 日経サイエンス”. www.nikkei-science.com (2017年12月25日). 2023年1月10日閲覧。
- ^ 2017年の猿橋賞に千葉大学の石原安野准教授 大学ジャーナル
- ^ 猿橋賞に石原千葉大准教授 素粒子の観測で 日本経済新聞
- ^ 猿橋賞に石原安野さん 超高エネルギーニュートリノ検出 朝日新聞
- ^ 千葉大学石原安野准教授が「猿橋賞」を受賞 時事ドットコムニュース
- ^ a b https://news.mynavi.jp/techplus/article/20191111-922075/ 今年の仁科記念賞に超伝導研究の岩佐氏とニュートリノ観測の吉田、石原の両氏に] マイナビ 2019/11/11
- ^ 本学卒業生が第37回 猿橋賞を受賞 東京理科大学
- ^ star focus: graduate students The STAR experiment
- ^ a b c d e 本学ハドロン宇宙国際研究センター石原准教授が「猿橋賞」を受賞 千葉大学
- ^ 石原安野さん=第37回猿橋賞を受賞 毎日新聞
- ^ 2019 年度(第 65 回)仁科記念賞
- ^ 第37回「猿橋賞」に石原安野・千葉大准教授 読売新聞
- ^ 猿橋賞 千葉大の石原安野准教授に 毎日新聞
- ^ 千葉大学石原安野准教授が「猿橋賞」を受賞 産経ニュース
- ^ 石原安野さん=第37回猿橋賞を受賞 猿橋賞
- ^ 銀河系外ニュートリノの発生源特定 国際共同研究に参加 産経ニュース 2018年7月21日付
- ^ 2018 BREAKTHROUGH of the YEAR Science 2018/12/20
- ^ IceCube researcher receives young scientist award ICECUBE
- ^ その他 千葉大学
- ^ 「戸塚洋二賞」選考結果 平成基礎科学財団
- ^ 「新たな未来」をもたらす、全30組の受賞者発表 PRTIMES 2017年11月24日付
- ^ 第25回「ゴールド・メダル賞」受賞者が決まりました 読売新聞 2019/3/20
- ^ 2019 年度(第 65 回)仁科記念賞