石村由起子
石村 由起子(いしむら ゆきこ、1952年[1] - )は、日本の経営者、空間コーディネーター[2]。奈良市のカフェ「くるみの木」オーナーとして知られる[1]。
概要
[編集]香川県高松市に、いずれも中学校の体育教師であった両親のもとに生まれた[3]。高校卒業後、大阪で店舗設計を学んだ[1]。その後、結婚して奈良県奈良市に長く居住しており、同地を中心に事業を展開している[4]。
1984年7月7日、31歳のときに雑貨店を併設したカフェ「くるみの木」を開業したが[1]、当初は12席だけの小さな店舗だった[5]
1994年に2店目の「くるみの木 フィールデイズ店」を出店し、1店目を「くるみの木 一条店」と改称[6]、有限会社くるみの木を設立して社長となった[7]。
カフェを経営しながら、自然を取り入れたライフスタイルを提唱し[8]、著作が注目されるようになった[9][10]。奈良市法蓮町の「くるみの木一条店」は、「全国から年間約2万人がランチを食べに訪れるという有名店」とされている[11]。
2004年7月7日には、秋篠寺に近いペンション跡を改装し、ホテル、レストラン、雑貨などの複合店「秋篠の森」を開業した[12]。
その後、全国で商品展示会の企画を進め、2009年には阪急百貨店うめだ本店で「奈良のたからもの展」を開催した[8]。
プロデュースした店舗のひとつである、「秋篠の森」の料理店「食の円居 なず菜」は、2011年に『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』で星ひとつを獲得した[13]。
2010年には、出身地である高松市の高松丸亀町商店街の再開発事業に関わり、カフェ、ギャラリー、雑貨店を兼ねた業態の店舗「まちのシューレ963」をプロデュースした[14]。
石村は、全国各地の企業や自治体などに、商品企画などのコンサルティングを行なっており、街づくりにも関わっている[2]。 2012年には、島根県浜田市の商品開発アドバイザーを委嘱されている[2]。
2013年5月には、阪急百貨店うめだ本店で「石村由起子とその仲間たちの暮らしの提案」を開催した[15]。2015年に観光案内所、食堂&グローサリー、喫茶室の3つの建物からなる複合施設「鹿の舟」をプロデュースした[16]。
著書
[編集]- しあわせの受け皿:暮らしに器とシンプル雑貨、主婦と生活社、2004年
- 小さな幸せみつけた、主婦と生活社、2007年
- 奈良のたからもの:まほろばの美ガイド、集英社(集英社be文庫)、2007年
- 季節をビンに詰め込んで:果実酒のはなし、主婦と生活社、2008年
- 私(わたし)は夢中で夢をみた:奈良の雑貨とカフェの店「くるみの木」の終わらない旅、文藝春秋、2009年
- 愛おしいものたち:奈良「くるみの木」「秋篠の森」25年、ラトルズ、2010年
- 奈良「くるみの木」のレシピ、角川SSコミュニケーションズ、2010年
- 奈良・秋篠の森「なず菜」のおいしい暮らしとレシピ、集英社、2013年
出典・脚注
[編集]- ^ a b c d “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:1”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 34. (2011年10月23日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ a b c 菱山出 (2012年5月30日). “アドバイザーに奈良の石村さん 浜田市の独自商品開発”. 朝日新聞・朝刊・島根: p. 34 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:9”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 29. (2011年10月31日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 白石佳奈 (2011年2月27日). “[ならヒト]奈良に恩返し 夢描く 石村由起子さん”. 読売新聞・大阪朝刊・奈良: p. 29 - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:6”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 29. (2011年10月28日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:12”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 35. (2011年11月3日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:13”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 31. (2011年11月4日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ a b “奈良の“秘宝”を大阪・梅田でPR 大和茶や吉野杉工芸品…石村さん厳選”. 読売新聞・大阪朝刊・奈良: p. 24. (2009年5月11日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “[ひと人抄]「伝えたい奈良」つづり出版”. 読売新聞・大阪夕刊: p. 13. (2007年6月2日). "奈良市で地元の食材などを使ったカフェ「くるみの木」などを経営する石村由起子さん(54)が、一人称でつづったガイド本「奈良のたからもの」(集英社be文庫)を出版、「親しみやすい」と話題を呼んでいる。" - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 上 (2008年5月29日). “「季節をビンに詰め込んで 果実酒のはなし」石村由起子著”. 読売新聞・東京夕刊: p. 24 - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 岩本哲生 (2012年2月10日). “(カフェしよっ!)くるみの木一条店 近鉄新大宮 女子組”. 朝日新聞・夕刊: p. 7 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “(人生あおによし)「くるみの木」オーナー・石村由起子さん:16”. 朝日新聞・大阪朝刊・奈良: p. 25. (2011年11月7日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “ミシュラン 大和うるわし 味の25店 県産食材、歴史薫る立地”. 読売新聞・大阪朝刊・奈良: p. 33. (2011年10月19日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 山田果生 (2011年11月1日). “[トレンド四国]まちのシューレ963 「讃岐の衣食住」学ぶ場”. 読売新聞・大阪朝刊・香川: p. 32 - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “石村由起子とその仲間たちの暮らしの提案”. くるみの木. 2013年7月19日閲覧。
- ^ 奈良の観光拠点「鹿の舟」誕生!伝統野菜を取り入れたごはん&カフェでほっこりぐるなび、2016.02.01