石釜のトビトビ
表示
石釜のトビトビ(いしがまのトビトビ)は、福岡市指定無形民俗文化財に2004年(平成16年)度に登録された[1]、福岡県福岡市早良区石釜地区で行われる来訪神行事の名称である。
概要
[編集]正月14日に一番近い土曜日の夕方に、地元の男女の子供らが石釜公民館に集まり、世話役の大人とともに、軽トラックの荷台に乗り、七地区に別れ家々を訪問する。訪問する子供は、藁束の上部を結わえた被り物であるトビを被り、皆で訪問した家の前で「トービー」と訪れの声をかけ、家人が出てくると輪注連を渡し、代わりに餅やお菓子の祝儀を受け取る。家人は代わりに、水を柄杓などでトビにかける。また、この一年間に男の子が生まれた家には輪注連とともに藁馬を、女の子が生まれた家には藁海老が渡される。その後、公民館へ戻り、祝儀の菓子を全員で分けて解散する。また、受け取った輪は、神棚に供えたり屋根に投げ上げて家内安全を祈願する[2][3][4]。
歴史
[編集]1961年(昭和36年) - 1977年(昭和52)ごろの十数年間、トビトビは中断した[2]。中断前は上石釜、中石釜、下石釜でそれぞれ行っており、少子化の影響で休止となったが、子供会から復活の要望があり、石釜全体で行うようになった[2]。しかし、2023年現在、新型コロナウイルスの影響で休止している。
作法
[編集]- トビを被った子供や、お世話役である大人らと共に「トービー」と訪れの声をかける[5]。
- 家主は玄関先でトビに柄杓などで水を掛け、トビは逃げる。
- 周りの子供や大人が輪注連を渡し、大人が餅やお菓子、お金などの祝儀を受け取る。(子供を授かった家には、藁馬や藁海老を渡す。)
脚注
[編集]- ^ “石釜のトビトビ | 文化財情報検索”. 福岡市の文化財. 福岡市経済観光文化局. 2023年3月24日閲覧。
- ^ a b c “平成16年度福岡市指定文化財石釜のトビトビ”. www.asahi-net.or.jp. 2023年3月24日閲覧。
- ^ “福岡市 石釜のトビトビ”. 福岡市. 2023年3月24日閲覧。
- ^ “石釜のトビトビ”. Culture NIPPON. 2023年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月25日閲覧。
- ^ 石釜のトビトビ, 福岡市福岡チャンネル 2023年3月24日閲覧。