福野泰介
ふくの たいすけ 福野 泰介 | |
---|---|
とうほくプロコン2023にて (2024年3月24日) | |
生誕 |
1978年11月8日(46歳) 日本 石川県 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 福井工業高等専門学校電子情報工学科 |
職業 |
プログラマー 実業家 |
肩書き |
株式会社jig.jp 創業者 代表取締役社長 株式会社A Inc. 代表取締役社長 株式会社B Inc. 取締役 |
公式サイト | 福野泰介の一日一創 |
福野 泰介(ふくの たいすけ、1978年〈昭和53年〉11月18日 - )は、株式会社jig.jp創業者兼取締役会長、株式会社B Inc.代表取締役社長、IT技術者、プログラマー、オープンデータ伝道師。
来歴・人物
[編集]プログラミングとの出会い・起業
[編集]ファミコンに感動し、ゲームプログラミングを始める。BASICやマシン語を使ってのゲーム作りを通じて、プログラマーとしての道を夢見て、福井高専電子情報工学科に進学。地震予知の研究、アルバイト、趣味を通じ、人の役に立つツールソフトウェアを作ることにやりがいを感じ、高専卒業翌年の2000年、最初の会社を共同で起業。誰もが使う携帯電話上のソフトウェアに魅力を感じ、2003年に利用者に最も近いソフトウェアを提供するべく株式会社jig.jpを設立、プラグインに対応した、待ち受け画面を最適化する「jigデスクトップ」、高速フルブラウザ「jigブラウザ」、携帯電話での長時間動画視聴を可能にする「jigムービー」などを開発・販売。
Raspberry Piが結構ややこしかったのでIchigoJamを開発[1]。
オープンデータの活用に向けた取り組み
[編集]福井県鯖江市と連携したオープンデータ活用
[編集]福野がオープンデータに関心を持ったきっかけは、World Wide Web Consortium (W3C)でティム・バーナーズ=リーと出会った事だという[2]。2010年12月20日、jig.jpが本社を置く福井県鯖江市にて、福野・一色正男(W3C日本マネージャー)の両氏が牧野百男市長(当時)と会談。市が保有するデータをXMLで提供してもらい、アプリ開発に活用することなどを盛り込んだ「データシティ鯖江」構想を提案したところ、市長が快諾。その3ヶ月後には情報統計課(後の情報統計政策課、2021年4月からはデジタル推進課)が発足し、鯖江市でのオープンデータ活用に向けた取り組みが始まった。日本の自治体としては初めての取り組みであり[3]、2013年には総務省にモデルケースとしても取り上げられている[4]。
新型コロナウイルス感染症対策でのオープンデータ活用
[編集]2021年3月11日、厚生労働省が公開するデータを活用し、カラム地図にて各都道府県の感染状況を視覚化した「新型コロナウイルス対策ダッシュボード」[5][6]を公開。当時は陽性者数のみを表示していたが、居住地である福井県で感染者が出た際、県の発表で病床数に関する言及があったことから、病床数も併記する仕様に変更[7]、2021年9月現在も仕様を変更しつつ運用を継続している。医療体制のひっ迫度が視覚化されたこのサイトは、公開後SNSを中心に反響を呼び、福野本人が「バグを疑ったくらいです」[7]と述べるほどであった。同年4月中には100万アクセスを記録している[8]。
この業績が評価され、株式会社jig.jpとして経済産業省による「令和2年度情報化促進貢献個人等表彰」では企業等部門にて経済産業大臣賞[9]等、個人として「2020年度のオープンデータ・ビッグデータに関する優れた取り組みの表彰」では貢献賞[10]等を受賞している。
人物
[編集]週末はプログラミングによる楽器作り、写真撮影、バドミントン、鮎つりなどを楽しむ。
新型コロナウイルス対策ダッシュボード作成のきっかけは、東京都とCode for Japanが共同で作成した「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」である。Code for Japanのフェロー[11]である福野も作成に携わっており、その中で厚労省のデータをまとめられないかと提案が出たことから、厚労省発表の感染者数をまとめ始めた。後に厚労省が都道府県別の感染状況を発表するようになったことで、カラム地図によるダッシュボードの公開に至った[7]。
略歴
[編集]- 1978年 石川県生まれ。
- 1999年 福井工業高等専門学校卒業。
- 2000年 有限会社シャフト取締役
- 2001年 有限会社ユーエヌアイ研究所を設立。
- 2003年 株式会社jig.jpを設立、代表取締役社長CEO。
- 2016年 内閣官房オープンデータ伝道師就任[12]。
- 2016年 株式会社B Inc.設立、代表取締役社長就任。
- 2017年 総務省地域情報アドバイザー就任[13]。
主な受賞歴
[編集]- 2007年4月、「第1回 DREAM GATE AWARD 2007」
- 2008年7月、開発した「jigムービー」が、モバイルコンテンツフォーラム主催「モバイルプロジェクト・アワード 2008」の「モバイルソリューション部門」で優秀賞
- 「令和2年度 情報化促進貢献個人等表彰 企業等部門」にて経済産業大臣賞(株式会社jig.jpとして)
著書
[編集]- 寄稿:『新版プロデューサーシップのすすめ』、紫洲書院、2023年、ISBN 978-4909896100
脚注
[編集]- ^ IchigoJamの世界進出は始まっていた。開発者福野泰介さんインタビュー:IchigoJam第6回 週刊アスキー 2015年06月06日 13時00分更新
- ^ “北陸のオープンデータシティ・鯖江市が先端を行く理由。(1/6) | Telescope Magazine”. nanotec museum (2014年4月30日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ 牧田泰一, 藤原匡晃「官民一体のオープンデータ利活用の取り組み:先進県・福井,データシティ鯖江」『情報管理』第60巻第11号、科学技術振興機構、2018年、798-808頁、doi:10.1241/johokanri.60.798、ISSN 0021-7298、NAID 130006327900。
- ^ “総務省|平成25年版 情報通信白書|地方自治体における先行的取組事例”. www.soumu.go.jp. 平成25年版情報通信白書 (2013年7月). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード #StopCOVID19JP”. www.stopcovid19.jp. 2021年9月19日閲覧。
- ^ Githubリポジトリhttps://github.com/code4sabae/covid19/
- ^ a b c “「ひっ迫した状況が一目瞭然」新型コロナ病床数まとめサイト、大反響に「バグを疑った」と開発者仰天 “医療現場の声”励みにスピード公開”. ITmedia NEWS (2020年3月26日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “コロナ病床使用率サイトに100万超アクセス 全国の状況一目で 福井の男性作成”. 毎日新聞 (2020年4月29日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “令和2年度「情報化促進貢献個人等表彰」を決定しました (METI/経済産業省)”. www.meti.go.jp (2020年11月27日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “2020年度のオープンデータ・ビッグデータに関する優れた取り組みの表彰 - ニュース”. 一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 (2021年2月1日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ “団体概要”. Code for Japan. 2021年9月19日閲覧。
- ^ “オープンデータを日本に広める「オープンデータ伝道師」:8名が内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室により任命 | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp (2016年4月13日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ https://www.applic.or.jp/prom/chiiki_adviser/R3_profile/150_2021adviser.pdf