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移動体検知センサー用特定小電力無線局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

移動体検知センサー用特定小電力無線局(いどうたいけんちセンサーようとくていしょうでんりょくむせんきょく)は、特定小電力無線局の一種であるレーダーのことである。

定義

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総務省令電波法施行規則第6条第4項第2号(12)に、

移動体検知センサー(主として移動する人又は物体の状況を把握するため、それに関する情報(対象物の存在、位置、動き、大きさ等)を高精度で取得するために使用するセンサーであつて、無線標定業務を行うものをいう。)用で使用するものであつて、次に掲げる周波数電波を使用するもの
(一) 10.5GHzを超え10.55GHz以下の周波数(屋内において使用する場合に限る。)
(二) 24.05GHzを超え24.25GHz以下の周波数
(三) 57GHzを超え66GHz以下の周波数

と定義している。

2020年(令和2年)1月30日[1]現在

促音の表記は原文ママ

総務省告示周波数割当計画では別表9-12に、10.525GHz、24.15GHz、60.5GHz、61.5GHzと規定 [2] している。

概要

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特定小電力無線局として共通の特徴は、特定小電力無線局#概要を参照。

電波産業会(略称ARIB)が、無線設備規則第49条の14第11号及び関連告示の技術基準を含めて、標準規格「ARIB STD-T73 特定小電力無線局移動体検知センサー用無線設備」[3]を策定している。

自動ドアの人体検知や防犯用侵入者検知などのセンサーとして用いられる。

技術基準

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10.525GHz又は24.15GHz

  • 空中線電力0.02W以下
  • 空中線(アンテナ)の絶対利得24dB以下
  • 混信防止機能として次のいずれかを搭載すること
    • 主に同一構内で使用するものは、識別符号を自動的に送信し、又は受信すること
    • 利用者による周波数の切替え又は電波の発射の停止が容易にできること
    • 受信した電波の特性を識別することにより、自局が発射した電波の反射波と他の無線局が発射した機能電波を判別できること

60.5GHz

  • 空中線電力0.01W以下
  • 混信防止機能として次の機能を搭載すること
    • 送信時間制限装置
    • 同一筐体から他の周波数の電波が発射できるものは、60.5GHzのみ又は他の周波数の電波を併せて停止できること

61.5GHz

  • 空中線電力0.25W以下
  • 混信防止機能としてキャリアセンス機能を搭載すること

旧技術基準による機器の使用期限

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無線設備規則のスプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準の改正[4]により、旧技術基準に基づき認証された適合表示無線設備に使用期限が設定[5] された。

対象となるのは、10.525GHzまたは24.15GHz(定義(一)または(二)のもの)で、

  • 「平成17年11月30日」[6]までに認証された適合表示無線設備
  • 経過措置として、旧技術基準により「平成19年11月30日」までに認証された適合表示無線設備[7]

である。

この期限は、後にコロナ禍により[8]「当分の間」延期 [9]された。

詳細は特定小電力無線局#旧技術基準による機器の使用期限を参照。

技適未取得機器を用いた実験等の特例

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免許を要しない無線局#第4条の2も参照

電波法施行規則第6条の2の4に規定する機器は、技術基準適合証明を取得していなくても届出から180日以内[10]は、実験等無線局として使用できる。 但し同一目的での期間延長はできない。

移動体検知センサー用の対象は、60.5GHzまたは61.5GHz(定義(三)のもの)である。

沿革

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2001年(平成13年)

  • 特定小電力無線局の一種として制度化[11][12][13]
    • 周波数は10.525GHzおよび24.15GHz
    • 空中線電力は最大10mW
  • ARIBが「 STD-T73」を制定[3]

2004年(平成16年)- 電波の利用状況調査で、3.4GHz以上の免許不要局の出荷台数を公表[14]

  • 以降、三年周期で公表

2005年(平成17年)- 電波の利用状況調査で、770MHzを超え3.4GHz以上以下の免許不要局の出荷台数を公表[15]

  • 以降、三年周期で公表

2012年(平成24年)- 空中線電力は最大20mWに緩和[16]

2020年(令和2年)

  • 60.5GHzおよび61.5GHzが追加[17][1]
  • 技適未取得機器を用いた実験等の特例の対象に[1]

2022年(令和4年)- 電波の利用状況調査で、714MHz超の免許不要局の出荷台数を公表

  • 以降、二年周期で公表[18]

出荷台数

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出荷台数
  年度 出典
周波数 平成12年度 平成13年度 平成14年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[19]
10.525GHz - 18 2,439
24.15GHz - 2,259 15,039
周波数 平成15年度 平成16年度 平成17年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[20]
10.525GHz 3,090 2,248 3,005
24.15GHz 176,403 193,833 153,400
周波数 平成18年度 平成19年度 平成20年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[21]
10.5-10.55GHz 3,692 2,328 2,279
24.05-24.25GHz 33,337 56,961 52,967
周波数 平成21年度 平成22年度 平成23年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[22]
10.525GHz 66,950 69,709 86,809
24.15GHz
周波数 平成24年度 平成25年度 平成26年度 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[23]
10.5-10.55GHz 34,409 3,400 8,245
24.05-24.25GHz 97,642 214,054 237,067
周波数 平成27年度 平成28年度 平成29年度 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[24]
10.5-10.55GHz 09 5 42
24.05-24.25GHz 25,779 43,495 496,287
周波数 令和元年度 令和2年度 出典
10.5-10.55GHz 5 0 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[25]
24.05-24.25GHz 2,618,524 2,618,529
57.0-66.0GHz 0 41
  • 周波数の表記は出典の通り
  • 平成30年度の公表は無し

脚注

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  1. ^ a b c 令和2年総務省令第4号による電波法施行規則改正
  2. ^ 令和2年総務省告示第411号による周波数割当計画全部改正
  3. ^ a b 標準規格概要(STD-T73) ARIB - 標準規格等一覧
  4. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正
  5. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第3条第1項
  6. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正の施行日の前日
  7. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第5条第4項
  8. ^ 無線設備規則の一部を改正する省令の一部改正等に係る意見募集 -新スプリアス規格への移行期限の延長-(総務省報道資料 令和3年3月26日)(2021年4月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  9. ^ 令和3年総務省令第75号による無線設備規則改正の令和3年8月3日施行
  10. ^ 電波法施行規則第6条の3第2項
  11. ^ 平成13年総務省告示第364号による周波数割当計画改正
  12. ^ 平成13年総務省令第75号による電波法施行規則改正
  13. ^ 平成13年総務省告示第354号による平成元年郵政省告示第42号改正
  14. ^ 平成15年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)及び評価結果の概要(案)」の公表及び「平成15年度電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)」に対する意見の募集(総務省 報道資料 平成15年12月26日)別添(2004年12月13日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  15. ^ 平成16年度電波の利用状況調査の調査結果及び評価結果の概要の公表 電波監理審議会からの答申(総務省 報道資料 平成17年4月13日)(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  16. ^ 平成24年総務省告示第87号による平成元年郵政省告示第42号改正
  17. ^ 令和2年総務省告示第22号による周波数割当計画改正
  18. ^ 令和2年総務省令第36号による電波の利用状況の調査等に関する省令改正
  19. ^ 「平成15年度電波の利用状況調査の評価結果の概要」p.2 (「平成15年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)及び評価結果の概要(案)」の公表及び「平成15年度電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)」に対する意見の募集 別添(総務省 報道資料 平成15年12月26日))(2004年12月13日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  20. ^ 「平成18年度電波の利用状況調査の調査結果」p.952(「平成18年度電波の利用状況調査の調査結果の概要」の公表及び「平成18年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見の募集 別紙2(総務省 報道資料 平成19年1月31日))(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  21. ^ 「平成21年度電波の利用状況調査の調査結果」p.708(「平成21年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成21年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成22年5月28日))(2010年6月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  22. ^ 「平成24年度電波の利用状況調査の調査結果 3.4GHz以上の周波数帯 平成25年5月」p.681 (「平成24年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成25年5月10日))(2013年6月4日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  23. ^ 「平成27年度電波の利用状況調査の調査結果(3.4GHz以上の周波数帯)平成28年4月」p.735(「平成27年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成27年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成28年3月31日))(2016年4月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  24. ^ 「平成30年度電波の利用状況調査の調査結果(3.4GHz超の周波数帯)令和元年5月」 p.2-1(「平成30年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成30年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 令和元年5月27日))(2019年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  25. ^ 「令和3年度電波の利用状況調査の調査結果 714MHz以上の周波数帯 令和4年5月」p.2-1(「令和3年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「令和3年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 令和4年5月19日))(2022年6月2日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project

関連項目

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外部リンク

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