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税吏の祈祷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

税吏の祈祷ロシア語: Молитва мытаря)とは、ルカによる福音書18章9節 - 14節にある、税吏による祈祷を元にした正教会の短い祈祷文。

神よ,我罪人を憐み給え。 — 日本正教会、『小祈祷書』[1]
ὁ Θεός, ἱλάσθητί μοι τῷ ἁμαρτωλῷ. — ルカによる福音書ギリシャ語版18章13節、Κατά Λουκάν(ウィキソース)

正教会の、自室で行われる私祈祷において、朝、目覚めた後、十字を描いて「父と子と聖神 の名に因る。アミン」と唱えてから、感覚の鎮まりと、思いが地上から離れるのを待ってから、最初に唱えられる祈祷となっている[1]聖体礼儀中にも司祭が唱える場面がある[2]

税吏の祈祷の出所となっているイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)のたとえ話では、税吏の祈りとファリセイ(パリサイ人)の祈りが対比されている。ファリセイは自分の考え方を変えようとはせず、ひとりよがりで、自己満足し、神が自分の内に生きるための場所を全く用意していなかった。これに対して、税吏は心を向け換えること、悔い改めを求めた。これは税吏が自己に不満足であり、神が生きる部屋がそこにあった事を意味する[3]

税吏とファリセイの譬は、正教会の大斎の準備期間にある「税吏とファリセイの主日」で特に記憶される。これは税吏の隠れた内面的貧しさを学び取らなければ、の実りを得る事は出来ない事を主題としている[3]

脚注

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  1. ^ a b 朝の祈祷文
  2. ^ 一例:奉事経(131頁、近代デジタルライブラリー)
  3. ^ a b 大斎の意味カリストス・ウェア主教著、ダビッド水口優明神父翻訳)

関連項目

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外部リンク

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