稲葉カヨ
表示
稲葉 カヨ(いなば カヨ、1950年[1] - )は、日本の免疫学者である。京都大学生命科学研究科の教授であり、同大学の男女共同参画担当理事・副学長、男女共同参画推進センター長である。
稲葉が免疫学の分野で特に知られているのは、樹状細胞の発見およびその研究で名高いラルフ・スタインマン博士の指導を継続的に受けて顕著な業績を上げたことである[2]。
経歴
[編集]岐阜県養老郡養老町出身[1]。1973年に奈良女子大学理学部を卒業、1978年に京都大学大学院理学研究科を修了し博士号を取得した[3]。1978年に京都大学理学部助手、1992年に理学部助教授、1995年に大学院理学研究科助教授、1999年に大学院生命科学研究科教授に就任した[3]。稲葉は京都大学理学部初の女性助教授(准教授)だった。1982年から2011年まで、ラルフ・スタインマン研究室の招聘教員だった[4]。彼女は京都大学の男女共同参画・国際・広報担当理事・副学長、および国際戦略室長を務めている[5]。日本免疫学会の理事である[6]。
受賞歴
[編集]研究活動・業績
[編集]稲葉カヨは京都大学で村松繁博士の指導のもと免疫学の研究をはじめた[1]。その後ラルフ・スタインマンの研究室に留学した[1]。稲葉カヨの主な業績は、ラルフ・スタインマン博士の指導のもとで行われた樹状細胞に関する研究である。
- Ralph Steinman; Maggie Pack; Kayo Inaba (2013-11-11). “Dendritic Cell Development and Maturation”. In Paola Ricciardi-Castagnoli. Dendritic Cells in Fundamental and Clinical Immunology. Springer Science & Business Media. pp. 1-. ISBN 978-1-4757-9966-8
- Kayo Inaba; Muneo Inaba; Margit Witmer-Pack; Karen Hathcock; Richard Hodes; Ralph Steinman (6 December 2012). “Expression of B7 Costimulator Molecules on Mouse Dendritic Cells”. In Jacques Banchereau; Daniel Schmitt. Dendritic Cells in Fundamental and Clinical Immunology. Springer Science & Business Media. pp. 65-. ISBN 978-1-4615-1971-3
- Ralph M. Steinman; Kayo Inaba; Gerold Schuler; MArgit Witmer (1986-01-01). “Stimulation of the Immune Response: Contributions of Dendritic Cells”. In Ralph M. Steinman; Robert John North. Mechanisms of Host Resistance to Infectious Agents, Tumors, and Allografts: A Conference in Recognition of the Trudeau Institute Centennial. Rockefeller Univ. Press. pp. 71-. UCAL:B4499585
脚注
[編集]- ^ a b c d “しなやかに、たおやかに、樹状細胞と共に|サイエンティスト・ライブラリー”. JT生命誌研究館. 2019年1月7日閲覧。
- ^ “日本からの受賞者|ロレアル‐ユネスコ女性科学賞|日本ロレアル株式会社”. 日本ロレアル. 2019年1月7日閲覧。
- ^ a b “略歴等 — 京都大学”. 京都大学. 2019年1月7日閲覧。
- ^ “Adjunct faculty member Kayo Inaba receives L’Oréal-UNESCO Women in Science award”. Rockefeller University. 2015年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月11日閲覧。
- ^ President, Executive Vice-Presidents, and Vice-Presidents on Kyoto university website
- ^ Dr Inaba, Hasumi Foundation, Retrieved 30 July 2015
- ^ “秋の褒章、772人20団体の受章決まる”. 朝日新聞デジタル (2016年11月2日). 2016年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月17日閲覧。
- ^ 『官報』号外232号、令和5年11月6日
- ^ “令和5年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 3 (2023年11月3日). 2023年11月18日閲覧。
- ^ “文化勲章・功労者の業績 2024年度”. 日本経済新聞 (2024年10月25日). 2024年10月25日閲覧。