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第二号輸送艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第二号輸送艦
竣工時の第二号輸送艦 (1944年6月25日、横浜沖)
竣工時の第二号輸送艦
(1944年6月25日、横浜沖)
基本情報
建造所 三菱重工業横浜造船所
運用者  大日本帝国海軍
艦種 輸送艦
級名 第一号型輸送艦
建造費 6,912,000円(予算成立時の価格)
艦歴
計画 マル戦計画
起工 1944年2月10日
進水 1944年5月6日
竣工 1944年6月25日
最期 1944年8月5日遭難沈没
除籍 1944年10月10日
要目
基準排水量 1,500トン
公試排水量 1,800トン
全長 96.00m
水線長 94.00m
垂線間長 89.00m
最大幅 10.20m
深さ 6.50m
吃水 3.60m
ボイラー ロ号艦本式水管缶(重油専焼)2基[注釈 1]
主機 艦本式ギアード・タービン1基
推進 1軸
出力 9,500hp
速力 22.0ノット
燃料 重油 415トン
航続距離 18ノットで3,700カイリ
搭載能力 貨物260トン、14m特型運貨船4隻
兵装 40口径12.7cm連装高角砲1基、25mm機銃 3連装3基、連装1基、単装4基、爆雷18個
搭載艇 13m特型運貨船1隻
6mカッター2隻
レーダー 22号電探1基
ソナー 九三式水中探信儀1組
九三式水中聴音機1組
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第二号輸送艦(だいにごうゆそうかん)は、日本海軍の輸送艦。第一号型輸送艦の2番艦。

艦歴

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マル戦計画の計画名特務艦特型、第2901号艦型の2番艦、仮称艦名第2902号艦として計画。1944年2月10日、三菱重工業横浜造船所で建造番号551番船として起工。3月15日、第二号輸送艦と命名されて第一号型輸送艦の2番艦に定められ、本籍を横須賀鎮守府と仮定。5月6日進水。6月25日竣工し、艤装員事務所を撤去[1]。本籍を横須賀鎮守府に定められ、連合艦隊附属に編入。

7月11日、横須賀鎮守府作戦指揮下に編入され、軍隊区分直卒部隊に編入。14日、3714(甲)船団[注釈 2](4隻)[注釈 3]を本艦ほか4隻[注釈 4]で護衛し、父島へ向け館山発。18日、第十雲海丸が落伍し行方不明となったため、7時間にわたり捜索したが発見することができなかった[注釈 5]。同日、被雷沈没した日秀丸乗員の95%を救助[注釈 6]。19日、父島二見港へ入港。20日、第4号海防艦の護衛を受けて硫黄島へ向け父島発。硫黄島での揚塔後は横須賀へ向かい、24日横須賀着[2]

7月29日、3729船団(6隻)[注釈 7]を本艦ほか4隻[注釈 8]で護衛し館山発。8月4日、父島二見港で被爆し座礁。翌5日、荒天のため岩礁に激突して沈没した。

10月10日、第二号輸送艦は第一号型輸送艦から削除され、帝国輸送艦籍から除かれた。

輸送艦長

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艤装員長
  1. 有馬國夫 少佐:1944年6月7日 - 1944年6月25日
輸送艦長
  1. 有馬國夫 少佐:1944年6月25日 - 1944年9月20日

脚注

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注釈
  1. ^ 『丸スペシャル』および『特務艦一般計画要領書』による。『日本海軍特務艦船史』では「ホ号艦本式水管缶2基」とあるが、第13号輸送艦第16号輸送艦など、第一号型輸送艦が装備した缶は、型式名が"三号乙二九〇一型ロ号重油専焼缶"である。
  2. ^ 『横須賀防備戦隊戦時日誌』、第一項(四)「護衛船舶記録」による。駒宮『戦時輸送船団史』p. 211では、単に3714(船団)としている。
  3. ^ 日秀丸、八祥丸、桂川丸、第十雲海丸。
  4. ^ 『横須賀防備戦隊戦時日誌』第一項(四)「護衛船舶記録」では第50号駆潜艇第51号駆潜艇第4号海防艦、本艦、第105号特設輸送艦の5隻と護衛艦艇としている。駒宮『戦時輸送船団史』p. 211では、前述の5隻から第105号特設輸送艦が省かれている。
  5. ^ 第二号輸送艦長から横須賀防備戦隊司令官宛の電文では「被雷沈没セルモノト認ム」とある。
  6. ^ 『横須賀防備戦隊戦時日誌』原文ママ。
  7. ^ 利根川丸、昌元丸、第七雲海丸、延壽丸、九州丸、北開丸。
  8. ^ 本艦のほか、第4号輸送艦、油槽132、第4号海防艦、第12号海防艦。前述のうち「油槽132」は『横須賀防備戦隊戦時日誌』の原文ママ。
脚注
  1. ^ 昭和19年7月5日付 海軍公報(部内限)第4731号。
  2. ^ 海防艦顕彰会『海防艦戦記』p. 690。

参考文献

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  • 海軍省
    • 昭和19年3月15日付 達第70号、内令第437号、内令第445号。
    • 昭和19年6月25日付 内令第787号、内令員第1085号、内令員第1086号。
    • 昭和19年10月10日付 内令第1159号、内令第1165号、内令員第1988号、内令員第1989号。
    • 昭和19年6月8日付 海軍辞令公報(部内限)第1509号。
    • 昭和19年6月30日付 海軍辞令公報 甲(部内限)第1522号。
    • 昭和19年9月25日付 秘海軍辞令公報 甲 第1601号。
    • 昭和19年7月5日付 海軍公報(部内限)第4731号。
    • 横須賀防備戦隊戦時日誌。
  • 海防艦顕彰会『海防艦戦記』、原書房、1982年。
  • 駒宮真七郎『戦時輸送船団史』、出版共同社、1987年、ISBN 4-87970-047-9
  • 『新造船建造史』、三菱重工業株式会社横浜製作所、1988年。
  • 世界の艦船 No. 522 増刊第47集 『日本海軍特務艦船史』、海人社、1997年。
  • 日本造船工業会 『特務艦一般計画要領書』。
  • 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第45巻 『大本営海軍部・聯合艦隊(6) -第三段作戦後期-』、朝雲新聞社、1971年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 50 日本海軍艦艇シリーズ 『掃海艇・輸送艦』、潮書房、1981年。
  • 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。