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法学部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第二法学部から転送)
東京大学法学部

(ほうがくぶ)は、法学(法律学)及び政治学などを専門とする学部である。

日本においては歴史的な背景から政治学が法学部で研究・教授されることが多い。東京大学法学部のホームページでは法学と政治学の関係について以下のように説明がある。「法学部では、法学だけでなく、それと政治学とが対をなすものとして研究され、教育されています。それは、近代社会においては、法と政治は、ともに不可欠であるだけでなく、政治が法を定め、実現し、そして、法が政治を形づくり、導くという意味で、両者は、相互に支えあう関係にあって、分かちがたく結びついているからです。」[1]卒業すると一般的に学士(法学)または学士(政治学)の学位が授与される。

概説

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法学部の歴史は古く、ボローニャ大学を始めとする中世ヨーロッパの大学(中世大学)にまで遡る。日本では、大学制度が発足した当時から設置された代表的な学部の一つであり、学位制度の成立とともに法学士称号が授与されるようになった。1886年に発足した帝国大学がドイツとオーストリアの大学制度を参考にしたことから法学部では法学と政治学を研究・教授するようになった[2]。近年、学士号が称号から学位に昇格したのに伴って、授与する学位は学科名に合わせて、法学科法律学科などでは学士(法学)政治学科では学士(政治学)行政学科等では学士(行政学)といったような名称で授与されるようになった。近年の学位名称は学科の種類や名称の多様化に伴い、少しずつ種類も増加しつつある。卒業論文を必修科目としない大学が多いことが法学部の特色の一つである。

日本では、法曹になるための司法試験に合格することが難しいこともあり、諸外国(ドイツ・イギリス等)に比べ、法学部を卒業しても法曹資格を有しないまま一般社会で活躍する者が多く、法学部卒業生は公務員や民間企業など幅広い分野で活躍している。また、昔から公務員試験資格試験に強いと言われてきた。司法試験を受験する学生の中には新司法試験が導入されるまでは司法試験合格のために大学に通いながら、司法試験受験予備校にも通うダブルスクールを行う学生が存在した。ただし、最近では新司法試験が導入され、学部生でも受験可能な旧司法試験の終了に伴い、法科大学院入試のためにダブルスクールをおこなう者もいる。

カリキュラム

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法学専門科目一覧

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演習

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卒業論文

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高大連携

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平成後期より、文部科学省は高大連携事業を推進し、商業高等学校から総合型選抜・学校推薦型選抜・全商協会特別推薦はもとより、高大連携事業による商業高等学校3年間+大学法学部4年間=合計7年間の一貫教育を推進している。商業高校は数学や理科を削減し、その分の講義時間を商業科目に充てる。文部科学省のカリキュラム改定に伴い、大学学部レベルの授業も導入されている。令和の現在、商業高等学校生徒は商業高等学校必修科目「ビジネス法規」の科目内で、民法、商法、民事訴訟法等を一通り学習している。2025年の大学入学共通テストから国語に大問が追加され「実用的な文章」が出題される。法学部に関連がある出題問題としては「契約書」などの解釈問題があり、「契約書」の趣旨から条文を解釈し持論を展開する形式の出題が考えられている[3]。商業高校においては法学部の基礎的教育の前倒しが行われている。商業高校は生徒が公認会計士試験を受験するため、公認会計士試験の受験科目である商法科目に力を入れているからである。商業高校から法学部へ進学する際には入試科目の負担低減措置も導入されている。商業高校から法学部・経済学部への進学は大変有利となっている。たとえば、私立の商業高校である神戸星城高等学校から国公立大現役合格者数12年連続全国1位(令和4年:国公立大学合格者64名)となっている。これらの学習の蓄積を背景にし、商業高等学校卒業生は法学部進学後、国税専門官採用試験、公認会計士試験税理士試験等の受験を推奨されている。

進路

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法律学は司法試験以外にも多くの資格試験の受験科目となっている。下記に代表的な事例を記載する。

大学院

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法学部を設立母体とする大学院としては、法科大学院専門職大学院)、公共政策大学院法学研究科政治学研究科などがある。毎年、多くの税理士試験受験者が、税理士試験#試験科目の免除制度(租税法専攻)を利用し、税理士資格を取得している。

官学交流

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法学部を持つ日本の大学

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日本の大学における法学教育は、明治期の法律学校を基盤として発展したものが多く、法律学校がその後大学に発展した例も多い。いわゆる伝統校から新設校まで各大学における看板学部の一つとなっている大学も多い。

日本最古の法律学校は、「司法省法学校」(現・東京大学法学部)であり、欧米留学からの帰国者、司法省法学校の出身者・関係者を中心として私立の法律学校が複数設立された。法典論争後、有力な私立法律学校は専門学校令による専門学校を経て、大正期に大学令による大学へと発展した。

国立

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※「法学部」の名称を有する学部を設置しており、法科大学院を設置している大学。

※かつて法科大学院を設置していたことのある、「法学部」の名称を有する学部を設置している大学。

※法学を主として専攻できる課程を持ち、法科大学院を設置している大学。

※かつて法科大学院を設置していたことのある、法律・政治学を専攻できる課程を持つ大学。

※法律・政治学を専攻できるその他の大学(16大学)。

公立

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※「法学部」という名称を有する学部を設置している大学(3大学)。

私立

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※「法学部」という名称を有する学部を設置している大学(77大学)。

※以下は「法学部」以外の法学系学部を設置している大学。

※以下は「法律学科」以外の法学系学科を設置している大学。

  • 拓殖大学 - 政経学部法律政治学科 - 「学士(法律政治学)」の学位が授与される。

※以下は「法学部」を設置構想中の大学

通信制の法学部

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通学生と比較して学費が安くなっている。Eラーニングスクーリングを併用する教育制度を設けている。スマートフォンによるオンライン学習に特徴がある。

法科大学院を持つ日本の大学

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  • 令和の現在、人事院は法科大学院生を対象とした霞が関インターンシップをしている。
  • 法学部生が法科大学院経由で官僚を目指す場合、下記の法科大学院への進学が参考となる。
年度 概要(学校の順序は人事院公式サイトに拠る)
2019年 東京大学(5)、一橋大学(3)、京都大学(1)、慶應義塾大学(7)、中央大学(2)
2021年 東京大学(2)、一橋大学(1)、慶應義塾大学(6)、中央大学(2)、法政大学(2)、早稲田大学(3)
2023年 東京大学(2)、一橋大学(2)、慶應義塾大学(3)、中央大学(1)、法政大学(1)、早稲田大学(2)
2024年 東京大学(1)、慶應義塾大学(4)、中央大学(2)、法政大学(1)、立命館大学(1)

脚注

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  1. ^ 法学部のご紹介”. 東京大学. 2022年1月24日閲覧。
  2. ^ 『政治学をつかむ』有斐閣、2011年、24-30頁。 
  3. ^ 独立行政法人大学入試センター、その他新学習指導要領内容「論理国語」該当箇所など参照
  4. ^ 2023年4月 法学部 誕生(仮称・設置構想中)”. nyushi.otemon.ac.jp. 2022年1月25日閲覧。

関連項目

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