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篠田鉱造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

篠田 鉱造篠田 鑛造、しのだ こうぞう、1872年1月15日明治4年12月6日〉 - 1965年昭和40年〉3月18日)は、日本新聞記者、実話蒐集作家、明治文化研究家。俳人としての号は胡蝶。

経歴・人物

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東京赤坂出身。明治28年(1895年)、報知新聞社に入社。明治35年(1902年)報知新聞に聞き書きコラムを連載。内容は、幕末、明治前半のことを知る人々から聴取した実話。同連載を『幕末百話』として一冊の書物にまとめたのを皮切りに、聞き書き百話シリーズを出版。江戸、東京に住んだ土地の古老や各業界の人々などから直接話を聞き、忠実に書き残す実話蒐集スタイルが、後世に貴重な資料を残す結果となった。市井の庶民生活の細部、維新後の武士の動向、出来事、食べ物、料理屋、芸能、花柳界、各種職業人、町の変遷等を、当時の人の語り口で記録している。

批判

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高島俊男は篠田の著書『明治百話』岩波文庫版(1996年刊行)について、森まゆみによる解説の批判もしながら、「篠田の文章に語り手の名前、聞き書き時期の明記がない」「自分の親である質屋権六の思い出を、なぜか権六の孫から『聞き書き』にしているのが不自然である」として、この「聞き書き集」は、純粋の聞き書きだけではなく、篠田の創作がかなり含まれているのではないかと論じている[1]

著書

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  • 幕末百話』(内外出版協会 1905年→増補版・万里閣書房 1929年)→角川選書 1969年→「増補 幕末百話」岩波文庫 1996年→同・ワイド版 2001年
  • 『明治百話』(四条書房 1931年)→角川選書[2] 1969年→岩波文庫(上・下) 1996年→同・ワイド版 2005年
  • 『幕末明治女百話』(四条書房 1932年)→角川選書[3] 1971年→岩波文庫(上・下) 1996年
  • 『銀座百話』(青蛙房 1937年)→角川選書 1974年→河出書房新社 2016年[4]
  • 『銀座・築地物語絵巻』(高山書院 1941年)
  • 『明治開化奇談』(明正堂 1943年)→角川選書[5] 1975年

脚注

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  1. ^ 高島俊男『お言葉ですが…別巻⑥ 司馬さんの見た中国』(連合出版、2014年)
  2. ^ 明治百話 篠田 鑛造/角川学芸出版 2010 ISBN 978-404-622093-6
  3. ^ 幕末明治女百話 篠田 鑛造/角川学芸出版 2010 ISBN 978-404-622094-3
  4. ^ 銀座百話 篠田 鑛造/角川学芸出版 2010.3 ISBN 978-404-622097-4/河出書房新社 2016.2 ISBN 978-4309-22655-2
  5. ^ 明治開化綺談 篠田 鑛造/角川学芸出版 2010 ISBN 978-404-622098-1