米徳関係
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米德関係(よねとくかんけい[1]、Yonetoku relation[2])は、ガンマ線バースト (GRB) に見られるスペクトルと明るさの相関関係のこと[1]。2004年に発表した米德大輔にちなむ[1][3]。
概要
[編集]明るい(最大光度が高い)ガンマ線バーストは、放射の主なエネルギーを保持しているガンマ線のエネルギー(スペクトルのピークエネルギー)が大きいことが経験則として知られており[1]、米徳は2004年の論文でその相関関係を指摘した[3]。GRBの最大光度 (peak luminosity) をLp、スペクトルのピークエネルギー (peak energy) をEp としたとき、両者にはおよそ Lp ∝ Ep2 の関係が成り立つ[2]。
2019年4月3日、理化学研究所の伊藤裕貴を始めとする国際共同研究グループは、国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ」などを用いた大規模シミュレーションを行い、ジェットが大質量星の内部から物質を突き抜ける際に形成する構造に起因して、米徳関係が生じることを示した[1][4][5][6]。これにより、ガンマ線バーストが起こる際「光球面放射モデル」と呼ばれるメカニズムでガンマ線が放射されることを強く示したとしている[1][4][5][6]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f 『ガンマ線バーストのスペクトルと明るさの相関関係の起源を再現することに成功 - 宇宙最大の爆発現象の理論的解明へ前進 -』(プレスリリース)金沢大学、2019年4月3日 。
- ^ a b “Ep - Lp 関係式(米徳関係式)”. 2019年4月8日閲覧。
- ^ a b Yonetoku, D. et al. (2004). “Gamma‐Ray Burst Formation Rate Inferred from the Spectral Peak Energy–Peak Luminosity Relation”. The Astrophysical Journal 609 (2): 935–951. arXiv:astro-ph/0309217. Bibcode: 2004ApJ...609..935Y. doi:10.1086/421285. ISSN 0004-637X.
- ^ a b Ito, Hirotaka et al. (2019). “The photospheric origin of the Yonetoku relation in gamma-ray bursts”. Nature Communications 10 (1). doi:10.1038/s41467-019-09281-z. ISSN 2041-1723.
- ^ a b 『ガンマ線バーストの放射メカニズムにせまる - スペクトルと明るさの相関関係の起源を解明 -』(プレスリリース)国立天文台、2019年4月3日 。
- ^ a b 『ガンマ線バーストの放射メカニズムにせまる - スペクトルと明るさの相関関係の起源を解明 -』(プレスリリース)国立天文台 天文シミュレーションプロジェクト、2019年4月3日 。