精巣網嚢胞腺腫
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精巣網嚢胞腺腫(せいそうもうのうほうせんしゅ、英: Rete tubular ectasia)または精巣網嚢胞形成(せいそうもうのうほうけいせい、英: Cystic transformation of rete testis[1])とは、通常、高齢の男性にみられる良性の疾患で、精巣網内に多数の小さな管状の嚢胞構造を伴う。
概要
[編集]通常55歳以上の男性にみられ、両側の精巣にみられることが多いが、非対称であることも多い[1]。
発生機序
[編集]精巣網における嚢胞の形成は、精巣網と精巣上体頭部とを繋ぐ輸出管の閉塞と関連している。嚢胞はしばしば両側性である[2]。
診断
[編集]この病態は超音波検査で発見できる。嚢胞性病変は通常、精巣縦隔部にみられ、縦隔を置換する細長い形状の病変である[1]。精巣上体異常(精液瘤、精巣上体嚢腫、精巣上体炎など)を伴うことが多い。この疾患は、精巣の腫瘤性病変および精巣嚢胞と共通の位置に局在する。嚢胞性新生物とは異なり、特異的な腫瘍マーカーを示さない[3]。精巣全体に広がる嚢胞性奇形腫のような精巣腫瘍とは異なり、精巣の管状拡張症は縦隔のみに限局していることも特徴である[1]。
治療
[編集]通常、治療の必要はないが、症候性である場合、外科的治療の適応となる[3]。
その他のエコー画像例
[編集]関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d Dogra, Vikram S.; Gottlieb, Ronald H.; Rubens, Deborah J.; Liao, Lydia (2001-10-01). “Benign Intratesticular Cystic Lesions: US Features”. RadioGraphics 21 (suppl_1): S273–S281. doi:10.1148/radiographics.21.suppl_1.g01oc15s273. ISSN 0271-5333. PMID 11598263 .
- ^ Nair, R; Abbaraju, J; Rajbabu, K; Anjum, F; Sriprasad, S (October 2008). “Tubular ectasia of the rete testis: a diagnostic dilemma.”. Annals of the Royal College of Surgeons of England 90 (7): W1–3. doi:10.1308/147870808X303119. PMC 2728311. PMID 18831860 .
- ^ a b Bhatt, S; Jafri, SZ; Wasserman, N; Dogra, VS (March 2011). “Imaging of non-neoplastic intratesticular masses.”. Diagnostic and Interventional Radiology (Ankara, Turkey) 17 (1): 52–63. doi:10.4261/1305-3825.DIR.3116-09.0. PMID 20677130 .