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紀佐比物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

紀 佐比物(き の さいもち、生没年不詳)は、奈良時代官人。名は雑物とも記される。直広肆紀弓張の子。官位従五位下右衛士佐

経歴

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神亀5年(728年正六位下から二階昇進して従五位下に叙せられる。ちなみにこれは中央貴族に対して初めて外位叙位が行われた例であり、同時に巨勢少麻呂中臣名代ら中央貴族が同じく外従五位下に叙せられている。またこの叙位にあたって、この位階に留まるべきでないこと、勤務の状況に応じて内位に叙するので努力を怠らないこと、についてのが出されている[1]

翌神亀6年(729年)2月に発生した長屋王の変では、式部卿藤原宇合の指揮下で、右衛士佐として左衛士佐・津島家道や衛門佐佐味虫麻呂らとともに六衛府の兵を率いて長屋王の邸宅を包囲した[2]。しかし、乱後の3月に行われた叙位では、巨勢少麻呂中臣名代らが内位の従五位下に叙せられた一方で[3]、佐比物は叙位に与っていないことから、この間に没した可能性もある。

官歴

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続日本紀』による。

系譜

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『日本人名大辞典』による。

脚注

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  1. ^ 『続日本紀』神亀5年5月21日条
  2. ^ 『続日本紀』天平元年2月10日条
  3. ^ 『続日本紀』天平元年3月4日条

参考文献

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