経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律
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経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律 | |
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日本の法令 | |
通称・略称 | 経済安保法、経済安保推進法、経済安全保障推進法、経済安全保障法 |
法令番号 | 令和4年5月18日法律第43号 |
種類 | 経済法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2022年5月11日 |
公布 | 2022年5月18日 |
施行 | 2023年4月1日 |
所管 | 内閣府 |
主な内容 | 経済安全保障 |
条文リンク | 参照条文 |
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(けいざいしさくをいったいてきにこうずることによるあんぜんほしょうのかくほのすいしんにかんするほうりつ、経済安保法、経済安保推進法、経済安全保障推進法、経済安全保障法、令和4年法律第43号)は、日本の法律であり、岸田内閣の看板政策の一つである[1]。違反した企業などに対する罰則規定を有する。アメリカと中国による覇権競争を意識しており[1]、国民生活や社会経済活動に大きな影響のある「特定重要物資」の安定供給を目指すとともに[2]、サイバー攻撃への備えや先端技術の流出防止などが狙いである[1][3]。
概要
[編集]政府は、本法を経済安全保障強化に向けた法整備の「第一弾」として位置づけており[5]、本法の骨子は以下の4点である[1][3]。
法案の審議をめぐっては自民・公明両党に加え、日本維新の会と国民民主党が賛成に回った。立憲民主党は当初、同法案の必要性に理解を示しながらも企業の経済活動への国の関与が強まることを懸念して慎重な姿勢を示していたが、修正協議での与党側からの歩み寄りにより最終的には賛成に回った[6]。共産党やれいわ新選組は反対した[7]。
2022年5月11日に制定され[2][3][5]、2022年5月18日、官報号外第106号により令和4年法律第43号として公布された[8]。
特許出願非公開制度
[編集]特許庁が一次審査を担当し、内閣府に設置される部局で二次審査(二次審査の別称は保全審査)が行われる。保全審査の結果によっては、出願人の意思を確認し、その後、保全指定がされる。
一次審査及び二次審査がされている期間は、出願公開がされず、査定もされない。また、保全指定がされたとき、出願公開がされず、査定もされない。
大多数の特許出願は二次審査がされないと想定されている。二次審査を経て保全指定がされる特許出願は大変に少なく、圧倒的多数の特許出願については、保全指定がされないと想定されている。
日本でされた発明であって、特許庁の一次審査において内閣府の二次審査に付される発明については、原則として、最初に特許庁に特許出願する義務があり、外国出願は制限される。ただし、最初に外国出願を希望するときには、事前に特許庁長官の確認を求めることができる。
公布の日から2年以内に施行される。
脚注
[編集]- ^ a b c d 「(記者解説)経済安保法案の行方 不透明な運用、経済界が懸念 政治部・安倍龍太郎」『朝日新聞』2022.04.25 朝刊7面
- ^ a b 「経済安保法案 午後成立 半導体など安定供給」『読売新聞』2022.05.11 東京夕刊1面
- ^ a b c 「経済安保法が成立 半導体など供給網強化 秋以降施行」『産経新聞』2022.05.12 東京朝刊1面
- ^ “経済安保推進法策定へ準備室設置 有識者会議にNSS前局長ら起用へ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2021年11月19日). 2024年2月17日閲覧。
- ^ a b 「先端技術開発 官民で「攻め」 経済安保法」『読売新聞』2022.05.12 東京朝刊3面
- ^ “立憲、経済安保法案に賛成へ 与党の歩み寄り踏まえ”. 朝日新聞. (2022年4月6日) 2024年4月7日閲覧。
- ^ “経済安全保障推進法 参院本会議で可決・成立”. NHK NEWS WEB. (2022年5月11日) 2022年10月15日閲覧。
- ^ 経済安全保障法務: 経済安全保障推進法の成立とその概要 企業法務ナビ 2022年5月23日