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寂光院 (犬山市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
継鹿尾観音から転送)
寂光院
手前が随求堂、奥が本堂
所在地 愛知県犬山市大字継鹿尾字杉ノ段121
位置 北緯35度23分43.1秒 東経136度57分49.2秒 / 北緯35.395306度 東経136.963667度 / 35.395306; 136.963667座標: 北緯35度23分43.1秒 東経136度57分49.2秒 / 北緯35.395306度 東経136.963667度 / 35.395306; 136.963667
山号 継鹿尾山(つがおざん)
宗派 真言宗智山派
本尊 千手観音(秘仏)、大随求菩薩
創建年 白雉5年(654年
開基 道昭孝徳天皇(勅願)
正式名 継鹿尾山 八葉蓮台寺 寂光院
別称 継鹿尾観音、もみじでら
札所等 尾張西国三十三観音33番
尾張三十三観音20番
東海百観音霊場20番
東海三十六不動尊2番
尾張三弘法
文化財 本堂・随求堂・弁天堂・薬医門(国の登録有形文化財)
公式サイト 犬山寂光院
法人番号 4180005009321 ウィキデータを編集
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寂光院(じゃっこういん)は、愛知県犬山市にある真言宗智山派寺院。山号は継鹿尾山(つがおざん)。継鹿尾山八葉蓮台寺寂光院(つがおざんはちようれんだいじじゃっこういん)と号する。通称継鹿尾観音(つがおかんのん)。紅葉で有名なことから「もみじでら」ともよばれる。

本尊は千手観音、随求堂の本尊は大随求菩薩である。

歴史

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寺伝によると、白雉5年(654年)に孝徳天皇の勅願により南都元興寺の道昭和尚の手によって建立、支院18、寺領500石を有する盛大な寺であった。永禄8年(1565年)には織田信長が参詣の折り、清洲城の鬼門鎮護の霊刹として黒印50石、山林50町歩を寄進。江戸時代も寺領を持ち続けた。現在は寺域33万㎡(10万坪)を有する。

2014年(平成26年)10月には愛知登文会によって、愛知県内の37件の登録有形文化財の特別公開(後のあいたて博)が初めて行われたが、この際には寂光院も公開の対象となった[1]

札所

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境内

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参道は全て東海自然歩道。境内全域は飛騨木曽川国定公園に含まれている。

本堂 - 本尊:千手観世音菩薩(秘仏)
現在の本堂は明治12年(1879年)、12代当主の時代に再建された。桁行5間、梁間5間、寄棟造、正面1間向拝付、桟瓦葺で、4周に切目縁を廻す。前2間分を吹放しで小組格天井の外陣とし、後方の内陣には禅宗様須弥壇を構え、厨子を置く。軸部は円柱で、組物は出組とする。装飾を押さえた伝統的形式になる本格的な仏堂建築。平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録されている。本尊の千手観音は秘仏で60年に一度の甲子年に限って開帳される。最近では大正15年(1926年)、昭和59年(1984年)に開帳があり、例外として「平成大修理」落慶記念で平成22年(2010年)にも開帳されている。秘仏千手観音厨子の「お前立ち」の像は南北朝時代の作とされている。
随求堂 - 本尊:大随求菩薩(秘仏)
文化2年銘の擬宝珠、内部柱に天保年間の墨書があることなどから、文化2年の建築と思われる。本堂西に東面して建ち、渡廊下で結ばれる。桁行5間、梁間3間、一軒、入母屋造、桟瓦葺で、4周に擬宝珠高欄付の切目縁を廻す。軸部は角柱で床下部を高くつくり、縁を絵様付持送り板で受ける。側廻りに蔀戸を多用した住宅風の外観は籠堂の性質を示している。平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録されている。
弁天堂
本堂北方の高所にある。弁天像台座裏に文政3年(1820年)の墨書銘があるので同時期の建築と考えられる。ほぼ正六角形の平面をもつ小堂で、前半を吹放しで板床張の見世棚風とし、中央境に格子戸を設け、後方を板壁で囲った内陣とする。柱や屋根を六角形につくり、天井の棹や垂木は放射状に配る。平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録されている。
薬医門
山門は継鹿尾(つがお)山麓の西側に位置し、庫裏(くり)の正門である。棟札により、天保7年(1836年)に尾張藩御大工の竹中泉正敏により建築されたことが分かる。一間一戸薬医門(やくいもん)で左右に袖塀(そでべい)、潜戸一戸付、二軒繁垂木、切妻屋根、桟瓦葺である。男梁(おばり)を本柱上の冠木(かぶき)から控柱まで架け渡し、両端に出三斗組(でみつとぐみ)、中央に平三斗組(ひらみつとぐみ)を配して、虹梁(こうりょう)を支持し、大瓶束大斗実肘木(たいへいづかだいとさねひじき)で化粧棟木(けしょうむなぎ)を支え、牡丹の笈形(おいがた)を付ける。扉は八双金物(はっそうかなもの)、乳金物(ちかなもの)、菱形鋲(ひしがたびょう)を打ち、冠木上中央に群猿の彫刻を置き、女梁(めばり)、男梁(おばり)は絵様木鼻付き、背面側虹梁上には龍の彫刻を配する。屋根は現在桟瓦を載せているが、当初は本瓦葺きであった。平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録されている。

文化財

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  • 千手観音二十八部衆像
  • 道昭和尚画像
  • 織田信長画像
  • 継鹿尾山図(以上犬山市指定文化財[2]
  • 本堂・随求堂・弁天堂・薬医門(国の登録有形文化財[3]

月例行事

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  • 毎月5日 - 七七月まいり月例縁日(大随求尊縁日)大護摩祈祷
  • 毎月18日 - 七七月まいり月例縁日(千手観音縁日)大護摩祈祷
    • 七七月まいりとは寂光院の参拝方法で、毎月一回七ヶ月参拝を七回繰り返すこと。
    • 参拝の作法は護摩木を手に随求堂の回廊を右廻りに三回巡礼する。
  • 毎月第2日曜日 - やすらぎ説法

年中行事

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  • 1月1日 - 初詣
  • 1月5日 - 初えびす
  • 1月18日 - 初観音祈願会(三大祭)。新年初めての観音縁日で最多功徳日を指す。
  • 2月1日 - 厄除祈願会
  • 3月5日 - 秘仏観音おいただき(三大祭)。参詣者の両掌の上に千手観音菩薩をいただく法要のことである。
  • 3月春分の日 - 春彼岸会
  • 5月18日 - お写経総供養
  • 8月9日 - 九万九千日功徳万倍日(三大祭)。この日に参拝すると九万九千日分の功徳が得られるという。
  • 9月秋分の日 - 秋彼岸会
  • 11月第2土曜日から12月第2日曜日 - もみじまつり
  • 12月31日 - 除夜の鐘

住職

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観光名所として

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別名「尾張のもみじ寺」と親しまれる紅葉の名所。10万坪の広い境内には約1000本のイロハモミジやカエデ類が立ち並び、全参道が東海自然歩道に指定されている。

春の桜(ソメイヨシノ、ヤマザクラ)・しゃが、初夏からの青モミジと四季折々の風情がある。

山上展望台からは、犬山城小牧城名古屋ツインタワービルを望むことができる。

庫裡事務所から山上の本堂・随求堂まで、スロープカーが2010年6月より運行されている。利用には片道200円以上の志納金を納めることになっている。

アクセス

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脚注

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  1. ^ 「国文化財建造物公開へ 名古屋、尾張、三河の37件」『中日新聞』2014年10月23日
  2. ^ 市指定文化財一覧”. 犬山市. 2013年5月27日閲覧。
  3. ^ 寂光院本堂・随求堂・弁天堂・山門”. 愛知県. 2013年5月27日閲覧。

外部リンク

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