線密度
線密度(せんみつど)は、単位長さ当たりの任意の特性値の量の尺度である。線質量密度(繊維工学におけるtiter)と線電荷密度(単位長さ当たりの電荷量)は、科学や工学で使用される2つの一般的な例である。
線質量密度
[編集]質量で長さの長く細い棒を考える。この1次元の物体の平均線質量密度を計算するためには、単純に総質量を全長で割ればよい。
質量が変化する(棒の長さに沿った位置の関数により変化する)棒とすると、次のように書くことができる。
質量の各微小単位はその線形質量密度と長さの微小単位の積と等しくなる。
線質量密度は、棒の1次元(その長さに沿った位置)に関する質量関数の導関数として理解することができる。
線質量密度のSI単位は、キログラム毎メートル(kg/m)である。
繊維と毛糸の線密度は多くの方法で測定することができる。最も簡単な方法は、材料の長さを測定して重さを量ることである。ただし、これには大きな試料が必要であり、糸に沿った線密度のばらつきが無視されてしまう。また、繊維が縮れていたり、緩めて平らに置くことができない場合は、この方法は適用できない。材料の密度が既知である場合、繊維は個々に測定され、単純な形状をする。より正確な方法はSEMで繊維を直接撮影して直径を測定し線密度を計算することである。振動計で直接測定する方法もある。試料を2つの硬い点で挟み張力をかけ、機械的な振動を発生させ、その基本周波数を測定する[1][2]。
線電荷密度
[編集]電荷で長さの細長いワイヤを考える。この1次元物体の平均線電荷密度を計算するためには、単純に総電荷を全長で割ればよい。
電荷が変化する(棒の長さに沿った位置の関数により変化する)棒とすると、次のように書くことができる。
電荷の各微小単位はその線形電荷密度と長さの微小単位の積と等しくなる[3]。
線電荷密度は、棒の1次元(その長さに沿った位置)に関する電荷関数の導関数として理解することができる。
これらの手順は上記を求める手順と同じである。
線電荷密度のSI単位は、クーロン毎メートル(C/m)である。
他
[編集]図面や印刷においては、線の濃さや重さを意味する「線密度」という言葉もある。
線密度を抽象化したものとしては、単一の確率変数の確率密度関数が有名である。
単位
[編集]参考:en:Units of textile measurement
- キログラム毎メートル
- オンス毎フィート
- オンス毎インチ
- ポンド毎ヤード(レールの線密度を表すために北米の鉄道業界で使用されている)
- ポンド毎フィート
- ポンド毎インチ
- デニール#テクス 繊維の線密度の単位。1,000メートルあたりの質量(グラム)で定義される。
- デニール 繊維の線密度の単位。9,000メートルあたりの質量(グラム)で定義される。
- デシテクス (dtex) 繊維の線密度のSI単位。10,000メートルあたりの質量(グラム)で定義される。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ Patt, D.H. (1958). “Findings and Recommendations on the Use of the Vibroscope”. Textile Research Journal 28 (8): 691. doi:10.1177/004051755802800809.
- ^ “ISO 1973:1995. Textile fibres -- Determination of linear density -- Gravimetric method and vibroscope method”. 2016年4月5日閲覧。
- ^ Griffiths, David J. (1989), Introduction to Electrodynamics (2nd Edition), New Jersey: Prentice Hall, pp. 64, ISBN 0-13-481367-7