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置換積分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

微分積分学において置換積分(ちかんせきぶん, 英語: Integration by substitution)は、変数変換を用いて積分を計算する積分法である。

一変数の置換

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不定積分の置換積分

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連続関数 f(x)微分可能関数 x = g(t) について次の等式が成り立つ[注 1]

導出には以下のように連鎖律微分積分学の基本定理を用いる[1]

この等式から変換公式の両辺の不定積分t微分したときに等しいことから、定数項の違いを除いて等しいことが帰結される。

また、変換公式は形式的に f(x) = f(g(t))dx = g'(t) dt に分けて考えることができる[2]。後者は厳密には微分形式の理論によって正当化され、後述する多変数の置換積分と併せて積分の変数変換を一般化する。

定積分の置換積分

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定積分で変数変換する際には、以下のように積分区間も変換される[1]

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例1

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u = x2 + 1x から u に変数変換する。ここで、du = 2x dx なので x dx = (1/2)du である。また、x = 0 に対して u = 02+ 1 = 1 であり、x = 2 に対して u = 22+ 1 = 5 であるので、

と計算できる。

例2

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x = sin(u)x から u に変数変換する。このとき、dx = cos(u) du である。また、0 = sin(0) および 1 = sin(π/2) であることから積分区間を [0, π/2] に変換すると、この区間において |cos(u)| = cos(u) であることに注意して、

と計算できる。

多変数の置換

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x=φ(u,v),y=ψ(u,v)と変数変換すると

ここで、

ヤコビアン(ヤコビ行列行列式である。)

これは形式的にと書ける。

脚注

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注釈

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  1. ^ ここでの等号は「定数項英語版違いを除いて等しい」ことを意味する[1]

出典

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  1. ^ a b c 加藤 2019, p. 136.
  2. ^ 加藤 2019, p. 137.

文献

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  • 加藤文元『大学教養 微分積分』数研出版〈数研講座シリーズ〉、2019年11月1日。ISBN 978-4-410-15229-0 

関連項目

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